「朝、起きると足の裏が痛くて一歩目が出にくい」「お気に入りの靴が、関節の変形のせいで履けなくなってしまった」
リウマチとともに歩む日々の中で、こうした「足元の悩み」は本当に切実ですよね。歩くたびに走る痛みや、日によって変わる足の腫れ。外出したい気持ちはあるのに、靴を履くこと自体がストレスになっていませんか?
実は、リウマチの方にとって靴選びは単なるファッションではなく、大切な「治療の一部」と言っても過言ではありません。足に合った正しい靴を選ぶだけで、驚くほど痛みが和らぎ、歩くことが再び楽しくなるからです。
今回は、リウマチの方の足を優しく守り、歩行をサポートしてくれるスニーカーの選び方と、今選ぶべきおすすめのモデルを詳しくご紹介します。あなたの毎日の「歩く」を支える、最高のパートナーを一緒に見つけていきましょう。
なぜリウマチだと靴選びが難しくなるのか
リウマチを患うと、足の指の付け根や足首など、多くの関節に炎症が起こります。これが進行すると、外反母趾(がいはんぼし)や扁平足、あるいは指が重なってしまうような変形が生じやすくなります。
こうした状態の足で、一般的な市販の靴を履こうとすると、以下のような問題に直面します。
- 圧迫による激痛: 変形した関節が靴の硬い部分に当たり、少し歩くだけで赤く腫れてしまう。
- アーチの崩れ: 足を支える土踏まずが潰れてしまうため、地面からの衝撃を吸収できず、膝や腰まで痛む。
- 着脱の苦労: 手の指にも症状がある場合、細い靴紐を蝶々結びにする動作が大きな負担になる。
こうした悩みを解決するためには、これまでの「デザイン重視」や「ただ柔らかいだけ」の靴選びから卒業する必要があります。リウマチの足の特性を理解した、専用の視点で靴を見極めることが大切です。
リウマチの痛みを軽減するための靴選び「4つの鉄則」
痛みを我慢せずに歩くためには、靴の構造に注目しましょう。選ぶ際に必ずチェックしてほしいポイントは4つあります。
1. かかとが「カチッ」と硬いものを選ぶ
意外かもしれませんが、リウマチの方にとって最も重要なのは「かかと」の硬さです。かかと部分(カウンター)を指で押してみて、簡単に潰れないものを選んでください。
かかとがしっかり固定されると、足首のグラつきが抑えられます。リウマチで不安定になりがちな足を土台から支えてくれるため、歩行時の疲労感が劇的に変わります。
2. つま先が反り上がった「ローリング構造」
靴を横から見たときに、つま先が少し浮き上がっているデザインを探しましょう。これを「トウスプリング」と呼びます。
リウマチで足の指の付け根が痛むとき、指を曲げて地面を蹴る動作は苦痛を伴います。つま先が反り上がった靴なら、足指を曲げなくても「コロン」と転がるように前へ進めるため、関節への負担を最小限に抑えられます。
3. 甲をしっかり固定できる「調整機能」
スリッポンのような脱ぎ履きが楽な靴を選びたくなりますが、実は足を痛めやすい原因になります。中で足が動いてしまい、余計な摩擦や負担がかかるからです。
理想は、面ファスナー(マジックテープ)や紐で、その日の足の状態(むくみなど)に合わせて締め具合を細かく調整できるタイプです。甲をしっかり止めることで、靴の中で足が前滑りするのを防げます。
4. ソールは適度な厚みと硬さを
クッション性が高ければ良いと思われがちですが、柔らかすぎるフカフカの靴底は、かえって足を疲れさせます。
砂の上を歩くよりも、整備された道を歩く方が楽なように、適度な跳ね返りがある硬めのソールが理想です。地面からの衝撃を跳ね返しつつ、足をしっかり守ってくれる厚みのあるものを選びましょう。
痛みをケアして歩きを支える!おすすめのスニーカー
ここからは、リウマチの方から支持が厚く、機能性に定評のある具体的なスニーカーをご紹介します。
日本人の足に寄り添うアシックス ゲルカヤノ
アシックスは、医療現場やスポーツ工学に基づいた靴作りで信頼されています。中でも「ゲルカヤノ」シリーズは、かかとの安定性が極めて高く、足の左右への倒れ込みを強力に防いでくれます。
特に「ワイド」や「エクストラワイド」といった幅広のサイズ展開が豊富なので、外反母趾や腫れがある方でも、圧迫感なく履ける一足が見つかりやすいのが特徴です。
転がるような感覚で歩けるホカ ボンダイ
