「アシックス×モンクレール」と聞くと、思わず心が躍る人も多いはず。スポーツブランドの技術力と、ラグジュアリーブランドの気品が融合したら――その結果は、機能性と美しさを兼ね備えた唯一無二の一足に違いありません。
この記事では、過去の代表的なコラボモデルから、現在の流通状況、そして今後の可能性までを、丁寧に紐解いていきます。
アシックス×モンクレールの関係とは？意外な過去のつながり
アシックスとモンクレールは、一見すると遠い存在のように思えるかもしれません。
しかし、実はこの2つのブランド、過去に何度か“交わった”瞬間があります。
最も有名なのは、2017年に登場した「KITH × Moncler × ASICS」のトリプルコラボモデル。
スニーカーファンの間では伝説的な存在となっている「GEL-Lyte III（ゲルライトスリー）」をベースに、モンクレールらしい高級感あふれる素材とカラーリングが施されました。
ネイビー、レッド、ホワイトの3色展開で、フランスの国旗を思わせるトリコロール配色。
アッパーにはスエードとカーフスキンが組み合わされ、インソールには保温性の高いシェルパフリース。冬でも快適に履けるよう設計された、まさに“高級スニーカー”の名にふさわしい仕上がりでした。
国内ではモンクレール直営店を中心に数量限定で発売され、発売当日は即完売。
当時の販売価格は約4万円と決して安くはありませんでしたが、そのプレミア感と完成度から、現在も中古市場では高値で取引されています。
ヴィンテージ期に存在した「モンクレール×アシックス」の幻のダウン
実はこの2ブランドの関係は、スニーカー以前からあったとも言われています。
1980年代から90年代にかけて、ヨーロッパ市場では「Moncler × ASICS」名義のダウンジャケットやスキーウェアが流通していたという記録があります。
現存する数は非常に少なく、古着市場やオークションサイトで「MONCLER × ASICS リバーシブルダウン」といったアイテムが確認される程度。
赤×青の大胆な配色や、当時のモンクレールタグが特徴的で、ファッションコレクターの間では“幻のウェア”として扱われています。
これらのウェアは、アシックスがまだアウトドア・スキー分野への展開を模索していた時代のもので、モンクレールの技術提供や共同開発が背景にあったとされています。
つまり、両者のつながりは単なるコラボではなく、“日本の技術×欧州のクラフトマンシップ”という相互補完の関係だったとも言えるのです。
なぜアシックス×モンクレールはここまで特別視されるのか
アシックスとモンクレールは、それぞれ異なる世界で成功を収めてきたブランドです。
アシックスは、世界トップクラスのランニングシューズメーカーとして知られ、スポーツ科学を基盤にした機能性を武器にしています。
一方でモンクレールは、高級ダウンの代名詞とも言える存在。ラグジュアリーファッションの文脈で語られるブランドです。
そんな2つのブランドが交わると、そこには明確な化学反応が生まれます。
アシックスが持つ「動きやすさ」「耐久性」「軽量性」と、モンクレールの「高級素材」「洗練されたデザイン」「ブランドオーラ」。
この相反する価値観が融合したとき、唯一無二の存在感を放つアイテムが誕生します。
特にスニーカー文化の世界では、ラグジュアリーブランドとスポーツブランドのコラボが常に注目の的。
「Nike × Dior」や「Adidas × Prada」といった事例が証明しているように、アシックスとモンクレールの組み合わせもそれに匹敵するポテンシャルを秘めています。
現在の流通状況：入手は困難、しかし中古市場で熱視線
2025年現在、「アシックス×モンクレール」の新作コラボは公式には発表されていません。
しかし過去のトリプルコラボモデルやヴィンテージウェアは、今もなお高値で取引されています。
特に2017年の「KITH × Moncler × ASICS GEL-Lyte III」は、国内外のスニーカーフリマアプリや中古市場で高い人気を誇ります。
状態の良いものは7万円〜10万円台で出品されることもあり、発売当時の価格を大きく上回るプレミア価格となっています。
