アシックスが2025年に発表した新作ランニングシューズ「アシックス レイ(METASPEED RAY)」は、今までの厚底ランニングシューズの常識を覆すほどの軽さと反発性で注目を集めています。この記事では、その特徴や履き心地、どんなランナーに向いているのかを、実際の評価や開発背景を交えながら詳しく紹介します。
アシックス レイとは?最新シリーズ「METASPEED」の軽量モデル
「アシックス レイ」は、アシックスが展開するハイエンドランニングシリーズ「METASPEED」の新しい仲間。シリーズには「METASPEED SKY」や「METASPEED EDGE」などもありますが、「RAY」は特に軽さを追求したモデルとして登場しました。
「RAY(光線)」という名前の通り、まるで光のように速く、軽く走れるよう設計されています。ランナーが走るたびに、弾むような推進力を感じられるのが特徴です。
発売は2025年7月下旬。アシックス直営店やオンラインストアで販売が始まり、トップランナーだけでなく一般ランナーからも話題になっています。
驚異の軽さ ― 片足わずか129gのスピード感
アシックス レイが最も注目される理由は、その軽さ。27.0cmサイズでわずか129gという数値は、厚底カーボンプレート搭載シューズの中でもトップクラスの軽量性です。
ランニング中の「一歩の軽さ」は、長距離になればなるほど大きな差になります。特にスピード練習やレース本番では、この軽さが疲労軽減やラストスパートの余力に直結することもあります。
日常のジョグよりも「記録を狙う」「自己ベストを更新したい」ランナーにとって、この軽量性は大きな武器となるでしょう。
反発とクッションを両立する最新素材「FF LEAP」
軽量なだけではなく、走りの推進力も高いのがレイの魅力。ミッドソールには新素材FF LEAPが採用されています。
この素材は、アシックス史上もっとも軽量で、同時に高い反発力とクッション性を実現したフォーム。着地した瞬間の衝撃を吸収し、すぐにエネルギーを跳ね返すような弾力を感じられます。
それにより、脚への負担を減らしながらも、スピードのある走りをサポートしてくれます。
さらに、ミッドソール内部には軽量カーボンプレートを搭載。走りの安定性を高め、蹴り出し時に効率的にエネルギーを推進力へと変換してくれる設計です。
快適なフィット感と通気性 ― MATRYXアッパーの魅力
アッパー部分には高機能素材**MATRYX(マトリックス)**を採用。
この素材は通気性に優れながらも、しっかりとしたホールド感を実現しています。足の甲をしなやかに包み込み、スピードを出してもブレが少ないのが特長です。
薄く軽い生地ながら、必要な部分には補強を施しており、激しい動きでも型崩れしにくい構造。
夏場のレースやトレーニングでもムレにくく、長時間のランにも快適に対応します。
厚底なのに軽い ― ソール設計の進化
レイはヒール高約39.5mm、前足部34.5mmの厚底設計。それにもかかわらず、重さは129gしかありません。これは「厚底=重い」というこれまでの常識を覆す数値です。
厚底構造によりクッション性はしっかり確保され、長時間走っても脚への衝撃を軽減します。
一方で、ソールが沈み込みすぎないため、反発力を素早く感じられ、自然に脚が前へと出る感覚を得られるのが魅力です。
また、アウトソールにはアシックス独自のASICSGRIPを採用。雨上がりの路面やコーナリングでも安定したグリップを発揮します。
実際の履き心地 ― 軽さと反発の“跳ねる走り”
レビューを見ると、多くのランナーが「軽い」「跳ねるような感覚」と評価しています。
走り出しの瞬間にスッと脚が前に出る感覚があり、テンポを上げやすいという声が多く見られます。
一方で、反発が強すぎず、扱いやすいのもポイント。
「厚底カーボンは反発が強くて合わない」と感じていたランナーでも、レイなら自然な推進感を得やすいという意見もあります。
また、クッションが柔らかすぎず、路面を感じながら安定して走れる点も評価されています。軽量シューズにありがちな“接地の不安定さ”が少なく、スピードと安定のバランスが取れた1足といえるでしょう。
向いているランナーとおすすめの使い方
アシックス レイは以下のようなランナーに特におすすめです。
- 軽さとスピードを重視するランナー
- フォアフット(前足部着地)走法を取り入れている人
- カーボンプレートシューズを使いこなせる中級〜上級者
- レースやスピード練習で自己ベスト更新を狙う人
逆に、初心者ランナーやゆっくりジョグ中心の人には、やや硬く感じることがあります。クッション性や安定感を重視したい場合は、同シリーズの「METASPEED SKY」や「METASPEED EDGE」を検討してもよいでしょう。
レイは軽量で反発の強い設計のため、自分の脚力でしっかり蹴り出せる人ほど、その性能を最大限に活かせます。
注意点 ― 軽量ゆえのデメリットもある
完璧に見えるレイにも注意点はあります。
まず、軽量化のためにソール素材が薄くなっている分、耐久性は他の厚底モデルより低め。日常のジョグなどで酷使すると、ソールの摩耗が早く進む可能性があります。
また、クッション性よりも反発力を重視しているため、着地時の安定感を求める人には少し物足りなく感じるかもしれません。特に初心者ランナーや膝に不安がある人は、より安定感のあるモデルを選んだ方が安心です。
「レース用」「ポイント練習用」として使い分けるのが、最も効果的な活用法です。
開発背景 ― 軽さの限界に挑んだアシックスの技術
アシックスがこのモデルを開発した背景には、トップアスリートからの「もっと軽いシューズが欲しい」という声がありました。
同社の開発チームは、1gでも軽くするために、素材の選定から構造の見直しまで徹底的に追求。
ミッドソールの素材を新開発し、アッパーの繊維構造を最適化。アウトソールのラバー厚もミリ単位で調整するなど、まさに「1g削り出す開発」といえる努力の結晶がレイです。
その結果、軽量性だけでなく、走りの安定感やクッション性能も維持し、総合的なパフォーマンスを高次元で両立しています。
価格と購入方法 ― 抽選販売からスタート
アシックス レイの価格は税込33,000円。
2025年7月からアシックス公式オンラインストアと直営店舗で販売されています。発売当初は人気が集中したため、抽選販売での入手となりました。
現在は在庫状況により販売店舗が限られる場合があります。アシックス公式サイトや大手スポーツショップのオンラインストアでのチェックがおすすめです。
アシックス レイがもたらす新しい走りの感覚
アシックス レイは、軽さと反発性のバランスを極めた新世代のランニングシューズです。
「厚底なのに軽い」「弾むように走れる」――この感覚は、これまでのカーボンシューズとは一線を画します。
もちろん、すべてのランナーに万能ではありません。しかし、自分の脚でしっかり前へ進むタイプのランナーにとっては、最高のパートナーになり得る一足です。
トレーニングやレースでそのポテンシャルを体感すれば、走ること自体がもっと楽しくなるはず。
軽やかに、速く、そして美しく走りたい――そんなランナーの理想を形にしたのが、アシックス レイなのです。
アシックス レイの特徴と魅力をもう一度
最後にあらためてまとめると、アシックス レイは以下のような特徴を持つランニングシューズです。
- 片足129gの超軽量設計
- 新素材「FF LEAP」による高反発とクッション性
- MATRYXアッパーで通気性・フィット感を両立
- ASICSGRIPアウトソールで優れたグリップ力
- 厚底なのに軽快な履き心地
- フォアフット走法やスピードランナーに最適
軽さを味方に、限界を超えて走る――その体験を求めるなら、アシックス レイは間違いなく試す価値のある一足です。


