「お気に入りの革靴、気づいたらかかとが斜めに削れてる……」
「まだ履けるけど、このまま履き続けるのは格好悪いかな?」
そんな悩み、ありませんか?
実は、革靴の寿命を左右するのは「かかと」だと言っても過言ではありません。早めに対処すれば、数千円の出費で数年寿命を延ばせるのに、放置したせいで靴全体を台無しにしてしまうのは本当にもったいないことです。
この記事では、革靴のかかと補修を自分で行うDIY術から、プロに任せるべき判断基準、気になる値段相場まで、あなたの靴を「現役」で使い続けるための情報を徹底的にまとめました。
なぜ革靴のかかとはすぐに削れるのか?その原因と放置するリスク
そもそも、なぜ革靴のかかとはあんなに早く削れてしまうのでしょうか。実は、歩き方や構造に理由があります。
1. 歩き方のクセと構造上の宿命
人間は歩行時、かかとの外側から着地するのが自然な動きです。そのため、多くの人が「かかとの外側」から摩耗していきます。これはある程度仕方のないことなのですが、あまりに急激に削れる場合は、歩幅が狭すぎたり、靴を引きずって歩いたりしている可能性があります。
2. 放置すると「体の不調」を招く
かかとが斜めに削れたまま履き続けると、靴のバランスが崩れ、足首や膝、さらには腰にまで負担がかかります。歩き方が不自然になり、疲れやすくなるだけでなく、姿勢が悪くなる原因にもなるのです。
3. 修理費用が高くなる
かかとは通常、一番下の「トップリフト(ゴム層)」が削れる分には安く修理できます。しかし、その上の「積み上げ(木の層のように見える部分)」まで削れてしまうと、修理工程が増え、料金が跳ね上がってしまいます。
自分で直す!革靴のかかと補修(DIY)の完全ステップ
「修理屋さんに持っていく時間がない」「少しでも安く済ませたい」という方には、自宅でのセルフ補修がおすすめです。最近は便利な補修キットが充実しており、初心者でも驚くほどきれいに仕上がります。
用意するもの
まずは以下のアイテムを揃えましょう。
セルフ補修の手順
① 補修箇所の汚れを徹底的に落とす
かかとの削れた部分には、泥や油分が付着しています。この汚れが残っていると、補修材がすぐに剥がれてしまいます。布で拭き取った後、軽くやすりをかけて表面をザラザラにすると、補修材の食いつきが良くなります。
② マスキングテープで「壁」を作る
削れた部分を囲うように、マスキングテープを貼ります。これが補修材を流し込む「型」になります。靴の側面のラインに合わせて、少し高めに貼るのがコツです。
③ 補修材を塗り込む
補修材を少しずつ出し、付属のヘラで隙間を埋めるように塗り込みます。空気が入らないよう、押し付けるように塗るのがポイントです。乾燥すると少し肉痩せ(体積が減る)するため、周囲より1mmほど盛り上げるように塗ると失敗しません。
④ 24時間以上しっかり乾燥させる
ここが一番大切です。「もう乾いたかな?」と思っても、中まで完全に固まるには時間がかかります。丸一日は触らず、風通しの良い場所で放置しましょう。
⑤ 仕上げのカットと研磨
完全に固まったらテープを剥がし、はみ出た部分をカッターややすりで整えます。最後に靴墨やクリームで色を馴染ませれば、遠目には補修したことがわからないレベルになります。
プロに任せるべきタイミングと気になる値段相場
セルフ補修は便利ですが、どんな状態でも通用するわけではありません。以下のようなケースでは、迷わずプロの靴修理店(ミスターミニットなど)に相談しましょう。
プロに頼むべき境界線
- 積み上げ(土台)まで削れている: ゴム層を越えて、木の層のような土台まで削れている場合は、DIYでの成形は困難です。
- かかとの内側(ライニング)が破れている: 靴を脱いだときに見える「腰裏」の破れは、専用の革を貼って縫い合わせるプロの技術が必要です。
- 高級靴や大事な勝負靴: 左右の高さのバランスを1mm単位で調整してもらえるため、履き心地を重視するならプロ一択です。
修理費用の目安
- トップリフト交換(ゴムのみ): 2,500円〜4,000円
- 作業時間は15分〜30分程度で終わることが多いです。
- 積み上げの補修(高さ調整含む): 4,000円〜6,000円
- 削れすぎた土台を継ぎ足して補強します。
- かかと内側(腰裏)の補修: 3,000円〜5,000円(片足)
- 革の質感に合わせて補強してくれるため、脱いだ時の見栄えも良くなります。
削れる前に打つ手!革靴を長持ちさせる予防術
補修の回数を減らすためには、日頃のメンテナンスと工夫が欠かせません。
1. 履くときに「靴べら」を必ず使う
かかとの内側が破れる最大の原因は、足を入れる際の摩擦です。靴べら 携帯用を常に持ち歩き、かかとを潰さないように履くだけで、内側の寿命は劇的に伸びます。
2. 「ローテーション」を守る
同じ靴を毎日履くと、かかとのゴムが摩擦熱や湿気で柔らかくなり、削れやすくなります。中1日〜2日は休ませて、しっかり乾燥させることが基本です。
3. ヒールプレートを装着する
新品のうちに、かかとの削れやすい部分にヒールプレートを打ち込んでおくのも有効です。金属や硬質樹脂のプレートが身代わりになって削れてくれるため、本体を長期間守ることができます。
4. サイズ感を調整する
靴の中で足が動いてしまう(パカパカする)と、歩くたびにかかとが擦れます。サイズが大きい場合はかかとパッドを使用して、フィット感を高めましょう。
まとめ:革靴のかかと補修で足元に自信を
革靴のかかとがきれいな人は、それだけで「仕事ができそう」「清潔感がある」という印象を与えます。逆に、どれだけ高級なスーツを着ていても、かかとがボロボロでは台無しです。
自分でコツコツとシューズドクターNを使って直すのも、靴への愛着が深まって楽しいものですし、プロの鮮やかな手つきで新品同様に蘇らせてもらうのも一つの正解です。
大切なのは、「削れてきたな」と思ったその瞬間に放置しないこと。
早めのメンテナンスを心がけて、お気に入りの一足を10年、20年と履き続けられる相棒に育てていきましょう。この記事を参考に、まずはご自身の靴の裏をチェックしてみてくださいね。
革靴のかかと補修をマスターして、明日からの歩行をより軽やかでスマートなものに変えていきましょう。


