アシックスの安全靴を愛用している方の中には、「BOA(ボア)フィットシステムのワイヤーが切れた」「ダイヤルが壊れて締め付けができなくなった」という経験をした人もいるのではないでしょうか。
実はこのワイヤー部分は、メーカー保証の対象であり、自分で取り寄せて交換することが可能です。この記事では、アシックス安全靴のワイヤーを取り寄せる方法と、純正パーツの購入手順を詳しく解説します。現場で毎日履いている方にとっては、知っておくと非常に便利な情報です。
BOAフィットシステムとは?アシックス安全靴に採用される理由
アシックスの人気安全靴シリーズ「ウィンジョブ CP304 BOA」などの一部モデルには、靴ひもの代わりにBOAフィットシステムが採用されています。
BOAシステムは、ダイヤルを回すことでワイヤーが均等に締まり、フィット感を瞬時に調整できる仕組みです。着脱が簡単で、現場作業の多い職種に特に重宝されています。
また、ワイヤーはステンレス素材でできており、耐久性や防塵性に優れています。しかし、どれだけ丈夫でも、日常的な摩耗や引っかかりなどによって断線することがあります。
そんなときのために、BOA社は「ライフタイム保証」というサポート制度を用意しています。
無償で修理パーツを取り寄せる方法 ― BOAライフタイム保証の活用
BOAフィットシステムを採用しているアシックスの安全靴は、BOA社による保証制度の対象になっています。
この保証を利用すれば、ダイヤルやワイヤーの破損時に「無償で交換用パーツ」を取り寄せることができます。
手順はとてもシンプルです。
- BOA公式サイトにアクセス(https://www.boafit.com/ja-jp/support)
- 「保証パーツの請求」ページを開く
- 使用している製品のブランド(ASICS)を選ぶ
- 型番や製品名を入力(例:ウィンジョブ CP304 BOAなど)
- 破損箇所の詳細を記入し、配送先住所を入力
- 申請を送信する
数日〜2週間ほどで、自宅に修理キットが届きます。送料も無料で、必要なパーツがすべてセットになっている点がありがたいところです。
修理キットの内容と交換に必要なもの
届いた修理キットには、次のような内容が含まれています。
- 交換用ワイヤー(左右分)
- 新しいダイヤル(左右分)
- 専用の交換工具
- 交換手順を説明した取扱説明書
自分で作業することが前提になっており、特別な資格や工具は必要ありません。付属の説明書に従って慎重に行えば、初心者でも10〜15分ほどで交換できます。
作業の流れは次のとおりです。
- ダイヤルを引き上げ、外側カバーを取り外す
- 古いワイヤーを抜き取る(断線している場合は破片に注意)
- 新しいワイヤーをガイドに沿って通す
- 適切な長さにカットし、ダイヤルに固定する
- 動作確認を行い、スムーズに回るかチェック
慣れていない場合は、YouTubeなどにある交換動画を参考にするのもおすすめです。作業自体はそれほど難しくなく、DIY感覚で取り組めます。
アシックス安全靴の対象モデル一覧と確認方法
BOAフィットシステムを搭載したアシックスの安全靴には、以下の代表的なモデルがあります。
これらのモデルは、ワイヤーの交換やBOA保証の対象となります。
型番は靴のベロ裏や箱のラベルに記載されているため、必ず正確に確認しましょう。
なお、BOA非搭載モデル(通常の靴ひもタイプ)では、交換パーツの取り扱いがありません。
交換時の注意点 ― カラー変更や保証範囲の理解
ワイヤーを交換する際には、いくつかの注意点があります。
- ワイヤーやダイヤルの色は選べない
保証で送られてくる交換パーツは「黒」が基本。もとの靴に白やシルバーのダイヤルが使われていた場合、見た目が少し変わることがあります。 - 交換対象はBOA部品のみ
靴本体(ソールやアッパー部分)の破損は保証の対象外です。ソール剥がれなどはメーカー修理も受け付けていません。 - 代替ワイヤーの流用は避ける
市販の金属ワイヤーや他社製BOA部品を使うと、フィット感や安全性に問題が出る場合があります。必ずBOA純正パーツを使用しましょう。 - ワイヤーを短く切りすぎない
カットする際は、実際に靴に通してフィット感を確認してから最終調整を行うと失敗が少なくなります。
これらの注意を守れば、交換後も新品同様のフィット感を取り戻せます。
ワイヤーを自分で交換するのが不安な場合
自分で交換するのが不安、または時間がない場合は、販売店や作業用品専門店に相談するのも一つの方法です。
アシックスの安全靴を取り扱っている店舗の中には、BOA修理を代行してくれるところもあります。店舗によっては工賃がかかるものの、確実で安心です。
また、作業現場で予備の安全靴が必要な場合は、同型モデルをもう一足用意しておくと安心です。ワイヤー交換キットの到着まで1〜2週間かかるため、その間の代替として役立ちます。
純正パーツを購入する場合の選択肢
BOA保証を利用すれば無償交換が可能ですが、あえて「有料で純正パーツを購入」したい場合もあります。
例えば、予備としてストックしておきたい、または保証申請の手続きが面倒という方もいるでしょう。
純正BOAパーツは、以下のような方法で入手できます。
- BOA公式サイトでの個別注文(保証外の場合)
- 作業用品店・ネットショップでのアシックス安全靴用ワイヤー購入
- 一部Amazonや楽天で取り扱いのある純正交換キット
ただし、出回っている並行輸入品や非純正品には注意が必要です。価格が安くても、互換性や耐久性に不安があるものもあります。純正を明記している販売元からの購入を心がけましょう。
長持ちさせるためのメンテナンスと予防策
ワイヤーを交換したら、今後同じトラブルを防ぐためのメンテナンスも大切です。
日々のちょっとしたケアで寿命が大きく変わります。
- 使用後はダイヤルを緩め、ワイヤーにテンションをかけたまま保管しない
- 泥やホコリが付着した場合は、柔らかいブラシや布で拭き取る
- 高温・直射日光下での長時間放置を避ける
- ワイヤー部分に潤滑スプレーなどを使わない(内部機構に悪影響を与える可能性あり)
これらを守るだけで、ワイヤーの摩耗や内部の劣化を防ぎ、より長く快適に使い続けられます。
アシックス安全靴のワイヤーを取り寄せる方法と純正パーツ購入ガイドを取り寄せて安心して使い続けよう
アシックスの安全靴は、快適さと耐久性を両立したワークシューズとして多くの現場で支持されています。
その性能を支えるBOAフィットシステムは、万一ワイヤーやダイヤルが壊れても、無償で修理キットを取り寄せて自分で交換できるという大きな強みがあります。
「壊れたから買い替えよう」と諦める前に、まずはBOA公式サイトで保証申請を試してみましょう。純正パーツで正しく修理すれば、また長く愛用することができます。
小さなトラブルをきっかけに、自分の安全靴の構造やメンテナンス方法を知ることは、結果的に安全性や作業効率の向上にもつながります。
ワイヤーを取り寄せて、あなたのアシックス安全靴をこれからも安心して使い続けていきましょう。


