舗装路から林道や山道へと足を伸ばすトレイルランニング。そんな“街から自然へ”の流れを自然につなぐシューズとして注目されているのが、**ニューバランスNitrel**シリーズです。価格も手頃で、ランニング初心者からハイキング好きまで幅広い層に人気があります。ここでは最新モデルを中心に、その魅力や履き心地、用途別の選び方まで徹底的に紹介します。
ニューバランスNitrelとは?シリーズの立ち位置を解説
ニューバランスNitrelは、舗装路とトレイル(未舗装路)の両方で快適に走れるハイブリッドモデルとして開発されています。いわゆる「ドア・ツー・トレイル(Door to Trail)」をコンセプトにしており、自宅から山や公園まで一足で移動できる利便性が最大の特徴です。
他のトレイルモデルと比べると、クッション性やグリップ力は控えめですが、その分軽量で扱いやすく、日常使いにも向いています。トレイルランをこれから始めたい人や、軽いハイキングを楽しみたい人にぴったりな入門モデルです。
最新モデル「DynaSoft Nitrel v6」の特徴
現在の主力は「DynaSoft Nitrel v6」。その名の通り、ニューバランス独自の「DynaSoft」フォームを採用しています。これが程よい反発と安定感を生み、舗装路からダートへ切り替わる場面でも自然な走り心地をサポートしてくれます。
- ミッドソール: DynaSoftフォームを使用し、適度な弾力と安定性を両立
- ドロップ: 約2.5mm(かかととつま先の高低差)で、より自然な接地感
- 重量: 約290g(27cm換算)と軽量設計
- アッパー: 通気性の高いメッシュ素材+つま先保護の「Toe Protect」構造
- アウトソール: ラグ(突起)は浅めで、軽トレイルや林道に適したパターン
これらのバランスが、ロードシューズの軽快さとトレイルシューズの安心感を両立させています。実際に走ると、足裏から伝わる地面の感覚が心地よく、安定性も感じられます。
履き心地とフィット感
履いた瞬間に感じるのは、足を包み込むような安定感と軽さです。ミッドソールは柔らかすぎず、長時間走っても足が沈み込みすぎないため、安定した走りが可能です。軽量で屈曲性も高く、足の動きに自然に追従してくれます。
また、ニューバランスNitrelシリーズにはワイド(4E)展開もあるため、日本人に多い幅広の足にもフィットしやすいのがうれしいポイント。特にv6では、つま先部分に余裕を持たせた設計になっており、指先を自由に動かせる快適さがあります。
グリップ性能とトレイル適性
ニューバランスNitrelのアウトソールは、舗装路から未舗装路まで対応できるマルチテレーン仕様。ラグの深さは約2.5〜3mmと浅めで、舗装路でも引っかかりを感じずスムーズに走れます。乾いた林道や軽い砂利道ではしっかりグリップし、軽登山やハイキングにも十分対応します。
ただし、**ぬかるんだ泥道や岩場などのテクニカルトレイルでは限界があります。**ラグが浅いぶん、滑りやすい場所では注意が必要です。もし本格的な山岳トレイルを走る予定があるなら、ラグが深くプレート入りの上位モデル(例:Hierroシリーズなど)を検討すると良いでしょう。
クッション性と走行感のバランス
「DynaSoft」という名称から柔らかいクッションを想像する人も多いですが、ニューバランスNitrelのクッション性はやや硬めで反発寄り。この硬さが接地の安定感につながり、足がぐらつきにくい走行感を生み出しています。
実際のレビューでも、「柔らかすぎず安定している」「ロードとトレイルを行き来しても違和感がない」といった声が多く見られます。一方で、「ロングトレイルにはクッションが足りない」「ヒールストライク(かかと着地)の人にはやや硬く感じる」という意見もありました。
つまり、ニューバランスNitrelは短〜中距離のランニングや軽トレイルを想定した設計であり、ウルトラトレイルのような長時間走行にはやや不向きです。
アッパーの作りと耐久性
アッパー素材には通気性の高いメッシュを採用し、長時間のランニングでも蒸れにくい構造になっています。つま先には「Toe Protect」と呼ばれる補強が入り、石や木の根が多いトレイルでも安心です。
