「お気に入りの革靴、最近なんだかカサカサしてきたな……」
「そろそろクリームを塗らなきゃいけないけど、種類が多すぎて何を買えばいいのかさっぱり分からない!」
そんな悩み、実は多くの靴好きが一度は通る道なんです。革靴のメンテナンスにおいて、クリーム選びは「肌のスキンケア」と同じくらい大切。間違ったものを選んでしまうと、せっかくの高級靴がシミになったり、ベタついて埃を吸い寄せたりすることもあります。
でも、安心してください。基本さえ押さえれば、革靴のお手入れは決して難しくありません。それどころか、自分の手で磨き上げた靴がピカピカに輝く瞬間は、格別の快感です。
今回は、初心者から上級者まで納得の革靴クリームおすすめ15選を徹底解説します。選び方のコツや、プロも実践する正しい使い方も詳しくご紹介するので、この記事を読み終える頃には、あなたの靴が新品以上の輝きを取り戻しているはずですよ!
なぜ革靴にはクリームが必要なのか?
そもそも、なぜ革靴にクリームを塗る必要があるのでしょうか。「汚れを落とすだけでいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はそれだけでは不十分です。
革は動物の皮を加工した天然素材。人間と同じように、時間が経てば水分や油分が失われ、乾燥していきます。乾燥が進むと革が硬くなり、歩くたびに負荷がかかる「履きジワ」の部分からパキッとひび割れてしまうのです。一度ひび割れた革を元通りにするのは、プロの職人でも至難の業。
クリームの役割は、大きく分けて3つあります。
一つ目は「栄養補給」。革の繊維を柔軟に保ち、寿命を延ばします。
二つ目は「補色」。擦れて色が剥げた部分に色を戻し、若々しさを復活させます。
三つ目は「光沢と保護」。表面に薄い膜を作ることで、水や汚れから靴を守り、美しいツヤを与えます。
「靴を長持ちさせる=クリームで栄養を与える」ということ。これを意識するだけで、1足の靴と10年、20年と付き合えるようになるんです。
失敗しない革靴クリームの選び方
お店の棚に並ぶ無数のクリームを見て、「どれも同じに見える」と立ち尽くしてしまった経験はありませんか?実は、クリームは大きく分けて3つのタイプに分類されます。これを知るだけで、選び方はグッと楽になりますよ。
1. 水分たっぷりの「デリケートクリーム」
まず1つ目は、ゼリーのような質感の「デリケートクリーム」です。成分のほとんどが水分で、油分やロウ分が少ないのが特徴。
最大のメリットは「失敗しにくいこと」。サラッとしているのでシミになりにくく、どんな革にも安心して使えます。特に、新品の靴を履き始める前の「プレメンテナンス」や、久しぶりに履く靴の乾燥対策に最適です。ただし、これだけではツヤがあまり出ないので注意しましょう。
2. 基本の1本「乳化性クリーム」
迷ったらこれ!と言えるのが、ビンに入った「乳化性クリーム」です。水分、油分、ロウ分がバランスよく配合されており、栄養補給とツヤ出し、さらには補色までこれ1本で完結します。
革の内部までじわっと栄養が浸透し、表面には自然な上品な輝きが宿ります。日常のケアには、この乳化性クリームがあれば十分です。
3. 輝きを極める「油性クリーム・ワックス」
「鏡のように光らせたい」「雨からガッチリ守りたい」という時に登場するのが油性タイプ。水分を含まず、ほとんどが油とロウでできています。
非常に強い光沢が出る反面、革の表面をコーティングする力が強いため、塗りすぎると革が呼吸できなくなってしまうことも。乳化性クリームでしっかり栄養を入れた後の「仕上げ」として使うのが正解です。
【目的別】革靴クリームおすすめ15選
それでは、具体的におすすめの製品をチェックしていきましょう。自分の靴の状態や、どんな風に仕上げたいかをイメージしながら選んでみてくださいね。
万能&初心者におすすめの定番5選
まずは、どんな靴にも使いやすく、失敗の少ない定番モデルから。
- Collonil 1909 シュプリームクリームデラックス世界中で愛される名作中の名作。シダーウッドオイルを配合しており、浸透力が抜群です。塗った後のベタつきが一切なく、しっとりとした上品なツヤが出ます。香りが良いのもポイントですね。
