ニューバランスのバスケットボールシューズ「Two WXY」シリーズは、ポジションにとらわれない“オールラウンドプレイヤー向け”として人気を集めてきました。その最新モデルが「ニューバランスTwo WXY v5」。前作からどんな進化を遂げたのか、そして実際の履き心地やプレー感はどうなのか。今回はその魅力を徹底的に掘り下げていきます。
Two WXYシリーズとは?その位置づけと魅力
ニューバランスが展開するTwo WXYシリーズは、バスケットボールシューズの中でも珍しい「ポジションレス」設計が特徴です。ガードからセンターまで、どんなプレイヤーでも快適に履けるように作られており、特定の動きに特化するよりも“バランスの良さ”を追求したモデルといえます。
シリーズ名の「WXY」は座標軸を意味し、「あらゆる方向への動きに対応する」という開発コンセプトを象徴しています。v5はその思想をさらに進化させ、衝撃吸収と反発性、安定性のバランスを高次元で両立させた一足です。
クッション性の進化:FuelCell × Fresh Foam Xの融合
v5の最大の特徴は、ミッドソールに採用された二層構造のクッショニング。ニューバランス独自の「FuelCell」と「Fresh Foam X」を組み合わせています。
- FuelCell(前足部):高反発素材で、ジャンプやダッシュ時の推進力をサポート。弾むような感覚が得られます。
- Fresh Foam X(ヒール・前足部の一部):柔らかく、衝撃をしっかり吸収。着地時の安定感と安心感を生み出します。
この組み合わせにより、v5は「跳ねるような弾力」と「沈み込む柔らかさ」を両立。前作よりもクッションの層が厚く、より包み込まれるような履き心地が得られるようになりました。
一方で、ソールがやや厚めになったことで、地面を直接感じたいタイプのプレイヤーには少し“浮いた感覚”を覚えるかもしれません。とはいえ、多くのレビューでは「長時間のプレーでも疲れにくい」「衝撃を感じにくい」と高評価を得ています。
グリップ力と安定性:多方向トラクションパターンの効果
バスケットシューズにおいて、グリップ力はパフォーマンスを大きく左右する要素。ニューバランスTwo WXY v5は、ソール全面に施された多方向トラクションパターンによって、素早いストップやターンに強い安定感を発揮します。
屋内コートではもちろん、屋外コートでも高いグリップを維持できると評価されており、「滑らない」「止まりがよい」といった口コミが多く見られます。ラバーの硬度は中間程度で、耐久性も確保。荒れた路面では多少摩耗が早いものの、全体として非常にバランスの良いトラクション性能を実現しています。
安定性の面でも改良が進み、v5では外付けヒールカウンターとミッドフットプレートを搭載。カッティングやステップバック時の横ブレを防ぎ、プレー全体に安心感を与えてくれます。
アッパー素材とフィット感:軽さとホールド感の両立
ニューバランスTwo WXY v5のアッパーは、軽量エンジニアードメッシュと合成オーバーレイのハイブリッド構造。通気性を確保しながら、しっかりと足を包み込むホールド感を実現しています。
シュータン部分もメッシュと合成素材を組み合わせ、通気とフィットを両立。履き始めはやや硬めに感じることがありますが、数回の使用で足に馴染み、安定感のある履き心地へ変化します。
サイズ感は「普段通りのサイズ(True to Size)」で選ぶのが基本。日本人の足型にも合いやすい作りで、ワイド(2E)モデルも展開されています。幅広の足でも窮屈さを感じにくく、しっかりホールドしてくれるのが魅力です。
重量とクッションバランス:やや厚めでも疲れにくい設計
レビューによると、ニューバランスTwo WXY v5の重量はおおよそ398g前後(メンズUSサイズ)。数値だけ見れば少し重めに感じますが、履いてみると重さを意識しにくいのが特徴です。
その理由は、重心バランスの最適化とクッション層の配置にあります。ヒール側のFresh Foam Xが衝撃を吸収しつつ、前足部のFuelCellが反発を生み出すことで、自然な体重移動をサポート。実際のプレー中は「滑らかに加速できる」「着地から次の一歩がスムーズ」と感じるユーザーも多いようです。
