スニーカー選びで「サイズは合っているのに、なんだか履き心地が悪い」と感じたことはありませんか?
その原因、実は“足の長さ”ではなく“足幅”にあるかもしれません。ニューバランスではこの足幅を「ワイズ(ウィズ)」と呼び、サイズと同じくらい大切な要素として扱っています。この記事では、なかでも多くのモデルで採用されている「Dワイズ」に注目し、その特徴や選び方、モデルごとの違いまで詳しく解説します。
そもそも「ワイズ(ウィズ)」とは?
「ワイズ」とは、足の横幅=足囲を示すサイズ指標のことです。
一般的に靴は「足の長さ(cm)」だけで選ぶことが多いですが、実際には「足の長さ」と「足幅」の両方がフィット感を左右します。ニューバランスはこの足幅の違いに対応するために、「ウィズサイジング・システム」という独自の仕組みを導入しています。
足の幅や甲の高さは人によって大きく異なります。長さだけで選ぶと、幅が狭くて痛かったり、広すぎて足が中で動いたりする原因になります。ワイズを知ることで、自分に合った“本当に履きやすい一足”を見つけやすくなるのです。
「Dワイズ」とは?ニューバランスにおける位置づけ
ニューバランスでは、アルファベットでワイズを表しています。代表的なものを挙げると以下の通りです。
- B:細め(主に女性向け)
- D:やや細め(男性の標準幅、女性の標準幅)
- 2E:やや広め(男性の標準幅)
- 4E:幅広タイプ
つまり「Dワイズ」は、男性では“やや細め”、女性では“標準幅”を意味します。日本で販売されている多くのニューバランススニーカーはこのDワイズ仕様が基本です。標準的な足幅に合わせた設計なので、多くの人にフィットしやすい一方、幅広の足には少し窮屈に感じる場合もあります。
Dワイズが採用されている主なモデル
ニューバランスの人気シリーズには、Dワイズが標準展開となっているモデルが多く存在します。代表的な例を挙げましょう。
- 996シリーズ:定番中の定番。細めの木型でスマートな印象。
- 574シリーズ:ややゆとりがあり、カジュアル向け。
- 880シリーズ:クッション性が高く、日常使いからジョギングまで対応。
- 990シリーズ(v6など):アメリカ製の上位モデル。Dワイズが基本だが、2Eや4E展開もあり。
同じDワイズでも、モデルによって木型(ラスト)の形やアッパー素材の伸び方が違うため、履き心地には差があります。996は細身、574は少し広め、といった具合にモデル特性を理解して選ぶと失敗が減ります。
Dワイズを選ぶメリット
- 見た目がスマートに仕上がる
細めのシルエットなので、足元がすっきり見えます。特にスラックスや細身のデニムと相性が良く、スタイリングが引き締まります。 - 足のホールド感が高い
幅にゆとりが少ないぶん、足が中で動きにくく、安定感のある履き心地を得られます。ウォーキングや通勤などでも疲れにくいのが特徴です。 - 標準的な足型に合いやすい
日本人男性の平均足幅よりやや細めの設計ですが、「広すぎず、狭すぎない」バランスの良さがあり、多くの人に快適です。
Dワイズの注意点と合わない場合の対処法
一方で、Dワイズがすべての人に合うとは限りません。
次のような特徴がある人は、ワイズを広げて検討するのがおすすめです。
- 足幅が広い、または甲が高い
- 履くとサイドが強く当たる、足の小指が痛くなる
- 長時間履くと窮屈で疲れる
こうした場合は「2E」や「4E」展開のあるモデルを選ぶと、圧迫感が軽減します。
どうしてもDワイズしか展開のないモデルを選びたい場合は、サイズを0.5cm上げて余裕を持たせる方法も有効です。ただし、足が靴の中で動きすぎないよう、かかと部分のフィット感をしっかり確認しましょう。
試着時にチェックしたいポイント
Dワイズを選ぶ際は、サイズ表記だけでなく、実際の履き心地を確認することが何より大切です。試着時には次の点を意識してみてください。
