「いつかはジョンロブを」
靴好きならずとも、大人の階段を登る中で一度はその名前を耳にしたことがあるはずです。世界最高峰の既成靴ブランドとして君臨するジョンロブ。しかし、いざ手に入れようと思うと、その価格は20万円、30万円と非常に高価です。「本当にそれだけの価値があるのか?」「自分に履きこなせるのか?」と、最初の一歩を躊躇してしまう方も少なくありません。
今回の記事では、ジョンロブがなぜ「王者の靴」と呼ばれるのか、その圧倒的な魅力から、絶対に後悔しないための名作モデルの選び方までを徹底解説します。
なぜジョンロブは「世界最高峰」と断言されるのか
ジョンロブの歴史は、1866年にロンドンでビスポーク(注文靴)専門店としてスタートしたことから始まります。英国王室御用達(ロイヤルワラント)を授かるほどの技術力を持っていましたが、転機となったのは1976年。フランスのラグジュアリーブランド、エルメスグループの傘下に入ったことです。
これにより、ジョンロブは他の靴メーカーには真似できない「最強の武器」を手に入れました。それが、世界最高峰のレザーを優先的に確保できる調達力です。エルメスが抱える超一流のタンナーから、傷一つない、きめ細やかな原皮を独占的に仕入れることができる。これがジョンロブの靴が放つ、独特のオーラと艶の正体です。
また、ジョンロブの既成靴(既製品)は、パリを拠点とするデザインチームが手がけています。英国靴の質実剛健な作りに、フランスの洗練されたエレガンスが融合していること。この「ハイブリッドな美しさ」こそが、世界中のエグゼクティブを虜にし続ける理由なのです。
ジョンロブの靴選びで絶対に外せない「ラスト(木型)」の知識
ジョンロブを語る上で、木型(ラスト)の話を避けて通ることはできません。靴の形、そして履き心地のすべてを決めるのがラストです。
現在、ジョンロブの主流となっているのは「7000番」というラストです。これは現代人の足に合うように設計された、やや細身でスタイリッシュな木型。鼻先(トゥ)が長すぎず短すぎず、非常に端正な表情を作り出します。
一方で、クラシックな愛好家に支持されているのが「8695番」。丸みを帯びたボリューム感のあるトゥが特徴で、英国伝統の重厚感を楽しめます。モデルを選ぶ際は、その靴がどのラストを採用しているかを確認することが、サイズ選びで失敗しないための第一歩です。
ジョンロブのおすすめモデル10選。一生モノに出会うためのリスト
それでは、ここからジョンロブの膨大なアーカイブの中から、今選ぶべき名作10選をご紹介します。
1. City II(シティ2)
ジョンロブの顔とも言えるのが、このジョンロブ シティ2です。無駄な装飾を一切削ぎ落としたストレートチップは、冠婚葬祭から重要な商談まで、これ一足あれば世界中どこへ行っても恥をかくことはありません。ラスト7000番による完璧なバランスは、まさに「究極の普通」です。
2. Philip II(フィリップ2)
シティ2よりもさらにワンランク上の意匠を凝らしたのがジョンロブ フィリップ2。プレステージラインという上位コレクションに属し、土踏まずの絞り込みや、カカトの縫い目がないシームレスヒールなど、職人の技が凝縮されています。パンチドキャップトゥの華やかさが、足元に色気を与えます。
3. William(ウィリアム)
ダブルモンクストラップの代名詞がジョンロブ ウィリアムです。もともとはウィンザー公の注文によって生まれたモデルで、頑丈なダブルソールとシボ感のあるレザーが特徴。スーツだけでなく、デニムやチノパンなどのカジュアルスタイルを格上げしてくれる万能選手です。
4. Lopez(ロペス)
世界で最も美しいローファーの一つに数えられるのがジョンロブ ロペス。サドル部分の楕円形の窓がアイコンです。ローファーでありながら、崩れすぎない品格を持っており、大人の休日スタイルには欠かせない一足と言えるでしょう。
