ランニングシューズの中でも、近年注目を集めているのが「アシックス マジックスピード2」。
カーボンプレートを搭載しながらも手に取りやすい価格帯で、「初めてのカーボンシューズ」として選ぶ人も増えています。この記事では、前作との違いや走行性能、実際のランナーからの評価までを徹底的に紹介します。
アシックス マジックスピード2とは?特徴と設計の狙い
アシックスが展開するマジックスピードシリーズは、「日常練習からレースまで使えるスピード系シューズ」として誕生しました。
その第2世代となるアシックス マジックスピード2は、初代から大きく設計が見直され、履き心地や推進力、安定性が格段に進化しています。
ミッドソールには「FF BLAST+」と「FlyteFoam」の2層構造を採用。
上層が柔らかいクッション性を生み、下層がしっかりとした反発力を支えます。さらに、両層の間にフルレングスのカーボンTPUプレートを挟み込むことで、前足部から中足部まで一貫した剛性と推進力を確保。これにより、踏み出しの瞬間に力が無駄なく前へと伝わる設計になっています。
ヒール高は約35mm、前足部は約26mmで、ドロップは約8mm。
高すぎず低すぎないバランスで、テンポ走やロング走にも対応できる万能型シューズです。
前作からの主な進化ポイント
アシックス マジックスピード2は、初代から多くの改良が施されています。特に大きな進化は次の3点です。
1. プレート構造の強化
前作では3/4レングスだったカーボンプレートが、今作ではフルレングスに変更。
これにより、足全体でしなりを感じられ、より安定した推進感が得られます。
2. クッション性の向上
新たに採用された「FF BLAST+」フォームが柔らかく反発し、前作の硬さが軽減。
長距離でも脚への負担が少なく、快適さが格段に増しています。
3. アッパーとフィット感の改善
エンジニアードメッシュのアッパーが通気性と軽量性を両立。
足全体を包み込むようなホールド感があり、ズレや靴擦れのリスクも軽減されています。
これらの改良によって、アシックス マジックスピード2は「レースでも練習でも使える万能モデル」として評価されるようになりました。
実際の履き心地と走行感
実際に履いて走ってみると、最初に感じるのは「軽さ」と「転がるような推進力」。
カーボンプレートとロッカー構造(前方にカーブしたソール形状)の組み合わせで、自然と前に進む感覚があります。
中速から高速域(キロ4〜5分台)で特に性能を発揮し、テンポ走やペース走にぴったり。
一方、ジョグのようなスローペースでは硬さを感じるという意見もありますが、それは剛性が高い証でもあります。
アッパーのフィット感も向上しており、足の甲をしっかり包みながらも通気性は十分。
特に夏場のロングランでも蒸れにくいのが魅力です。
アシックス マジックスピード2の長所
- 高い推進力と安定感
カーボンプレートが足全体を支え、スムーズに前へ転がるような走りをサポート。 - 程よいクッション性
FF BLAST+ フォームが衝撃を吸収し、前作よりも脚に優しい感触。 - 優れた耐久性
アウトソールのラバーが厚めに配置されており、800km程度走っても形が崩れにくいという声もあります。 - コストパフォーマンスの高さ
カーボンプレート入りとしては価格が手頃で、日常練習用にも使いやすい。
これらのバランスが取れているため、「レース用を買う前に試したい」「練習にも使いたい」というランナーからの支持が厚いモデルです。
注意点と向かないケース
一方で、アシックス マジックスピード2にはいくつか注意すべきポイントもあります。
まず、柔らかさを求めるランナーには硬く感じるかもしれません。
クッションというよりは「剛性と反発」で走るタイプなので、柔らかいシューズに慣れている人は脚に負担を感じることがあります。
また、フィット感がややタイト。
特に足幅が広い人は、つま先や甲に圧迫感を覚えることがあるため、ワンサイズ上を試すのも選択肢です。
さらに、フルマラソンの後半のような疲労時にはソールの硬さが気になるという声もあり、長距離よりはミドル〜ハーフ程度までのレースで力を発揮するシューズといえます。
他モデルとの比較と使い分け
アシックス マジックスピード2をより理解するには、他のモデルとの違いを見るのが効果的です。
同じアシックスの上位モデルである「メタスピード」シリーズは、より柔らかく高反発な走り心地を持つ“本格レーシングモデル”。
一方、アシックス マジックスピード2はそのトレーニング版として設計されており、日常的に使える安定感があります。
また、他社の同価格帯モデルと比較すると、SauconyのEndorphin Speed 3が“跳ねるような反発”を重視するのに対し、アシックス マジックスピード2は“安定した剛性”に重点を置いています。
そのため、好みが「しっかりと地面を押し出したい」タイプならアシックス マジックスピード2が向いているでしょう。
ランナーからのリアルな評価
実際にアシックス マジックスピード2を使用しているランナーからは、以下のような声が多く聞かれます。
- 「テンポ走が驚くほど気持ちいい。自然にペースが上がる」
- 「カーボンの反発を感じつつも、安定して走れる」
- 「硬めの感触だが、その分しっかりした蹴り出しができる」
- 「練習にもレースにも使えるコスパの良さが魅力」
- 「初代よりも柔らかくなり、履きやすさが増した」
一方で、「スローペースでは乗りにくい」「長距離では脚に疲れが溜まりやすい」といった意見もありました。
つまり、スピード練習やハーフマラソンまでの距離で最大限の性能を発揮するタイプといえます。
アシックス マジックスピード2はどんな人におすすめ?
アシックス マジックスピード2は、次のようなランナーに特におすすめです。
- カーボンシューズを試してみたい中級者ランナー
- テンポ走・スピード練習を重ねたい人
- コスパと耐久性のバランスを重視する人
- スピードを出すと気持ちよく走れるシューズを求めている人
逆に、ジョギング中心のランナーや、長距離レースで脚への優しさを最重視する人は、よりクッション性の高いモデル(例:ノヴァブラストシリーズなど)の方が快適です。
まとめ|アシックス マジックスピード2は“スピードと安定感のバランス型”
アシックス マジックスピード2は、カーボンプレート搭載シューズの中でも「実用性」と「価格」のバランスが取れた名作です。
前作からの改良により、反発力とクッション性が両立し、練習からレースまで幅広く使える一足となりました。
硬めの履き心地ながらも推進力は抜群で、スピード練習を日常的に取り入れたいランナーには最適。
初めてカーボンプレートシューズを試す人にも、安心しておすすめできるモデルです。
カーボンの力を実感しながら、自分の走りを一段階引き上げたいなら——
「アシックス マジックスピード2」は、その期待に応えてくれる一足です。


