スケートボードが好きな人なら、一度は耳にしたことがあるブランド「éS（エス）」。90年代から続く老舗スケートシューズブランドでありながら、今でも現役のスケーターたちに愛され続けています。なぜ、これほどまでに長く支持されているのか？今回は、そんなesスニーカーの魅力と人気モデルを徹底的に掘り下げていきます。
éS（エス）とは？スケートカルチャーを支える老舗ブランド
éSは1995年にアメリカで誕生したスケートシューズブランドです。etniesやEmericaと同じく、スケート業界で知られる「Sole Technology」という企業が運営しており、スケーター自身の視点から靴づくりを行う「Skater Owned & Operated（スケーターが作るスケートブランド）」として世界中にファンを持ちます。
誕生当初から「プロスケーターのパフォーマンスを最大限に引き出す靴」を目指して設計されており、その結果、耐久性・グリップ力・履き心地の三拍子が揃ったシューズを次々とリリースしてきました。
90年代後半から2000年代初頭にかけては、スケートボードブームと共に一気に知名度を広げ、スケートショップの定番ブランドとして確固たる地位を築いています。
スケーターに選ばれる理由①：耐久性とグリップ力の高さ
スケートシューズにとって最も重要なのは、何度もデッキを蹴り上げる動作に耐えられる強さ。éSのスニーカーは、この「耐久性」に特にこだわっています。
アッパー部分には摩耗に強いスエード素材を採用し、つま先やサイドには補強材を入れることで、オーリーなどのトリックで起こる擦れにも強くなっています。ソールは厚みと柔軟性のバランスが良く、ボードとの一体感を損なわないのが特徴です。
また、éS独自の「カップソール構造」によって、衝撃吸収性も高く、足への負担を軽減。長時間滑っても疲れにくく、グリップ力のあるアウトソールがデッキ上で安定した動きをサポートします。
スケーターに選ばれる理由②：ボードフィールの良さと履き心地
スケートボードは“足で操るスポーツ”です。そのため、靴の感触がデッキにどう伝わるかがとても大切。éSのスニーカーは、トリック時の細かい感覚をしっかり足裏に伝える「ボードフィール」に定評があります。
特にACCELシリーズは、足裏のクッション性を保ちながらも厚すぎない設計で、ボードとの距離感が近いのが魅力。初心者から上級者まで「履いた瞬間にわかる安定感」があると評価されています。
また、シュータンやインソールには柔らかいパッドが入っており、履き心地はふかふか。フィット感を重視するスケーターにとって、まさに理想的なバランスの取れた一足です。
定番モデル①：ACCEL OG ― 伝説のクラシックモデル
éSの代名詞ともいえるのが「ACCEL」です。1995年のブランド創設時に登場して以来、スケートシューズ史に残る名作として知られています。クラシックな見た目ながら、内部構造は非常に機能的。厚めのタンとアンクルサポートが足首をしっかりホールドし、安定したボードコントロールを実現します。
スエード素材のアッパーは滑らかで、デザイン的にも普段履きにマッチ。ストリートファッションに取り入れる人も多く、スケーター以外からの支持も厚い定番モデルです。
定番モデル②：ACCEL SLIM ― 現代スケーター向けの軽量版
ACCEL OGをベースに、よりスリムで軽量化したのが「ACCEL SLIM」です。現代のスケートスタイルに合わせて設計されており、スリムなシルエットと軽やかな履き心地が特徴です。
従来のACCELよりも通気性が良く、足にしっかりフィット。フリップトリックのような繊細な動きを得意とするスケーターに特に人気があります。
クッション性も十分で、衝撃を吸収しつつも“足で感じる感覚”を失わない絶妙なバランスが魅力です。
定番モデル③：MUSKA ― ストリートカルチャーを象徴する一足
90年代を代表するスケーター、チャド・ムスカのシグネチャーモデル「MUSKA」も外せません。ボリュームのあるデザインが特徴で、当時のストリートスタイルを象徴する存在でした。
アッパーには耐久性の高い素材を採用し、EVAフットベッドやPUケージなど、テクニカルな構造が詰め込まれています。見た目のインパクトだけでなく、実際のスケートでも高いパフォーマンスを発揮する完成度の高いモデルです。
ストリートファッションの再評価とともに、現在では復刻モデルとして再び注目を集めています。
新世代モデル：TJ Rogers モデルに見る進化
éSはクラシックなデザインを守りながらも、常に進化を続けています。その代表が、プロスケーター「TJ Rogers」のシグネチャーモデル。過去の名作からインスピレーションを受けつつ、新素材「E-BOUNDフォーム」を採用することで、より軽く、より反発力のある履き心地を実現しています。
ストリートからパークまで対応する設計で、安定性と柔軟性を両立。近年のスケートシーンで高く評価されている一足です。
昔からのファンも、新しいスケーターも納得の仕上がりといえるでしょう。
ファッションアイテムとしての魅力
éSのスニーカーは、スケート用としての性能はもちろん、ファッションとしての完成度も非常に高いです。特にACCELシリーズのクラシックなフォルムは、ワイドパンツやデニム、スウェットなど、ストリートスタイルとの相性が抜群。
シンプルながら存在感のあるシルエットで、足元に“90年代の雰囲気”を加えることができます。
また、カラーバリエーションも豊富で、ベーシックなブラックやグレーに加え、限定カラーや復刻カラーも登場。ファッション性と機能性の両立が、éSが長年愛され続ける理由のひとつです。
esスニーカーの魅力を支える「文化と哲学」
éSのシューズは、単なるスニーカーではなく“スケートカルチャーの象徴”です。スケーター自身が開発に携わり、プロの意見を反映させているからこそ、履いたときのフィーリングが違います。
その精神は、ブランドのキャッチコピー「Skater Owned & Operated」にも表れています。
スケートシューズ市場は多くのブランドが競合していますが、éSは「機能」「デザイン」「文化性」の三つをバランス良く兼ね備えた稀有な存在。長年のファンはもちろん、これからスケートを始めたい人にもおすすめできるブランドです。
まとめ：esスニーカーが今も愛される理由
éS（エス）は、1995年の創業以来、スケートボードと共に歩んできたブランドです。
定番のACCEL OG、軽量なACCEL SLIM、伝説的なMUSKA、そして最新のTJ Rogersモデル。どのモデルにも共通するのは、「スケートを愛する人のために作られている」という信念です。
耐久性、ボードフィール、履き心地、そしてストリートスタイルとしてのデザイン性。そのすべてが詰まったesスニーカーは、これからもスケートボード愛好家に選ばれ続けるでしょう。