「厚底スニーカー」のブームを作ったホカのシューズは、実はリウマチの方に非常に向いています。特有のゆりかご状のソール構造が、足指に力を入れなくても自然な足運びをサポートしてくれます。
見た目以上に軽量で、膝への衝撃も極めて少ないため、長時間の外出や旅行を諦めたくない方にぴったりの一足です。
矯正靴の技術が詰まったニューバランス 990
ニューバランスは、もともと偏平足を直すための矯正靴メーカーとして誕生しました。その歴史を継承する「990」や「880」といったモデルは、安定性とクッション性が絶妙なバランスで両立されています。
靴の横幅を選べる「ウイズサイジング」という仕組みがあるため、指先はゆったり、かかとはピッタリという理想のフィッティングを実現しやすいのが魅力です。
足裏のアーチを支えるバイオニック スニーカー
アメリカの足病医によってデザインされたこのブランドは、土踏まずのサポート力が非常に高いことで知られています。
リウマチで足のアーチが崩れてしまい、足裏にタコやウオノメができて痛む方にぜひ試してほしい一足です。内蔵されているインソールが足を正しい位置へと導いてくれます。
指が痛くても大丈夫!着脱を劇的に楽にする工夫
「紐靴が良いのはわかっているけれど、指の関節が痛くて結べない……」という悩み。これを解決してくれる便利なアイテムがあります。
- ゴム製の靴紐を活用するキャタピランなどの、結ぶ必要がないゴム製の靴紐に交換してみましょう。一度セットしてしまえば、スリッポンのように脱ぎ履きでき、それでいて紐靴のようなホールド感も維持できます。
- ファスナー付きモデルを選ぶ最近は、デザイン性を損なわないサイドファスナー付きのスニーカーも増えています。紐でフィット感を調整し、普段の脱ぎ履きはジッパーで済ませる。これだけで、毎朝のストレスがぐっと減ります。
- ロング靴べらを常備する玄関に立ったまま使える長い靴べらを用意しましょう。腰や膝を深く曲げる必要がなくなり、スムーズに足を靴に滑り込ませることができます。
靴選びの時に気をつけたい「試着」のタイミング
靴を買いに行く際、大切なのは「いつ」試着するかです。
リウマチの方は、時間帯によって足のむくみ方が大きく変わることがあります。一般的には、足が最も大きくなりやすい「午後から夕方」の時間帯に試着するのがおすすめです。
また、試着の際は、普段履いている靴下を持参しましょう。もし医療用のインソール(足底板)を作っている場合は、必ずそれを持ってお店へ行き、インソールを入れた状態でサイズを確認してください。
片足だけ履いてみるのではなく、必ず両足で履き、店内をゆっくり歩き回ることが失敗しないコツです。このとき、どこかに当たる感じがないか、かかとが浮かないか、指先に1cm程度の余裕(捨て寸)があるかを念入りにチェックしてください。
専門家への相談も選択肢に入れよう
もし、市販のスニーカーをいろいろ試しても痛みが引かない場合は、無理をせず「義肢装具士」のいる整形外科を受診することをおすすめします。
関節リウマチによる足の変形がある場合、健康保険を利用して、あなた専用の「治療用インソール」や「治療靴」を作ることができる場合があります。
自分の足の形にミリ単位で合わせた中敷きを、お気に入りのニューバランスなどのスニーカーに入れるだけで、驚くほど歩行がスムーズになることも珍しくありません。
「たかが靴」と思わず、医療の力を借りることは、あなたの歩行寿命を延ばすための賢い選択です。
まとめ:リウマチに優しい靴選びで痛みを軽減し、歩く喜びを
足元が変われば、心が変わります。痛みのせいで諦めていた散歩や買い物も、信頼できる一足があれば再び楽しめるようになります。
リウマチの方は、まず「かかとの安定性」と「転がるようなソール」を備えたスニーカーを選んでみてください。そして、アシックスやニューバランスといった、足の構造を深く研究しているメーカーのモデルをぜひ一度試着してみてください。
リウマチに優しい靴選び!痛みを軽減するおすすめスニーカーと正しい選び方を知ることは、あなたの大切な足を未来へつなぐ第一歩です。無理に自分を合わせるのではなく、今のあなたの足を優しく包み込んでくれる、最高のパートナーをぜひ見つけ出してくださいね。