- M.MOWBRAY シュークリームジャー日本の靴磨きブームを支えてきたロングセラー。伸びが非常に良く、カラーバリエーションが豊富なので、自分の靴にぴったりの色が見つかります。コスパも最高です。
- SAPHIR シュークリームフランス生まれの高級ブランド。発色がとても美しく、色褪せた靴を蘇らせる力はピカイチです。天然原料にこだわっているため、革への優しさも折り紙付き。
- Boot Black シルバーライン シュークリーム日本の老舗コロンブスが手掛ける最高級ライン。日本人の好みに合わせた、繊細でキメの細かい仕上がりが特徴です。粒子が細かいので、スッと革に馴染みます。
- SAPHIR レノベイタークリームミンクオイルを配合した、まさに「革の美容液」。これ1本で汚れ落としと栄養補給ができるので、忙しいけれど手入れはしっかりしたいという方に最適です。
本格派・ツヤ重視のこだわり5選
「もっとギラッと光らせたい」「プロのような仕上がりを目指したい」という方はこちら。
- SAPHIR NOIR クレム1925世界中の靴磨き職人が愛用する、油性クリームの最高峰。水分を一切含まない処方なのに、栄養補給力が凄まじいです。これを塗るだけで、まるで見違えるような深い光沢が生まれます。
- ENGLISH GUILD ビーズリッチクリーム英国伝統のレシピで作られたクリーム。ロウ分が多めに配合されており、重厚感のある独特のツヤが出ます。ドレッシーな英国靴には最高の相性です。
- Boot Black アーティストパレットアルガンオイルを配合した油性クリーム。顔料成分が強く、色の乗りが非常に良いのが特徴です。アンティーク仕上げを楽しみたい方にもおすすめ。
- SAPHIR NOIR ビーズワックスポリッシュ鏡面磨き(ハイシャイン)に欠かせないワックス。最高級のビーズワックス(蜜蝋)を使用しており、短時間で鋭い輝きを作り出すことができます。
- M.MOWBRAY PRESTIGIO リッチデリケートクリーム天然成分97%以上の超高級デリケートクリーム。アボカドオイルなどが配合されており、デリケートクリームとは思えないほどの保湿力を誇ります。
特殊な革や時短ケアに使える5選
コードバンやスエード、あるいはとにかく楽をしたい時のためのラインナップです。
- Collonil コードバンクリーム独特の光沢を持つコードバン専用のクリーム。普通のクリームを塗ると曇ってしまうコードバンも、これなら質感を損なわずに保革できます。
- SAPHIR コードバンクリームこちらもコードバン専用。油分をしっかり補給しつつ、表面の毛羽立ちを抑えて滑らかな質感を持続させてくれます。
- M.MOWBRAY スエードカラーフレッシュスエードなどの起毛皮革用スプレー。厳密にはクリームではありませんが、これ1本で栄養補給と防水ができるため、スエード靴には必須のアイテムです。
- COLUMBUS ナイトリキッド「時間はかけられない、でもツヤは欲しい」という時の救世主。塗るだけで瞬時にツヤが出る液体タイプです。最近のリキッドは革を傷めにくい処方に進化しています。
- SAPHIR ユニバーサルレザーローション靴だけでなく、財布やバッグ、レザージャケットなど、あらゆる革製品に使える万能ローション。一家に一本あると本当に重宝します。
プロ直伝!クリームの正しい使い方と手順
おすすめのクリームを手に入れたら、次は実践です。適当に塗るだけでは、クリームの性能を100%引き出せません。プロが実践している基本のステップを解説します。
ステップ1:馬毛ブラシでホコリを落とす
まずは「馬毛ブラシ」を使って、靴全体のホコリを払い落とします。実はこれが一番大事な工程。ホコリが残ったままクリームを塗ると、汚れを閉じ込めてしまい、革を傷める原因になります。縫い目やコバ(ソールの縁)もしっかりブラッシングしましょう。
ステップ2:クリーナーで汚れをリセット
