「ニューバランス703って、今も買えるの？」そんな疑問を持った人、けっこう多いと思います。街でもアウトドアでも履ける万能スニーカーとして人気だった703シリーズですが、最近は店頭であまり見かけなくなりました。そこで今回は、703の後継モデルとされる「ニューバランス610シリーズ」を中心に、デザインや機能がどのように進化しているのかをじっくり見ていきます。履き心地、ルックス、価格帯など、購入を検討している人の参考になるポイントを丁寧に解説します。
ニューバランス703とは？アウトドアと街履きの中間にいた名作
まずは、703というモデルの位置づけをおさらいしておきましょう。ニューバランス703は、2000年にトレイルランニング用として登場したモデルです。もともとは山道や不整地を走ることを想定したシューズで、分厚いアウトソールとグリップ力のあるラグ構造が特徴でした。
その後、タウンユースでも人気が広がり、2020年には「ML703」「WL703」として復刻。アウトドア由来の無骨なデザインをそのままに、日常使いしやすい仕様にアップデートされました。スエード×メッシュのコンビアッパーや、ちょっとチャンキーなボリューム感が今見ても新鮮で、いわゆる“ダッドスニーカー”ブームの流れにも自然にフィットする一足です。
当時の定価は約9,900円前後。価格的にも手に取りやすく、レトロな雰囲気と頑丈さを兼ね備えた「街履きできるアウトドアスニーカー」として、多くのファンを獲得しました。
703が人気を集めた理由
703がここまで長く愛されたのは、単なる機能性だけではありません。理由はいくつかあります。
- アウトドアデザインが映える：ソールの厚みや素材感が、アウトドア×ストリートのバランスをうまくとっていました。
- 重すぎず、軽すぎず：トレイルモデルながらも適度なクッション性があり、普段履きでも疲れにくい構造でした。
- 耐久性の高さ：スエード素材とラバーソールの組み合わせで、擦れにも強く、長期間使える丈夫さが評価されました。
- 価格とデザインのバランス：ニューバランスの中でも比較的手頃で、それでいて存在感のあるモデルだったのです。
つまり703は、「機能派」と「おしゃれ派」の両方に刺さる絶妙な立ち位置のスニーカーでした。
ニューバランス703の後継モデルはニューバランス610シリーズ？
さて、本題の「後継モデル」について。実はニューバランス公式が「703の正式な後継はこのモデルです」と明言しているわけではありません。ですが、多くのファッションメディアや愛用者の間では、ニューバランス610シリーズが703の流れを最も強く受け継いでいるモデルとして注目されています。
ニューバランス610シリーズは、もともと2011年に「MT610」という名前でトレイルランニング用に登場しました。その後、2022年にライフスタイルラインとして再びリリースされ、タウンユースを意識したデザインへ進化。ここに“703のDNA”を感じ取る人が多いのです。
ニューバランス610シリーズの特徴と進化ポイント
ニューバランス610は、703と同じくアウトドアの系譜にあるトレイルモデルですが、より現代的でスタイリッシュな仕上がりになっています。特に注目したい進化ポイントは以下の通りです。
- クッション性の強化：ミッドソールに「ABZORB（アブゾーブ）」を搭載し、着地時の衝撃吸収性が大幅に向上。長時間歩いても疲れにくい履き心地です。
- 耐久性のアップ：アウトソールには「N-durance」というラバーコンパウンドを採用。摩耗に強く、トレイルやアスファルトでも長持ちします。
- シルエットの洗練：703が持っていた“ごつさ”はやや控えめに。ニューバランス610は全体的にスリムで、都会的な印象に仕上げられています。
- ファッション性の向上：配色や素材バリエーションが豊富で、ストリートブランドとのコラボモデルも多く展開されています。
実際、最近ではアウトドア仕様を感じさせつつもタウンユースとして履けるモデルが増えており、ニューバランス610シリーズはまさにそのトレンドの中心にあります。
ニューバランス703とニューバランス610の違いを比較してみる
ここでは、703とニューバランス610を機能・デザインの両面で簡単に比較してみましょう。
- デザインの印象
703は無骨でレトロ。ソールも分厚く、ボリュームのあるフォルムです。ニューバランス610はややスリムで、モダンなデザイン。よりファッションスニーカー寄りです。 - 用途とシーン