一方で、過去モデル(Nitrel v5など)では「アッパーの耐久性がやや低い」とのレビューも見られました。Nitrel v6では改良が進み、メッシュの密度が高まりつつ軽量さも維持されています。普段使いを含めた日常的な使用であれば、十分な耐久性を備えています。
実際の使用シーンとおすすめの使い方
ニューバランスNitrelシリーズの魅力は、その汎用性の高さにあります。舗装路も山道も、1足でこなせるのが最大の強みです。
- 平日:通勤ランやジムでのトレーニングに使用
- 週末:軽トレイルやハイキング、キャンプ場でのランニングに活用
- 普段履き:街中でも違和感のないデザインでカジュアルに履ける
「ロードで使えるトレイルシューズ」を探している人には、まさに理想的な一足といえます。特に、これからトレイルを始めたいランナーには、価格と性能のバランスが非常に魅力的です。
過去モデルとの違い:v4・v5からの進化
ニューバランスNitrelはシリーズごとに少しずつ進化しており、以下のような違いがあります。
特にv6ではドロップが2.5mmと低く、ナチュラルな走法(フォアフットやミッドフット)を意識した作りになっています。これにより、地面を感じながらリズムよく走れる感覚が得られるようになりました。
ニューバランスNitrelが向いている人・向いていない人
向いている人
- 舗装路とトレイルを両方走りたい人
- トレイルランをこれから始めたい初心者
- 軽い山歩きやキャンプなど、アウトドア全般で使いたい人
- 幅広の足型で、ワイドモデルを探している人
- コストパフォーマンスを重視する人
向いていない人
- 泥道や岩場などの本格的トレイルを頻繁に走る人
- 厚底や柔らかいクッションを好む人
- ウルトラマラソンや長距離ランに使用したい人
用途を誤らなければ、ニューバランスNitrelは非常に満足度の高いシューズです。
価格とコストパフォーマンス
Nitrel v6の価格帯は1万円前後(定価9,790円前後)と、ニューバランスの中でも手の届きやすい設定です。セール時期にはさらに安く購入できることも多く、トレイルシューズの中では圧倒的なコスパを誇ります。
他ブランドのトレイルモデルが2万円を超えることを考えると、ニューバランスNitrelは「初めてのトレイルシューズ」として理想的です。実用性と価格のバランスを重視する人には非常におすすめできます。
デザインと普段使いのしやすさ
ニューバランスらしいシンプルで洗練されたデザインも魅力の一つです。派手すぎず、街中でも浮かない見た目は、普段着やアウトドアウェアとも相性抜群。カラー展開も豊富で、男女問わず選びやすいラインナップになっています。
「トレイル専用にするのはもったいない」と感じるほど、日常使いでも快適。通勤ランから週末の山歩きまで、一足で完結する利便性があります。
ニューバランスNitrelの総評
ニューバランスNitrelは、「街と自然をつなぐ」シューズとして極めて完成度の高いモデルです。軽量で安定性があり、初心者でも扱いやすい設計。価格も手頃で、トレイルランニングの世界に気軽に踏み出せます。
一方で、泥や岩が多い過酷なトレイルではグリップ力が不足するため、使用する環境を見極めることが大切です。ロード寄りのトレイルやハイキング中心なら、ニューバランスNitrelで十分に満足できるでしょう。
ニューバランスNitrelの魅力を改めてまとめる
- ロードとトレイルを1足でこなせるハイブリッド性能
- DynaSoftフォームによる安定感と反発力
- 軽量で通気性が高く、快適な履き心地
- 幅広サイズ展開でフィット感抜群
- 価格が手頃でコストパフォーマンスが高い
日常のジョグから週末のアウトドアまで、幅広く活躍する万能モデル。それがニューバランスNitrelです。これからトレイルランを始めたい人、ロード以外の道を走ってみたい人は、まずこの一足から試してみると良いでしょう。
ニューバランスNitrelの特徴と実力を徹底レビュー!トレイルラン対応モデルの魅力とは(まとめ)
舗装路もトレイルも自在に走れるニューバランスNitrelは、**「日常と自然をつなぐシューズ」**として多くのランナーに愛されています。軽さ、安定感、履きやすさ、そして価格のバランスが非常に優秀で、トレイル入門者に最適な一足です。
これからトレイルランを始めたい人は、まずニューバランスNitrelでその第一歩を踏み出してみてください。舗装路を抜けた先に、新しいランニングの楽しみが待っています。


