スニーカーを履くとき、何気なく通している靴紐。実はその「通し方」ひとつで、見た目の印象も履き心地もガラッと変わるんです。普段あまり意識していない人も多いかもしれませんが、通し方の種類やコツを知っておくだけで、スニーカーがもっと快適に、そしておしゃれに見えるようになります。今回は、定番の通し方から個性派のアレンジまで、スニーカーの紐の通し方をわかりやすく紹介していきます。
スニーカーの紐の通し方を変えるだけで何が変わる？
靴紐は単なる“締めるための紐”ではありません。足のフィット感を調整したり、見た目を整えたりする重要なパーツです。特にスニーカーの場合、アッパー（甲の部分）の形や用途によって最適な通し方が変わります。
たとえば、運動用のスニーカーならしっかりと固定する「オーバーラップ」や「ヒールロック」が向いています。一方で、街履きのファッションスニーカーなら「パラレル」や「ノコギリ結び」など、デザイン重視の通し方もおすすめ。自分の目的に合った通し方を選ぶことで、見た目も履き心地もレベルアップできます。
基本の通し方：オーバーラップ（クロス）で間違いなし
最もポピュラーな通し方が「オーバーラップ（クロス）」です。左右の紐を交差させながら上に通していく、いわゆる“スニーカー結び”の定番スタイル。スポーツからカジュアルまで、どんな靴にも合う万能な方法です。
手順は簡単です。
- つま先側の穴に上から紐を通し、左右の長さをそろえる。
- 右の紐を左側の穴に、左の紐を右側の穴に、交差させながら下から上へ通す。
- この動きを繰り返しながら最上部まで通す。
この通し方は、フィット感が高くて緩みにくいのが特徴。特にランニングシューズや日常使いのスニーカーには最適です。迷ったらまずはこの方法から始めましょう。
きれいめに見せたいなら「パラレル（ストレート）」が正解
次に紹介するのは、見た目がすっきり整う「パラレル（ストレート）」通し。靴紐が甲の部分で水平に並ぶように通すため、フォーマル感や上品さを出したいときにぴったりです。白スニーカーやシンプルなレザースニーカーにもよく合います。
通し方のポイントは「縦ではなく横のラインを意識する」こと。少し手間はかかりますが、完成すると美しい仕上がりになります。
- つま先側の穴に紐を上から通し、両端を均等に。
- 片方の紐を一段上の反対側へ、もう片方を二段上へ通していく。
- 水平ラインを崩さないよう、紐のねじれに注意しながら進める。
見た目の印象がぐっと洗練されるため、「きれいめコーデにスニーカーを合わせたい」人にはとてもおすすめです。
個性派さんに人気のアレンジ：ノコギリ結びとサイド通し
スニーカーを“人と違う雰囲気”にしたいなら、アレンジ系の通し方を試してみましょう。
ノコギリ結び（Sawtooth Lacing）
紐を斜めに交差させることで、ノコギリの歯のようなラインができるスタイル。デザイン性が高く、ファッションスニーカーやストリート系コーデとの相性が抜群です。モノトーンスニーカーにカラフルな紐を合わせるだけで、簡単に印象を変えられます。
サイド通し（Bushwalk Lacing）
名前の通り、紐がサイドに寄るように通す方法。ベロ（タン）部分がスッキリして見えるので、靴のシルエットを細く見せたいときにおすすめ。結び目を内側に隠すことで、よりスタイリッシュな印象に仕上がります。
これらの通し方は“機能性よりもデザイン重視”ですが、遊び心を取り入れたいときには最適。SNSでも映えるスニーカーに変わります。
機能性を高める通し方：足に合う調整術
スニーカーの悩みとしてよくあるのが、「かかとが浮く」「甲がきつい」「幅が狭い」といったフィット感の問題。実は、通し方を工夫するだけでこれらを軽減できます。
ヒールロック（Heel Lock）
かかとのズレを防ぐためのテクニック。上から二つ目の穴で輪を作り、反対側の紐をそのループに通してから結ぶことで、かかとがしっかり固定されます。ランニングや長時間歩くときに効果的です。
ワイドフット・ラッシング
足幅が広い人向けの方法で、下部のアイレットを1〜2段飛ばして通すことで、甲部分の圧迫を和らげます。これにより、締めつけ感を軽減しつつ快適に履けます。
ハイアーチ・ラッシング
甲が高い人は、中央部分を少し緩めにするのがポイント。真ん中の穴を飛ばして通すだけで、足の甲の圧迫を減らせます。ちょっとした工夫で履き心地が格段にアップします。
紐の結び方も大事！ほどけにくくおしゃれに仕上げる
通し方が整っても、結び方が雑だと台無し。ほどけやすい結び方をしている人は意外と多いですが、少し工夫するだけで改善できます。
基本の蝶結び（シューレースノット）
最も一般的な結び方です。しっかりと引き締めてから輪を作り、交差させてもう一方を通します。ポイントは、最後に軽く“ギュッ”と締めておくこと。緩み防止になります。
イアン・ノット（Ian Knot）
世界一早く、ほどけにくい結び方として有名。左右の輪を作って交差させ、一瞬で結べるスマートな方法です。スポーツ選手やランナーも愛用しており、見た目も美しいのが特徴。
イアン・セキュア・ノット
イアン・ノットをさらに強化した結び方。輪を一度重ねてから反対方向に通すことで、結び目がほどけにくくなります。歩行中のストレスを減らしたい人に最適です。
スニーカーをもっと楽しむための紐アレンジアイデア
最近は「結ばない靴紐」や「伸縮素材のシューレース」など、新しいタイプの紐も登場しています。コブ付きでほどけないタイプや、ゴム製で足にフィットするタイプなど、選択肢がどんどん広がっています。
特におすすめなのは、以下のようなシーン別アレンジ。
- 通勤・通学：ストレート通し＋結ばない紐で脱ぎ履きを楽に
- スポーツ：ヒールロックで安定感を重視
- カジュアル：カラフルな紐でアクセントを追加
自分のライフスタイルに合った通し方や紐を選ぶことで、スニーカーはもっと快適で、自分らしい一足に変わります。
スニーカーの紐の通し方を知ることは“自分の足を知る”こと
スニーカーの紐の通し方は、単なる見た目の問題ではありません。足の形や用途に合わせて通し方を変えることで、靴擦れや疲れを防ぐことができます。そして、ほんの少しのアレンジでスニーカーが見違えるほどおしゃれになるのも魅力です。
お気に入りのスニーカーをより長く、より快適に履くために——今日からぜひ、自分に合った「スニーカーの紐の通し方」を試してみてください。