703はアウトドアを強く意識しており、キャンプやフェスなどにも合う万能型。一方でニューバランス610は“アーバントレイル”をテーマに、街履き前提での快適さを追求しています。 - 機能面
703はシンプルなクッション構造に対し、MT610はABZORBやN-duranceなど、ニューバランス独自の最新素材を導入。軽さや反発力、耐久性が格段に進化しています。 - 入手しやすさ
703はすでに廃盤のため、現在は中古市場での入手が中心。ニューバランス610は現行ラインとして販売されているため、店舗やオンラインでも比較的容易に手に入ります。
このように見ていくと、703のデザイン的なルーツを受け継ぎながらも、ニューバランス610では「より軽快に」「より現代的に」進化していることがわかります。
なぜニューバランス610が“実質的な後継”といわれるのか
703とニューバランス610の間には約10年以上の開きがありますが、根底にあるコンセプトは共通しています。それは「アウトドア性能と街履きデザインの融合」です。
703がトレイル由来のデザインを“街でも履ける靴”として広めたとすれば、ニューバランス610は“街で履くことを前提にしたトレイルルック”を完成させたモデルだといえます。機能面でも進化しつつ、703らしいボリューム感や素材構成をうまくアレンジしている点が、多くの人に「後継っぽさ」を感じさせる理由でしょう。
ファッション的にも注目が高まるニューバランス610シリーズ
ここ数年、アウトドアテイストのスニーカーが再び注目されています。ゴアテックス搭載モデルや、防水・防滑仕様のライフスタイルスニーカーが増えており、ニューバランス610シリーズもその流れにぴったり。
ストリートブランドとのコラボも盛んで、ファッション性を重視したバリエーションが続々登場しています。ニューバランス703のようなレトロな厚底感を保ちながらも、軽量化と履きやすさを両立しているため、アウトドア派だけでなくファッション感度の高い層からも支持を集めています。
703を愛用していた人がニューバランス610を履くとどう感じるか
もし703を以前履いていた人がニューバランス610を試すと、「軽くなった」「足当たりが柔らかくなった」と感じるはずです。ソール構造の進化によって、歩行時の安定感もアップしています。
一方で、「703のあの無骨さが好きだった」という人にとっては、ニューバランス610がやや洗練されすぎて物足りなく感じるかもしれません。そんな場合は、あえてクラシックカラーのニューバランス610を選ぶと、703の雰囲気を残したスタイルを楽しめます。
703のデザインが恋しい人におすすめの選択肢
703は今や中古や復刻モデルが中心ですが、類似のデザインを探すなら「ニューバランス610」「ニューバランス801」「ニューバランス703復刻版（ML703/WL703）」あたりが狙い目です。
特にニューバランス610は、機能・デザインともに703の延長線上にあるモデルとしてバランスがよく、今後も継続的にリリースが続く可能性が高いシリーズです。
ニューバランス703の後継モデルをどう選ぶか
最後に、703の後継モデルを探す際のポイントを整理しておきましょう。
- 703のレトロ感やボリュームを重視するなら、中古や復刻版を。
- 履き心地や機能性を重視するなら、現行のニューバランス610シリーズを。
- 普段使い中心なら、ニューバランス610のABZORB搭載モデルが快適。
- ファッション要素を求めるなら、610T、610v1などコラボ系にも注目。
703をきっかけに「アウトドア×街履きスニーカー」というスタイルが広まったように、ニューバランス610シリーズもまた新しいトレンドを生み出していく存在です。
まとめ｜ニューバランス703の後継モデルを徹底調査して見えた“次の一歩”
ニューバランス703は、トレイル由来の無骨なデザインと街履きのしやすさで、多くの人に愛された名作でした。その系譜を受け継ぎながら、より軽く、履きやすく、都会的に進化したのがニューバランス610シリーズ。
機能的にもデザイン的にも、703の魅力を現代的にアップデートしたモデルといえます。
もし「703が好きだったけど、もう手に入らない」と感じているなら、ニューバランス610を一度試してみてください。そこには、確かに703のDNAが息づいています。
