「革靴を新調しようと思っているけれど、スクエアトゥって今履くとダサいかな?」
そんな不安を抱えてこの記事に辿り着いたあなた、安心してください。結論からお伝えすると、スクエアトゥ自体がダサいわけではありません。むしろ、2026年現在のファッションシーンでは、洗練された大人の選択肢として再注目されています。
しかし、なぜ「革靴のスクエアトゥはダサい」という声が絶えないのでしょうか。そこには、過去の流行が生んだ「ある種のトラップ」が存在します。
この記事では、周囲から「古臭い」と思われないための選び方や、今こそ履きたい正解のコーディネートについて、徹底的に解説していきます。
なぜ「革靴のスクエアトゥはダサい」と誤解されるのか
まず、私たちが抱いている「スクエアトゥ=ダサい」というイメージの正体を暴いておきましょう。
多くの人が「ダサい」と感じてしまう最大の原因は、2000年代初頭に爆発的に流行した「極端なロングノーズ」の残像です。当時のトレンドは、つま先が異様に長く、かつ鋭利に角張ったデザインでした。いわゆる「お兄系」や「ホスト系」と呼ばれるスタイルで多用されたあの形状が、今の「ナチュラルでクラシック」を良しとする価値観と真っ向からぶつかってしまうのです。
また、格安の量産型ビジネスシューズにおいて、とりあえず「それっぽく」見せるために不自然な角を作ってしまった靴が多いことも、ネガティブな印象を強める要因となりました。
つまり、ダサいのは「スクエアトゥ」そのものではなく、「全体のバランスを無視した、過度に主張の強い形状」なのです。
2026年におしゃれに見えるスクエアトゥの条件
では、今履くべき「おしゃれなスクエアトゥ」とはどのようなものでしょうか。ポイントは「中庸(ちゅうよう)」と「立体感」です。
1. 「ソフトスクエア」または「チゼルトゥ」を選ぶ
今、最もスマートに見えるのは、角にわずかな丸みを持たせた「ソフトスクエア」です。一見するとラウンドトゥ(丸いつま先)のようでありながら、先端がスッと直線的にカットされている。この絶妙な塩梅が、誠実さと都会的なセンスを感じさせます。
また、イギリスの高級靴に見られる「チゼルトゥ」もおすすめです。ノミ(チゼル)で削ったようなシャープな形状は、横から見た時の立体感が美しく、足元に知的な緊張感を与えてくれます。
2. ノーズの長さは「標準」が鉄則
つま先が長すぎる靴は、どうしても過去の遺物に見えてしまいます。理想的なのは、自分の指先からつま先までの空間(捨て寸)が2〜3cm程度のもの。履いた時に足だけが大きく見えない、自然なバランスを意識しましょう。
3. ソールの厚みとコバの仕上げ
薄っぺらなソールにペタッとした平面的なスクエアは、どうしても安っぽさが拭えません。ある程度の厚みがあり、コバ(靴の縁)がしっかりと立ち上がっているものを選ぶと、靴全体の存在感が増し、高級感が漂います。
REGAL ストレートチップのような、日本の老舗ブランドが作る定番モデルは、このあたりのバランスが非常に秀逸です。
実際の選び方:足の形とスタイルの相性
スクエアトゥを選ぶ最大のメリットは、実は見た目だけでなく「機能性」にもあります。
多くの日本人は、親指が一番長い「エジプト型」や、指の長さが比較的揃っている「スクエア型」の足を持っています。これらの方にとって、つま先が細いラウンドトゥやポインテッドトゥは、指先が圧迫されやすい形状です。
その点、スクエアトゥはつま先にゆとりがあるため、外反母趾の予防や長時間の歩行でも疲れにくいという強みがあります。「楽だから履く」という理由に「かっこいいから履く」という自信を加えるために、以下のスタイル別選び方を参考にしてみてください。
- ビジネス・フォーマルシーン黒の内羽根ストレートチップを選びましょう。ここでスクエアの主張が強すぎると品を損なうため、さりげないソフトスクエアが正解です。
- ビジネスカジュアル(ジャケパン)茶系のアデレード型やモンクストラップがおすすめ。少しエッジの効いたスクエアは、スラックスの裾から覗いた時に「お、こだわっているな」と思わせるフックになります。
- オフの日・カジュアル最近トレンドのワイドパンツを履くなら、ボリューム感のあるスクエアトゥ・ローファーが好相性です。太めのパンツに丸すぎる靴を合わせると足元が弱々しく見えますが、スクエアのエッジがあれば全体のシルエットが引き締まります。
コーディネートで差をつける「足元のバランス学」
スクエアトゥを履きこなす上で、靴以上に重要なのが「パンツの裾幅」と「丈感」です。
現在のトレンドである「ワンクッション(裾が靴の甲に少し乗る程度)」や、ややゆとりのある「ストレートシルエット」のパンツには、スクエアトゥの直線的なラインが非常に美しく馴染みます。
逆に、極端に細いスキニーパンツにスクエアトゥを合わせると、足先だけが強調されてしまい、例の「ダサい」イメージに近づいてしまうので注意が必要です。あくまで、パンツの流れを自然に受け止める「土台」としてのスクエアトゥを意識してみてください。
また、素材選びも重要です。少し勇気がいるという方は、スエード素材のスクエアトゥから始めてみるのがいいでしょう。素材の柔らかさが角の印象を和らげ、非常にマイルドで上品な仕上がりになります。
スコッチグレイン ビジネスシューズのような、きめ細やかなカーフレザーを使用したモデルなら、スクエアのラインが光を反射し、より立体的に、より高級に見えるはずです。
信頼できる一足を手に入れるために
「ダサい」という評判を気にするあまり、自分に似合う靴を諦めるのはもったいないことです。一流のビジネスパーソンや、ファッションに精通した人ほど、自分の足型に合い、かつスタイルを格上げしてくれるスクエアトゥを愛用しています。
もし、具体的なブランドで迷っているなら、まずは日本の職人技が光るメーカーをチェックしてみてください。
- 三陽山長: 日本人のための「粋」を形にした、美しいチゼルトゥのモデルが揃っています。
- リーガル: 流行に左右されない、それでいて現代的なエッセンスを取り入れたスクエアトゥの宝庫です。
海外ブランドであれば、Crockett&Jones 348ラストを調べてみてください。世界中のファッショニスタが「最も美しいスクエアの一つ」と認める名作に触れることで、自分の中の「良いスクエア」の基準が明確になるはずです。
革靴のスクエアトゥはダサいという評価を跳ね返すために
いかがでしたでしょうか。
「革靴のスクエアトゥはダサい」という言葉は、あくまで過去の「やりすぎたデザイン」に向けられたものです。現代におけるスクエアトゥは、足の健康を守りつつ、スーツスタイルに力強さと知性を添えてくれる、非常に理にかなった選択です。
大切なのは、「なぜその形なのか」を理解し、自分の全体のシルエットと調和させること。
- 極端なロングノーズを避ける
- 厚みと立体感のあるものを選ぶ
- パンツのシルエットとのバランスを考える
この3点を守るだけで、あなたの足元は見違えるほど洗練されます。
2026年、自信を持ってスクエアトゥを履きこなし、一歩先を行く大人のスタイルを楽しんでください。周囲の視線が「古臭い」から「品がある」に変わる瞬間を、きっと実感できるはずです。