- つま先に5〜10mmほどの余裕があるか
- サイドが圧迫されていないか
- かかとが浮かず、足が靴の中で動かないか
- 歩いたときに痛みや違和感がないか
特に夕方は足が少しむくむ時間帯なので、このタイミングで試着すると、より実際の着用感に近い判断ができます。ニューバランス公式ストアでは無料の足型測定サービスを行っている店舗もあるため、活用するのがおすすめです。
メンズ・レディースで異なる「Dワイズ」の意味
先述の通り、Dワイズは男女で意味合いが異なります。
- メンズのDワイズ:やや細め
- レディースのDワイズ:標準幅
同じ「Dワイズ」でも基準が違うため、男女で同じサイズ表記でも履き心地が変わります。女性で「足幅が狭い」と感じる人は「Bワイズ」、男性で「少しきつい」と感じる人は「2Eワイズ」に切り替えるとフィットしやすくなります。
日本人にとってのDワイズ事情
日本人は欧米人に比べて「足幅が広く甲が高い」傾向があるといわれています。そのため、Dワイズでは窮屈に感じる人も少なくありません。
特にランニングモデルやスポーツタイプでは、足の動きを妨げないために少し余裕のあるワイズを選ぶ方が快適です。逆に、細身のパンツやフォーマル寄りのコーディネートでは、Dワイズのスリムな形が美しく映えます。
つまり、どちらが“良い・悪い”ではなく、用途と足型の相性で選ぶのがポイントです。
代表的なDワイズモデルの履き心地レビューまとめ
996シリーズ
細身のラストを採用しており、ややタイトな履き心地。スタイリッシュで街履きに最適。幅が狭めの人におすすめ。
574シリーズ
Dワイズでもゆとりがある設計。丸みのあるフォルムで、カジュアルスタイルにぴったり。長時間歩いても疲れにくいと評判。
880シリーズ
クッション性が高く、ウォーキングや通勤にも人気。Dワイズでも柔らかいアッパー素材のおかげで窮屈さを感じにくい。
990v6シリーズ
上位モデルらしい安定感とフィット感。Dワイズの締まり具合が絶妙で、足に吸い付くような履き心地が特徴。ワイズ展開が豊富なので比較しやすい。
Dワイズと他ワイズの違いを体感で理解する
実際にD・2E・4Eなど複数ワイズを履き比べると、フィット感の差がはっきりわかります。
Dワイズは横方向のホールド感が強く、足と一体化するような安定感があります。2Eや4Eになると、横にゆとりが生まれ、足指を動かしやすくなります。特に長時間の歩行やランニングでは、この“横の余裕”が疲れにくさに直結します。
もし店舗で複数ワイズを試せるなら、必ず履き比べて違いを確認してみましょう。ネット購入前にサイズ感を把握しておくと、失敗が減ります。
自分の足に合う「Dワイズ」かを見極めるコツ
- 足幅が平均〜やや細め:Dワイズが最適
- 足幅がやや広い:2Eワイズを検討
- 足幅がかなり広い:4Eワイズが快適
- 甲が高い:ハーフサイズアップや広めワイズが無難
- 細めの見た目を重視:Dワイズを優先
このように、自分の足型を理解し、目的に合わせてワイズを使い分けることが、理想の履き心地を手に入れるコツです。
ニューバランスDワイズのまとめ
「Dワイズ」は、ニューバランスの中で最もベーシックかつ多くのモデルで採用されているワイズです。男性にとってはやや細め、女性にとっては標準幅というポジションで、多くの人にフィットする万能タイプ。
ただし、足幅や甲の高さ、モデルごとの木型の違いによってフィット感は変わります。もし履いてみて窮屈に感じたら、ワイズを広げたりサイズを上げたりして調整してみてください。
自分の足にぴったり合うDワイズを選べば、ニューバランスの本来の履き心地——柔らかく包み込むようなフィット感——を最大限に味わうことができます。
スニーカー選びは「サイズ」だけでなく「ワイズ」も意識する時代。次にニューバランスを選ぶときは、ぜひ“Dワイズ”を意識して、あなたの足に最適な一足を見つけてください。


