テニスをプレーするうえで、実は「どんなコートでプレーするか」は非常に重要です。特に日本では、砂入り人工芝(いわゆるオムニコート)やクレー(土)のコートが主流。ここで使うシューズを間違えると、滑って転びやすくなったり、思うように踏ん張れなかったりと、パフォーマンスにも安全性にも影響します。
そこで今回は、アシックスのオムニクレー対応シューズに注目。おすすめモデルを紹介しつつ、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
オムニクレーコートってどんなコート?
まずは「オムニクレー」とは何かを整理しておきましょう。
オムニコートとは、人工芝の上に砂を敷いた「砂入り人工芝コート」のこと。日本では学校や市営コートなどに多く見られます。表面に砂があるため、ハードコートよりも滑りやすく、足元のグリップ力が落ちやすいのが特徴です。
一方、クレーコートは土で作られたコート。ヨーロッパの大会では一般的で、赤土コート(全仏オープンなど)が代表的です。こちらも地面が柔らかく滑りやすいため、同様に「しっかり止まれる」靴が必要になります。
つまり、オムニコートとクレーコートはどちらも「滑りやすいコート」であり、専用のシューズを履くことがパフォーマンス向上とケガ防止に直結します。
なぜオムニクレー専用シューズが必要なのか
ハードコート向けの「オールコート用シューズ」でも一見プレーできそうですが、オムニクレーではグリップが効きすぎたり、逆に砂で滑ってしまうことも。
オムニクレー専用モデルは、ソール(靴底)のパターンや素材が特別設計されています。砂や土をしっかり噛みながら、余分な砂を逃がす構造で、安定したフットワークが可能です。
また、地面が柔らかいぶん、衝撃吸収よりも「軽さ」「動きやすさ」「安定性」が重視される傾向にあります。特にアシックスは、国内プレーヤーの足型に合わせた設計が多く、フィット感や踏ん張りやすさに定評があります。
アシックスのオムニクレー対応モデルの特徴
アシックスのテニスシューズには、末尾に「OC」と付くモデルがあります。これは “Omni・Clay(オムニ・クレー)” の略で、砂入り人工芝やクレー専用設計を意味します。対して「AC」は “All Court(オールコート)” です。購入時にはこの表記を必ずチェックしましょう。
アシックスのオムニクレー用モデルは、以下のような特徴があります。
- 靴底の溝が深く、細かい凹凸で砂を噛む
- 横方向の動きに強く、切り返し時にブレにくい
- 軽量なミッドソール(FlyteFoamなど)で疲れにくい
- 通気性を確保しつつ、砂の侵入を防ぐアッパー構造
こうした設計により、砂の多いオムニコートでも足を取られにくく、安定したプレーができます。
オムニクレー対応シューズの選び方
どんなプレーヤーにも共通する選び方の基本を押さえておきましょう。
1. コートに合ったソールを選ぶ
オムニクレー用のソールは、砂をしっかり捉える細かいパターンが特徴。間違ってオールコート用を選ぶと滑ってしまうことがあるので、「OC」表記を確認することが第一歩です。
2. 自分のプレースタイルを意識する
- スピード型・ダブルス中心:軽量で柔軟性のあるモデル
- 安定性重視・ベースライン型:横ブレを抑えるサポート構造付きモデル
- 初心者・練習中心:履き心地とコスパ重視のベーシックモデル
3. 足の形に合うラスト(幅)を確認
アシックスは日本人向けに「STANDARD」「WIDE」「EXTRA WIDE」といった幅のバリエーションがあります。足幅が広い人は「WIDE」モデルを選ぶと快適です。
4. 用途別にシューズを使い分ける
ハードコートでもプレーする人は、オムニ・クレー用とオールコート用を両方持つのが理想。ソールの摩耗や滑りすぎを防ぎ、長く快適に使えます。
アシックスのオムニクレー対応おすすめ5選
ここからは、アシックスの中でも人気の高いオムニクレー対応モデルを紹介します。それぞれ特徴やおすすめタイプを簡潔にまとめました。
1. GEL-RESOLUTION X OC
アシックスのフラッグシップとも言える安定性重視モデル。横方向の動きに強く、ベースラインでの打ち合いに最適です。ミッドソールの「DYNAWALL」構造が踏ん張りをサポートし、長時間プレーでも足がぶれにくい。中〜上級者におすすめ。
2. SOLUTION SPEED FF 2 OC
スピード重視の軽量モデル。素早いフットワークと反発性を両立させ、ダブルスや攻撃的プレーに向きます。通気性も高く、夏場でも快適。中級者以上で、俊敏さを求めるプレーヤーに人気です。
3. GAME FF CLAY/OC
価格を抑えつつ、軽さと安定性を兼ね備えたエントリーモデル。FlyteFoam採用でクッション性もあり、初めてオムニクレー用を買う人にも最適。練習用としてもコスパが良く、学生や初心者にもおすすめです。
4. PRESTIGELYTE 5 OC WIDE
足幅が広めの人向けに設計された「ワイドモデル」。フィット感が高く、圧迫感が少ないため長時間プレーでも疲れにくい。オムニクレーコート中心のプレーヤーにとって、日常的に履ける安定感のある一足です。
5. GEL-GAME GS CLAY/OC
ジュニア・学生プレーヤー向け。軽量で動きやすく、耐久性にも優れています。成長期の子どもでも安心して使える設計で、学校部活やテニススクールにもぴったり。
オムニクレーシューズを長く使うためのポイント
どんなに良いシューズでも、手入れを怠ると性能は落ちます。砂が詰まるとグリップ力が低下するため、使用後はブラシでソールを軽く掃除し、通気の良い場所で乾燥させましょう。
また、ソールの溝がすり減ってきたら交換のサイン。グリップが弱まると滑りやすくなるため、定期的にチェックを。
試合用と練習用を分けておくと、摩耗を抑えられてコスパも上がります。
よくある失敗と注意点
- オールコート用で代用してしまう
→ グリップ不足や滑りでケガのリスクが上がります。 - サイズ・幅を軽視する
→ 特にアシックスはホールド感が強め。試着やサイズ表の確認が重要です。 - ハードコートでもオムニ用を使う
→ ソール摩耗が早く、止まりすぎて足に負担がかかることも。
正しい使い分けが、快適さと安全性を両立させる鍵です。
どんな人にどのモデルが向いているか
- 初心者・練習中心:GAME FF CLAY/OC
- 中級者・スピード重視:SOLUTION SPEED FF 2 OC
- 安定性重視・ベースライン型:GEL-RESOLUTION X OC
- 幅広・快適性重視:PRESTIGELYTE 5 OC WIDE
- ジュニア・学生:GEL-GAME GS CLAY/OC
用途とプレースタイルに合わせて選べば、より快適なプレーが可能になります。
アシックスのオムニクレー対応シューズで快適にテニスを楽しもう
日本のテニス環境では、オムニコートやクレーコートが圧倒的に多く、アシックスのオムニクレー対応シューズはまさに「日本人プレーヤーのための定番」です。
しっかり止まれて、滑らず、疲れにくい。そんな理想的な一足を選ぶことで、日々の練習も試合もより快適になります。
もし今まで「オールコート用で十分」と感じていたなら、一度オムニクレー専用シューズを試してみてください。グリップの違い、安定感の違いを体感できるはずです。
そして、自分の足に合ったアシックスの一足を選び、最高のフットワークでコートを駆け抜けましょう。