次に、ステインリムーバーなどのクリーナーを使って、古いクリームや汚れを拭き取ります。これをしないと、クリームが層のように重なり、革が硬くなってしまいます。化粧を落としてからスキンケアをするのと同じ理屈ですね。
ステップ3:クリームを「少量」塗る
いよいよクリームの登場です。ここで最大のポイントは**「塗りすぎないこと」**。
布、またはペネトレイトブラシ(小さなブラシ)に、クリームを米粒2〜3粒分ほど取ります。これで片足分です。「えっ、これだけ?」と思うかもしれませんが、十分です。円を描くように、薄く全体に伸ばしていきましょう。
ステップ4:豚毛ブラシで叩き込む
クリームを塗ったら、すぐに「豚毛ブラシ」でブラッシングします。馬毛よりもコシが強い豚毛を使うことで、クリームを革の繊維の奥まで押し込み、余分なクリームを弾き飛ばします。シャカシャカと大きな音が出るくらいの勢いで磨くのがコツです。
ステップ5:乾拭きで仕上げる
最後に、きれいな布(使い古したTシャツの切れ端でOK)やグローブクロスで全体を拭き上げます。表面に残った余分な油分をしっかり取り除くことで、ベタつきを防ぎ、光沢を安定させます。この「最後の乾拭き」を丁寧に行うことで、服にクリームがつくのも防げますよ。
色選びで迷った時の処方箋
クリームを選ぶ際、一番悩むのが「色」ですよね。「自分の靴の色と微妙に違う気がする……」という時の解決策をお伝えします。
- 基本は「靴より少し明るい色」を選ぶ靴と全く同じ色、もしくは少しだけ明るい色を選ぶのが鉄則です。靴より濃い色を選んでしまうと、全体が黒ずんでしまったり、ムラが目立ったりするリスクがあります。
- 「無色(ニュートラル)」の万能さ色選びに自信がない場合や、ステッチ(糸)の色が革と違う場合は、無色のクリームを選びましょう。補色効果はありませんが、どんな色の靴にも使えます。ただし、長年無色だけを使っていると少しずつ色が抜けてくるので、たまに色付きを使うのが理想的です。
- 複数色を混ぜるのもアリ「茶色といっても赤みが強いんだよな」という場合、茶色と赤のクリームを混ぜて使うことも可能です。自分だけの色を作るのも、靴磨きの醍醐味の一つですね。
靴磨きをより楽しむためのQ&A
Q:どれくらいの頻度でお手入れすべき?
A:履く頻度にもよりますが、**「月に1回」または「5〜10回履いたら1回」**が目安です。あまり頻繁に塗りすぎると、逆に革が柔らかくなりすぎて型崩れの原因になることもあるので注意しましょう。
Q:安いクリームと高いクリーム、何が違うの?
A:主な違いは「成分の質」と「粒子の細かさ」です。高級なクリームは、天然のオイルやワックスを使用しており、革への浸透力が高く、酸化しにくいのが特徴です。仕上がりの透明感や、数年後の革の状態に差が出てきます。
Q:クリームが固まってしまった!復活できる?
A:ビンの中で表面がカチカチになった場合、少しだけ専用の溶剤や新しいクリームを混ぜて練ると柔らかくなることがありますが、基本的には買い替えをおすすめします。劣化した油分を革に塗るのは、あまり良くないからです。
革靴クリームおすすめ15選!プロ直伝の選び方や種類別の正しい使い方も徹底解説:まとめ
いかがでしたでしょうか。
たかがクリーム、されどクリーム。自分にぴったりの1本を見つけることは、革靴ライフをより豊かにするための第一歩です。
最後におさらいをすると、
- 初心者はまず**「乳化性クリーム」**の定番品を選ぶ
- 塗る量は**「米粒数粒分」**で十分
- **「ブラッシングと乾拭き」**を丁寧に行う
この3点を守るだけで、あなたの革靴は見違えるように輝き、そして何年も長く履き続けることができるようになります。
お気に入りの靴を磨く時間は、忙しい日常の中でふと自分を見つめ直す、贅沢なひとときでもあります。今週末は、お気に入りの音楽でも聴きながら、大切な一足をゆっくりとケアしてみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介した革靴用クリームを参考に、ぜひ最高の相棒を見つけてくださいね。あなたの足元が、今日も明日も美しく輝き続けますように!


