ビジネスマンにとって、足元は意外と見られているポイントですよね。「おしゃれは足元から」という言葉がある通り、磨き上げられた革靴は信頼の証です。
しかし、せっかく素敵な靴を履いていても、靴紐がだらしなく緩んでいたり、歩くたびにほどけて何度も結び直したりしていませんか?実は、革靴の紐には「基本の通し方」と「ほどけない結び方」の明確なルールがあるんです。
この記事では、初心者の方でも今日から実践できる、スマートで美しい革靴の結び方を詳しく解説します。
革靴の結び方で印象が180度変わる理由
革靴における紐の役割は、単に足を固定するだけではありません。通し方ひとつで、その靴が「フォーマル」に見えるか「カジュアル」に見えるかが決まります。
例えば、冠婚葬祭などの厳格な場では、紐が横に真っ直ぐ並ぶ美しい通し方が求められます。逆に、週末のジャケパンスタイルなら、少しリラックスした表情の通し方が似合います。
また、紐が頻繁にほどけるのは、結び方の手順が間違っている「縦結び」の状態になっていることがほとんどです。正しい技術を身につけることで、見た目の清潔感だけでなく、歩行の快適さも劇的に向上します。
まずは基本!見た目が美しい「シングル」の通し方
最も基本的で、かつ最もフォーマルとされるのが「シングル」という通し方です。ビジネススーツや礼服に合わせるなら、まずこの方法をマスターしましょう。
シングルの特徴
- 表面に紐が重ならず、平行に並んで見えるため非常にスマート。
- 構造がシンプルで、見た目のスッキリ感はナンバーワン。
- 内羽根式(靴紐を通す部分が甲と一体化しているタイプ)のドレスシューズに最適。
シングルの手順
- 一番つま先側の左右の穴に、紐を上から下に通します。このとき、片方の紐(A)をもう片方(B)より長く取っておくのがコツです。
- 短い方の紐(B)は、そのまま裏側を通って、一番上の反対側の穴まで一気に持っていき、下から上へ通します。
- 長い方の紐(A)を、一つ上の段の反対側の穴へ裏から通し、そのまま隣の穴へ表から通して横に渡します。
- これを繰り返して、ジグザグに上まで進んでいきます。
最後には左右の紐が一番上の穴から出てくる形になります。左右の長さを合わせるのが少し難しいですが、慣れるとこれ以上に美しい通し方はありません。
実用性重視!歩きやすさを支える「パラレル」の通し方
「シングルは見た目はいいけど、締まり具合が調整しにくい」と感じる方におすすめなのが「パラレル」です。
パラレルの特徴
- シングルと同様に表面の紐が平行に並ぶため、見た目が美しい。
- シングルよりも伸縮性があり、足の動きに合わせて紐が適度にしなる。
- 長時間歩くビジネスマンや、外回りが多い方にぴったりの通し方。
パラレルの手順
- 一番つま先側の穴に、紐を上から下に通します。左右の紐の長さは同じにしておきます。
- 右側の紐を、一段飛ばした二つ上の穴に裏から通し、反対側の穴へ表から通して横に渡します。
- 左側の紐も同様に、一段飛ばして空いている穴へ裏から通し、横へ渡します。
- これを交互に繰り返して上まで進みます。
パラレルは圧力が分散されやすいため、甲が高い方でも痛みを感じにくいというメリットがあります。毎日履く仕事靴には、このパラレルが最もバランスの良い選択と言えるでしょう。
絶対にほどけない!「ベルルッティ結び」の魔法
「しっかり結んだはずなのに、気づくと紐がぶらぶらしている」
そんな悩みを一発で解決するのが、高級紳士靴ブランドが提唱する「ベルルッティ結び」です。
なぜ普通の蝶結びはほどけるのか
多くの人が行っている蝶結びは、歩行時の振動や、紐同士の摩擦不足によって少しずつ緩んでしまいます。特に靴紐 蝋引きのような、パラフィン加工された滑りやすい紐を使っている場合は顕著です。
ベルルッティ結びの手順
- まずは普通にひと結びします。ここでさらにもう一周、紐をくぐらせて「二重のひと結び」にするのが最初のポイントです。
- 次に、普通の蝶結びと同じように輪っかを作ります。
- 輪っかを交差させて通す際、ここでもさらにもう一周、輪っかをくぐらせます。
- 左右の輪をグッと引き締めれば完成です。
見た目は少しボリュームのある豪華な結び目になりますが、これが驚くほどほどけません。一度マスターすれば、雨の日や大切な商談中に紐を気にする必要がなくなります。
快適さを左右する靴紐メンテナンスのコツ
結び方と同じくらい大切なのが、紐そのもののコンディションです。
紐の寿命を見極める
靴紐は消耗品です。表面が毛羽立ってきたり、芯が細くなってきたりしたら交換のサインです。劣化した紐は摩擦が弱くなるため、どんなに上手に結んでもほどけやすくなってしまいます。
紐の種類を使い分ける
- 丸紐:ドレッシーな印象が強くなりますが、比較的ほどけやすい傾向があります。
- 平紐:カジュアルな印象になりますが、面で接するため摩擦が強く、ほどけにくいのが特徴です。
最近ではシューホーンを使って靴を履くのがマナーですが、その際に紐を解かずに無理やり足を入れるのは厳禁です。靴の踵(かかと)を傷めるだけでなく、紐の繊維を無理に引き伸ばして寿命を縮めてしまいます。
冠婚葬祭やビジネスで恥をかかないためのマナー
フォーマルなシーンでは、結び方以外にも気をつけるべきポイントがあります。
結び目の向き
結び終わった後のリボンが、靴に対して「横向き」になっていることを確認してください。これが「縦」になっていると、お葬式などの仏事で使われる結び方に似てしまうため、マナー違反とされることがあります。もし縦になってしまう場合は、最初のひと結びの上下を逆にするか、輪っかをくぐる方向を逆にしてみてください。
余った紐の長さ
紐が長すぎて地面につきそうな状態は、だらしなく見えるだけでなく転倒の危険もあります。適切な長さの紐を選び、リボンの大きさが左右均等になるように調整するのが紳士の嗜みです。
革靴の結び方完全ガイド!ほどけない・おしゃれな通し方の手順とマナーを徹底解説
ここまで、革靴の美しさと機能性を引き出すための様々なテクニックをご紹介してきました。
最後に内容をおさらいしましょう。
- フォーマル度を優先するなら「シングル」。
- 歩きやすさと見た目を両立させるなら「パラレル」。
- 絶対にほどきたくないなら「ベルルッティ結び」。
- マナーとして「縦結び」は避け、必ず横向きに仕上げる。
足元が整うと、自然と背筋が伸び、歩き方まで変わってきます。毎朝の数分間、丁寧に紐を結ぶ時間は、自分自身の気持ちをビジネスモードへ切り替える大切な儀式でもあります。
お気に入りの一足を、最高の状態で履きこなすために。明日からさっそく、新しい「革靴の結び方」を試してみてください。その小さな変化が、あなたの第一印象をより素晴らしいものへと変えてくれるはずです。
もし今の紐が古くなっているなら、高級 綿 靴紐を手に入れて、リフレッシュしてみるのも良いかもしれませんね。