5. Chapel(チャペル)
一枚の大きな革で作り上げられる「ホールカット」に、ダブルモンクの意匠を加えたのがジョンロブ チャペル。縫い目が極限まで少ないため、ジョンロブが誇るレザーの質の良さがダイレクトに伝わります。モダンでシャープな印象を求める方に。
6. Becketts(ベケッツ)
フィリップ2と並ぶプレステージラインの人気モデル。内羽根のプレーントゥに近いデザインですが、独自のステッチワークが個性を放ちます。控えめながらも「ただ者ではない」雰囲気を感じさせる一足です。
7. Chambord(シャンボード)
Uチップの名作として知られるのがジョンロブ シャンボード。手縫いによるフロントのモカシンが、独特の立体感を生みます。カントリーな雰囲気がありつつも、ジョンロブの手にかかれば極めて都会的な表情に仕上がります。
8. Lawry(ローリー)
近年、非常に人気が高まっているのがサイドゴアブーツのジョンロブ ローリーです。着脱のしやすさはもちろん、足首に沿うような美しいシルエットは、細身のパンツと抜群の相性を誇ります。
9. Ashill(アシル)
シングルモンクストラップの気品あふれるモデル。ダブルモンクのウィリアムよりもすっきりとした印象で、よりドレッシーな装いにマッチします。バックルの輝きが控えめなアクセントになります。
10. Bath(バス)
ジョンロブのエッセンスを軽やかに楽しめるデッキシューズ。最高級のシボ革を使用しており、素足で履いてもその柔らかさに驚かされます。ラグジュアリーなリゾートスタイルに最適です。
失敗しないためのサイズ感とメンテナンスのコツ
ジョンロブの靴は、グッドイヤーウェルト製法で作られています。履き始めは少し硬く感じるかもしれませんが、履き込むほどに中底が自分の足の形に沈み込み、世界に一つだけのフィット感へと変化していきます。
サイズ選びのポイントは、カカトのホールド感です。ジョンロブはカカトが小さめに設計されており、日本人の足にも合いやすいと言われています。しかし、ラストによって幅(ウィズ)の感覚が異なるため、初めての方はまず標準的な「Eウィズ」から試してみるのがセオリーです。
そして、手入れについても触れておきましょう。高価な靴だからといって、箱の中に大切にしまっておくのは逆効果。適度に履き、履いた後はシューツリーを入れてシワを伸ばし、ブラッシングをする。これだけで、ジョンロブの革は10年、20年と輝き続けます。純正のケア用品であるジョンロブ 靴クリームを使えば、その美しい色艶をより長く維持できるでしょう。
万が一、ソールが削れてもジョンロブには公式のリペアサービスがあります。純正のパーツで修理を繰り返すことで、靴はさらに深みを増し、本当の意味での「相棒」になっていきます。
ジョンロブの革靴おすすめ10選。世界最高峰と称される理由と後悔しない選び方
いかがでしたでしょうか。ジョンロブの靴を手にするということは、単に高級な履物を買うということではありません。それは、世界最高の素材、150年以上の歴史、そして職人たちの誇りを身に纏うという体験です。
最初は「シティ2」や「フィリップ2」といった、王道のビジネスモデルからスタートするのが最も失敗が少ない選択です。一度その履き心地と、磨き上げた時の圧倒的な輝きを知ってしまうと、もう他の靴には戻れないという愛好家が多いのも頷けます。
20万円を超える投資は決して安くはありませんが、適切な手入れをすれば一生使い続けることができます。長い目で見れば、数年で履き潰してしまう安価な靴を買い換えるよりも、よほど賢く、そして心を満たしてくれる選択になるはずです。
あなたも、ジョンロブという至高の日常を足元から始めてみませんか。最初の一足を選び抜いたその瞬間から、あなたの歩む景色が少しだけ違って見えるかもしれません。