また、スタックハイト(ソールの厚み)はヒール32mm前後、フォアフット23mm程度。しっかりと高さを感じつつも、横方向の安定性を損なわない設計になっています。
前モデルv4との違いと進化ポイント
ニューバランスTwo WXY v5は、v4から劇的に変化したわけではありません。しかし、細かな部分のチューニングによって「より完成度が高まった」と評されています。主な違いは以下の通りです。
- クッション構造の再設計:FuelCellとFresh Foam Xの配置を最適化し、より明確に役割を分担。
- トラクションパターンの改良:吸盤のようなパターンがより細かくなり、急停止・加速時の安定感が向上。
- アッパーのホールド性強化:外側パネルとヒールサポートを見直し、横方向の動きに強く。
つまり、v5は「大きな変化」よりも「完成度の向上」がテーマ。前作を履いていたユーザーにとっては“熟成型”と感じられるでしょうが、初めてTwo WXYシリーズを履く人にとっては、非常に完成度の高いバランスシューズです。
実際の履き心地:プレイヤーのリアルな声
実際にv5をプレーで使用したユーザーの声をまとめると、以下のような傾向があります。
- 「跳ね返りが心地よく、走っていて楽しい」
- 「衝撃をしっかり吸収してくれるので、長時間の練習でも足が痛くならない」
- 「アッパーのフィット感がよく、カッティング時の安定性が抜群」
特に好評なのは、クッションのバランスとグリップ力。FuelCell特有の“跳ねる感覚”に、Fresh Foam Xの安定感が加わることで、プレー全体が滑らかになります。
一方で、「コートとの一体感が少し薄い」「軽さを重視する選手にはやや重い」という声も。とはいえ、安定感を求めるプレイヤーにとってはむしろプラスに働く要素です。
どんなプレイヤーに向いているか?
ニューバランスTwo WXY v5は、万能型の設計が特徴。次のようなタイプにおすすめです。
- ポジションにとらわれず、攻守ともに動くオールラウンドプレイヤー
- クッション性と安定感のバランスを重視する人
- 屋内外どちらでもプレーしたい人
- 初めて本格的なバスケットシューズを購入する人
逆に、「超軽量で素足感覚に近いモデル」を求める場合は、他のシリーズの方が合うかもしれません。ニューバランスTwo WXY v5は“どんな動きにも対応する万能タイプ”として位置づけられる一足です。
デザインと普段使いのしやすさ
ニューバランスTwo WXY v5は、競技用ながら日常使いでも違和感のないデザインに仕上がっています。ニューバランスらしい洗練されたラインに、立体的なミッドソール構造が加わり、スポーティーでありながらファッション性も高め。
カラー展開も豊富で、ブラックやホワイトを中心に落ち着いたトーンから、ブルーやレッドなどアクセントのある配色まで揃っています。ストリートやジムで履いても自然に馴染むスタイルです。
総評:安定性・クッション・汎用性の三拍子がそろった一足
「ニューバランスTwo WXY v5」は、まさに“万能型バスケットシューズ”という言葉がふさわしいモデルです。FuelCell × Fresh Foam Xによる快適なクッション、屋内外で頼れるトラクション、そして足を包み込むフィット感。どれを取っても安定した性能を発揮します。
派手な進化ではなく、シリーズの完成度を高めた“熟成版”。しかしその完成度は非常に高く、「これ一足でどんな動きにも対応できる」という安心感があります。特に、安定性とクッション性を重視するプレイヤーには強くおすすめできるモデルです。
バスケットボールはもちろん、トレーニングやタウンユースにもマッチする万能シューズ。ニューバランスが培ってきた履き心地の良さと機能性が詰まった一足として、「Two WXY v5」はこれからも多くのプレイヤーに支持されることでしょう。
ニューバランスTwo WXY v5でプレーを進化させよう
最後にもう一度、このモデルの魅力をまとめると──
「ニューバランスTwo WXY v5」は、反発力・安定感・履き心地のバランスが抜群な、完成度の高いオールラウンドモデルです。前作よりも洗練されたクッション構造とトラクションが、プレーの安定感と快適さを両立。
バスケットを本気で楽しみたいなら、まず試してみる価値のある一足といえるでしょう。


