アディダスといえば、世界中で愛されるスニーカーの王道ブランド。スタンスミス(Stan Smith)やスーパースター(Superstar)といった名作から、近年話題のウルトラブースト(UltraBoost)やイージー(Yeezy)まで、時代ごとに数々の傑作を生み出してきました。この記事では、そんなアディダススニーカーの歴代モデルを一気に振り返り、それぞれの魅力や背景をわかりやすく紹介していきます。
アディダスの始まりとスニーカー誕生の歴史
アディダスの歴史は、ドイツの小さな町・ヘルツォーゲンアウラハから始まりました。創業者アディ・ダスラーは「アスリートのために最高のシューズを作る」という信念を掲げ、1920年代に手作りのスポーツシューズ製作をスタート。その情熱が後に“adidas(アディダス)”というブランド名となり、1949年には正式に会社を設立しました。
最初に生まれた名作のひとつが、1949年に登場したサンバ(Samba)。氷の上でも滑らないよう設計されたサッカー用トレーニングシューズで、ガムソールと3本線のデザインが特徴です。このモデルこそ、アディダススニーカーの原点であり、現在に至るまで変わらず人気を保ち続けています。
世界中で愛される定番モデルたち
アディダスが世界的ブランドへと成長したのは、革新的なスニーカーの登場が大きなきっかけでした。中でもスタンスミス(Stan Smith)、スーパースター(Superstar)、ガゼル(Gazelle)は、歴代の名作として語り継がれる存在です。
スタンスミス(Stan Smith)は、もともとテニスシューズとして1960年代に誕生しました。名前の由来は、当時のテニスチャンピオンであるスタン・スミス選手。ホワイトレザーにグリーンのヒールタブというミニマルなデザインは、スポーツを超えてファッションアイコンへと昇華しました。現在では“世界で最も売れたスニーカー”としてギネス記録にも認定されています。
一方のスーパースター(Superstar)は、1969年にバスケットボール用として登場。ラバー製のつま先「シェルトゥ」が特徴で、当時NBA選手の多くが愛用していました。その後、ヒップホップグループ「Run-DMC」がステージでスーパースターを履いたことから、ストリートカルチャーの象徴に。ファッションと音楽、そしてスポーツをつなぐ存在として今なお支持されています。
ガゼル(Gazelle)は1960年代のトレーニングシューズをルーツに持ち、スエード素材とシャープなフォルムが特徴。80年代以降、ヨーロッパのカジュアルスタイルやブリティッシュ・ファッションとも結びつき、現代でも復刻モデルが多く展開されています。レトロな雰囲気と上品な素材感が融合した万能モデルです。
ランニングシーンを支えた名作モデル
1970年代以降、アディダスは陸上競技やマラソンなど、より機能的なスニーカー開発にも力を入れていきます。その代表格がSL 72。名前の通り“Super Light”の略で、軽量ナイロンとスエードを組み合わせたランニングシューズとして1972年に登場しました。履き心地の良さとカラーリングの豊富さから、当時のアスリートにも日常使いのユーザーにも愛されたモデルです。
さらに1980年代にはZX 500やZX 8000などのZXシリーズが誕生。ランナーのスタイルや用途に合わせた細やかな設計が特徴でした。現在ではオリジナルスラインで復刻され、ヴィンテージスタイルのスニーカーとして人気を集めています。
ストリートを席巻したキャンパスとフォーラム
1980〜90年代に入ると、アディダスは再びストリートカルチャーの中心に戻ってきます。特にキャンパス(Campus)とフォーラム(Forum)の2モデルは、音楽やファッションとの親和性の高さで注目されました。
キャンパス(Campus)はスエード素材の落ち着いたデザインで、もともとはバスケットボールシューズとして登場したもの。後にビースティ・ボーイズなどのミュージシャンが愛用し、スケートボードやヒップホップシーンでも定番化。クラシックながらもどんな服にも合わせやすい万能スニーカーとして今なお根強い人気を誇ります。
フォーラム(Forum)は1984年に登場したバスケットボールシューズで、アンクルストラップと厚みのあるソールが特徴。スポーツ性能の高さに加え、ストリートでも存在感を発揮しました。近年ではローカット版の「Forum Low」や、セレブやブランドとのコラボレーションモデルも多数登場し、現代的な再評価を受けています。
革新を象徴するウルトラブーストとYeezy
2010年代以降、アディダスは再び革新的な技術を取り入れた新時代のスニーカーを開発しました。その代表がウルトラブースト(UltraBoost)とイージー(Yeezy)です。
ウルトラブースト(UltraBoost)は2015年に発表されたランニングモデルで、アディダス独自のクッション素材「BOOSTフォーム」を全面に採用。抜群の反発力と柔らかさで、履いた瞬間にわかる快適さが話題になりました。ランニングだけでなく日常のファッションスニーカーとしても人気を集め、今では「履き心地革命」と称されるほどです。
イージー(Yeezy)は、カニエ・ウェスト(現イェ)とのパートナーシップから誕生したコレクション。初代Yeezy Boost 750から始まり、Yeezy Boost 350シリーズが世界的なブームを巻き起こしました。シンプルで近未来的なデザイン、限定リリースの希少性が相まって、スニーカーカルチャーを大きく動かしたモデルとして知られています。ファッションとテクノロジーの融合を体現した一足といえるでしょう。
アディダスオリジナルスが受け継ぐ伝統と革新
アディダスの魅力は、過去の名作をただ復刻するだけでなく、現代の感性で再構築している点にもあります。それを担うのが「アディダス オリジナルス(adidas Originals)」ラインです。
このラインでは、サンバ(Samba)・ガゼル(Gazelle)・キャンパス(Campus)・スーパースター(Superstar)といったクラシックモデルをベースに、カラーや素材を現代風にアレンジ。ストリートファッションやカジュアルスタイルに馴染む形で、若い世代にも支持を広げています。時代を超えて愛されるデザインと、環境配慮型素材への取り組みなど、サステナブルな姿勢も評価されています。
まとめ:アディダススニーカーの歴代モデルが語るもの
アディダススニーカーの歴代モデルを振り返ると、そこには常に「スポーツとカルチャーの融合」があります。サンバ(Samba)やスタンスミス(Stan Smith)といったクラシックモデルは、機能性を超えてファッションの一部に。スーパースター(Superstar)は音楽とストリートをつなぎ、ウルトラブースト(UltraBoost)やイージー(Yeezy)は未来の履き心地を切り開いた。
どのモデルも単なる靴ではなく、その時代の価値観を映し出す存在です。スポーツを原点に、文化へと進化し続けるアディダスのスニーカー。あなたの足元にも、きっとその歴史の一部が宿っているはずです。