また、ヴィンテージの「Moncler × ASICS」ダウンジャケットも、希少性が高く、状態やサイズによっては数万円から10万円を超える価格帯で取引されるケースも。
特に、オリジナルタグや刺繍ロゴが残っている個体はコレクターズアイテムとして人気があります。
つまり現在のところ、アシックス×モンクレールを手に入れるには中古市場や海外オークションが中心。
正規店での購入は難しいものの、その希少性こそがファッション愛好家の心をくすぐっています。
再コラボの可能性は？注目される「機能×ラグジュアリー」再来の予感
両ブランドの最新動向を見てみると、再コラボの可能性もゼロではありません。
モンクレールは近年「Moncler Genius」プロジェクトを通じて、様々なブランドと積極的にコラボレーションを行っています。
Palm Angels、Rick Owens、Stone Island、そして最近では adidas との協業など、その幅広い展開は注目を集めています。
一方のアシックスも、ファッション分野への進出を強化しています。
Kiko Kostadinov や Cecilie Bahnsen など、デザイナーコラボによるハイエンドスニーカーが次々登場し、“ファッションブランドとしてのアシックス”という新しいイメージを確立しつつあります。
この流れを踏まえると、「モンクレール×アシックス」という再コラボは、十分現実味を帯びてきています。
もし実現するなら、過去のGEL-Lyte IIIのようなスニーカーだけでなく、機能性ウェアやアウトドアアイテムとしての展開も期待できます。
ラグジュアリーな素材にアシックスのテクノロジーが組み合わされれば、都会的で実用的な“新世代のラグスポファッション”が誕生する可能性もあるでしょう。
コレクターが語る「アシックス×モンクレール」の魅力
実際に過去のコラボアイテムを手に入れたコレクターたちからは、次のような声が多く聞かれます。
- 「見た目の高級感と履き心地の良さの両立がすごい」
- 「トリコロールのカラーリングが上品で、履くだけでテンションが上がる」
- 「モンクレールのタグとアシックスのロゴが並んでいるだけで特別感がある」
また、スニーカーとしての完成度も非常に高く、アシックスならではのクッション性やフィット感は健在。
“飾っても履いても映える”一足として、現在も熱い支持を得ています。
購入を検討する際の注意点
希少なモデルゆえに、フリマサイトやオークションでは偽物や類似品も出回る可能性があります。
購入を検討する場合は、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- 公式リリース情報に基づくデザインか（ロゴ位置やタグの形状をチェック）
- シューズボックスや付属品の有無
- 販売元の評価・信頼性
特に「KITH × Moncler × ASICS」は人気が高く、リプロダクト風のカスタム品も見られるため、慎重な確認が必要です。
アシックス×モンクレールコラボが示す“ファッションの未来”
このコラボは、単なる限定スニーカーではありません。
「機能性」と「高級感」という、これまで相反していた価値観を見事に融合させた象徴的なプロジェクトでした。
アシックスが追求する“快適さと科学的アプローチ”、モンクレールが体現する“美と品質へのこだわり”。
その両者が一つのプロダクトに共存したことで、ファッションとスポーツの境界が曖昧になり、より自由な表現が可能になりました。
これは、今後のファッション業界全体にとっても重要な示唆です。
高級ブランドとスポーツブランドの協業は、もはや一時的な流行ではなく、「ライフスタイルそのもの」を再定義する動きへと進化しています。
アシックス×モンクレールコラボ最新情報のまとめ
現時点で新しいコラボの発表はありませんが、過去のモデルは今も多くのファンに愛され続けています。
2017年の「KITH × Moncler × ASICS GEL-Lyte III」は、機能性と高級感を見事に融合させた逸品として、スニーカー史に残る存在。
そしてヴィンテージ期のウェアは、ファッション史的にも貴重な遺産です。
これらの歴史を踏まえれば、もし再び「アシックス×モンクレール」の名が蘇る日が来たとき、その反響は計り知れないものになるでしょう。
今後も両ブランドの動向から目が離せません。
