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アシックスの工場はどこにある?国内外の生産拠点と製造工程を紹介

アシックスといえば、ランニングシューズをはじめとする高品質なスポーツ用品で知られる日本の代表的ブランドです。その「品質」を支えているのが、国内外に広がる工場や製造ネットワーク。この記事では、アシックスの工場がどこにあるのか、どのような工程で靴が作られているのかをわかりやすく紹介していきます。


アシックスの生産体制とは?グローバルな製造ネットワークの全貌

アシックスの製品は、国内外のさまざまな拠点で作られています。大きく分けると、自社工場と委託生産工場の2種類があります。

国内では、自社工場が主に「高付加価値ライン」や「限定モデル」を担当。海外では、ベトナムやインドネシアなどの協力工場が量産モデルを担っています。こうした体制によって、品質とコストのバランスを保ちながら、世界中のランナーやアスリートに商品を届けているのです。

アシックスは近年、「どこで、誰が、どのように」自社製品を作っているかを明確にするため、取引先工場のリストを公式サイトで公開しています。20か国以上、150社を超えるパートナー工場が登録されており、サプライチェーンの透明性を高める努力を続けています。


日本国内の工場 ― 職人技が光る“ものづくり”の現場

アシックスの国内生産拠点として有名なのが、鳥取県にある旧・山陰アシックス工業です。ここでは、ASICS JAPAN COLLECTIONOnitsuka Tiger などの高級ラインを中心に製造が行われています。

この工場の特徴は、徹底した品質管理と手作業の多さ。素材の裁断から縫製、組み立て、仕上げに至るまでの工程には、熟練した職人の目と手が欠かせません。靴の部品は一足につき20以上にも及び、それぞれを抜き型で正確にカットしていきます。抜き型の種類は1,000を超え、モデルやサイズごとに微妙な違いがあるのだとか。

特に注目されるのは、サイドのアシックスストライプ。あの象徴的なデザインも、一本一本丁寧に抜き出され、手作業で組み上げられています。こうした細やかな製造工程が、「日本製アシックス」の精密さと美しさを生み出しているのです。


新たな挑戦 ― オニツカイノベーティブファクトリーの誕生

2025年7月、アシックスは山陰アシックス工業を改組し、新たに「オニツカイノベーティブファクトリー」を設立すると発表しました。この工場は単なる生産拠点ではなく、企画・開発・製造を一体化した“イノベーション拠点”として機能します。

ここでは、Onitsuka Tiger のデザイン開発や技術革新を進めるだけでなく、若手職人の育成や海外工場への技術支援など、ものづくり文化の継承も担う予定。国内製造の強みを世界に広げる、アシックスの新たな挑戦といえるでしょう。


海外工場の分布 ― ベトナム・インドネシア・カンボジアが中心

一方で、アシックスの靴の多くは海外で生産されています。特にベトナム、インドネシア、カンボジアの3か国は、アシックスにとって最重要拠点です。

かつてのデータによると、生産比率はベトナム約50%、インドネシア約25%、カンボジア約15%とされていました。これらの国々では、人件費や資材コストが比較的低く、熟練した労働力も豊富。世界中の需要に応えるためには、こうした国際的な生産体制が欠かせません。

また、アシックスは2025年にインドでの生産比率を40%にまで高める方針を発表しています。これは、現地市場の成長や輸入規制への対応を目的としたもので、サプライチェーンの多極化を進める動きの一環です。


製造工程の裏側 ― 一足の靴ができるまで

国内工場での製造プロセスをもう少し詳しく見てみましょう。一般的なアシックスシューズの製造は、以下の流れで進みます。

  1. 素材の選定と裁断
    革や合成繊維などの素材をチェックし、傷やムラを避けて裁断します。職人の目で確認しながら、一つひとつのパーツを正確に切り出します。
  2. アッパーの縫製・組み立て
    カットしたパーツを縫い合わせ、靴の上部部分「アッパー」を作ります。縫い目のズレや糸の張り具合など、細かい調整が品質を左右します。
  3. ソールとの結合
    アッパーとミッドソール、アウトソールを熱圧着や接着で組み合わせます。耐久性と柔軟性を両立させるため、素材の温度や圧力管理が重要です。
  4. 最終仕上げと検品
    完成したシューズは、一足ずつ人の手でチェックされます。糸のほつれ、接着ムラ、形の歪みなどがないかを確認。合格したものだけが出荷されます。

こうした丁寧な工程を経て、私たちの足元に届く一足が生まれます。特に日本国内の工場では、この最終検品に時間をかけ、アシックスの品質基準を守り抜いています。


サステナブルな生産への取り組み

アシックスは単に「作る」だけでなく、環境や社会にも配慮した生産を進めています。2017年からは、全世界の委託工場を公開し、労働環境や人権への取り組みを可視化。さらに、再生素材の使用や工場でのCO₂排出削減など、サステナビリティ目標を掲げています。

また、工場内で使用するエネルギーの一部を再生可能エネルギーに切り替えたり、廃材の再利用にも力を入れています。こうした努力は、アシックスが単なるスポーツブランドではなく、「地球とともに走る企業」であることを示しています。


国内生産の意味 ― “Made in Japan”の価値を世界へ

海外での大量生産が主流のなかで、アシックスが国内生産を続ける理由はどこにあるのでしょうか。それは「技術の継承」と「ブランドの信頼」を守るためです。

日本の職人による靴づくりは、単に製品を作るというより“工芸”に近い世界です。細かな縫い目、足型に合わせた微調整、素材の張り具合など、数字では測れない感覚が品質を決定します。こうした技術を次の世代に伝えることこそが、アシックスのものづくりの原点なのです。

さらに、国内での製造拠点があることで、新しい素材や構造の研究開発もスピーディーに行えます。特に近年は、AIや3Dプリント技術を取り入れた試作も進められており、イノベーションの舞台としても国内工場は重要な存在です。


グローバル生産のリスク分散と安定供給

現代のサプライチェーンでは、自然災害や貿易摩擦、感染症などによって製造が止まるリスクが常に存在します。アシックスが生産拠点を複数国に分散しているのは、そうしたリスクを最小限に抑えるためでもあります。

もし一国で生産が滞っても、他国の拠点で補うことができる。これにより、世界中のユーザーに安定して製品を届けられる体制を保っています。品質と供給の両立――これがアシックスの強みのひとつです。


まとめ ― アシックスの工場は世界と日本をつなぐ架け橋

アシックスの工場は、単なる「製造現場」ではありません。日本の伝統的な技術と、世界の最先端の生産体制が融合した舞台です。国内の工場では品質とクラフトマンシップを守り、海外の拠点では大量生産と供給の安定を担う。この両輪があってこそ、アシックスの靴は世界中のランナーの足元を支えているのです。

そして2025年、鳥取に誕生する「オニツカイノベーティブファクトリー」は、アシックスの“ものづくり”の新しい象徴になるでしょう。ここからまた、新しい技術とデザインが生まれ、世界へと羽ばたいていくはずです。

今後もアシックスの工場や生産の進化に注目していくことで、このブランドがどのように未来のスポーツ文化を築いていくのかが見えてくるでしょう。

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