ランニングを始めた人から、すでに大会で結果を出したい人まで。最近よく耳にするのが「アシックスエッジ」という名前です。シリーズ名を正確に言うと「METASPEED EDGE（メタスピード エッジ）」で、アシックスが誇るカーボンプレート搭載の本格レーシングシューズ。その中でも「METASPEED EDGE TOKYO（トーキョー）」は最新モデルとして注目を集めています。ここでは、その特徴や履き心地、旧モデルとの違いまで、徹底的に解説していきます。
「アシックスエッジ」とは？シリーズの基本コンセプト
アシックスエッジは、アシックスのトップレーシングライン「METASPEED EDGE」シリーズの一翼を担うモデルです。このシリーズの最大の特徴は、ランナーの走法をもとにシューズを最適化していること。
つまり、「ストライド型」と「ピッチ型」という２つの走り方に合わせた設計になっています。
- ストライド型：一歩一歩の歩幅を大きく伸ばして進む走法。対応モデルは「METASPEED SKY」。
- ピッチ型：足の回転数を高めてテンポよく進む走法。対応モデルが「METASPEED EDGE」。
ピッチ走法のランナーは足の回転でスピードを生み出します。そのため、エッジは足を軽快に動かしやすく、接地から蹴り出しの効率を最大化する設計が施されています。結果として、無理なくスピードを維持できるシューズとして、多くの中・上級ランナーに支持されています。
最新モデル「METASPEED EDGE TOKYO」の進化ポイント
2025年に登場した最新作「METASPEED EDGE TOKYO」は、従来のEDGE PARISから大幅な改良を受けています。アシックスが掲げる開発テーマは「より軽く、より速く、より安定して走れる」こと。実際にそのすべてが進化しています。
軽量化と高反発性を両立する新素材「FF LEAP」
最大の進化が、ミッドソールに採用された新素材「FF LEAP（エフエフ リープ）」です。
従来使用されていた「FF TURBO PLUS」との二層構造になっており、上層にFF LEAPを配置。アシックス史上最軽量のフォーム材で、前作比で約15%の軽量化、反発力13%以上アップ、クッション性も30%向上というデータが発表されています。
これにより、踏み込みの瞬間にふわっと浮くような反発感が生まれ、テンポの速いランナーでも無駄なく推進力を得ることができます。
カーボンプレートが生む推進力
ソール内部にはカーボンプレートを搭載。プレートの形状はややフラット気味で、ピッチ走法のリズムに合った自然な反発を生みます。
着地から蹴り出しまでの一連の流れをスムーズに導き、ランナーの脚運びをサポート。特に「軽く走っているのにスピードが出る」「リズムを崩さずにペースを維持できる」といった感覚が多くの使用者から報告されています。
改良されたアッパー「MOTION WRAP 3.0」
アッパー素材も刷新され、「MOTION WRAP 3.0」を採用。軽さと通気性に優れつつ、ホールド性を高める設計に仕上がっています。
足全体を包み込むようなフィット感で、スピードを出してもブレにくい。加えて、アキレス腱まわりのクッションを最小限にすることで軽量化を実現しつつ、必要なホールド感をしっかり確保しています。
履き心地レビュー：軽いのに安定感があるという新体験
実際に「EDGE TOKYO」を履いたランナーの声をまとめると、次のような特徴が見えてきます。
- 跳ね返るような反発感が気持ちいい
軽くジョグしても足が自然に前へ出ていく。ポンポンと弾むような感覚で、スピードを上げやすい。 - 軽量でもブレにくく安定している
前作では「かかとがやや不安定」という声もあったが、TOKYOではアウトソール形状が改善され、横ぶれが少ない。 - テンポを刻みやすい
ピッチ走法の人にとって、着地から蹴り出しまでの切り替えがスムーズ。軽快に足を回せる感覚が得られる。 - フィット感が高く、足との一体感が強い
アッパーの改良により、シューズが足を吸い付くように包み込み、ズレや緩みを感じにくい。
このように、軽さと安定性を高いレベルで両立した履き心地が評価されています。
どんなランナーに「アシックスエッジ」は向いている？
アシックスエッジが真価を発揮するのは、次のようなタイプのランナーです。
- 足を速く回すテンポ型の走りをする人
- 5km〜ハーフマラソンなど、スピード重視のレースに出る人
- インターバル走やペース走で軽快に脚を動かしたい人
- 踏み込みよりも回転でスピードを出すタイプ
- 脚への負担を軽くして、効率よくスピードを維持したい人
逆に、ストライドを大きく取って走るタイプの人や、長距離を安定して走りたい人には「METASPEED SKY」や「SKY PARIS」の方が合う場合もあります。アシックスが「走法別」にモデルを設計しているのは、まさにこの走り方の違いが大きなポイントだからです。
旧モデルとの比較：EDGE PARISとの違い
従来の「METASPEED EDGE PARIS」と比べると、TOKYOモデルは明確に進化しています。
- 重量の軽減
EDGE PARISでは27cmで約174g前後でしたが、TOKYOは約170g（実測では150g台の声もあり）。この軽さは長時間走行時の疲労軽減にもつながります。 - 安定性の向上
ソールの張り出し形状を見直し、着地時の横ブレを抑制。スピードを上げても足元が安定しています。 - 反発性とクッション性の両立
FF LEAPの採用により、踏み込み時の沈み込みを最小限にしながら、反発を上方向に効率的に返す設計に。 - アッパーの通気性とホールド感の改良
夏場の練習やレースでも蒸れにくく、足のズレを防止。履き口の構造がスリムになり、スムーズなフィットを実現。
特に、旧モデルで指摘されていた「軽すぎて不安定」という弱点がほぼ解消され、扱いやすさが格段に向上しています。
実際の走行シーンでの使い方と注意点
エッジは、万能シューズというより“目的特化型”。使うシーンを意識すると、より性能を引き出せます。
- スピード練習：ペース走やインターバルでリズムを意識したいときに最適。
- レース本番：5km〜ハーフなど、短〜中距離での使用に向く。
- ジョグには不向き：柔らかさや安定感を求めるジョグ用としては硬めで反発が強い。
- サイズ選びは慎重に：足幅が広い人はワンサイズ上を試す価値あり。
エッジはその名の通り「鋭さ」を持つシューズ。扱い方を理解すれば、驚くほどのパフォーマンスを引き出せます。
アシックスエッジが生む新しい走りの感覚
アシックスエッジを履いた瞬間、多くのランナーが口をそろえて言うのが「軽いのにしっかり返ってくる」という感覚。地面を蹴るのではなく、地面から押し上げられるような推進力が得られるのがこのモデルの真骨頂です。
また、反発が強いにもかかわらず、足への衝撃は少なく、脚全体の疲労が溜まりにくいと感じる人も多いです。
この特性は、単に素材の進化だけではなく、「走り方」に寄り添うアシックス独自の設計哲学があってこそ。自分のフォームを理解し、最適なモデルを選ぶことが、タイムを縮める近道になります。
アシックスエッジを選ぶべき理由とまとめ
ピッチ走法のランナーにとって、アシックスエッジは理想的なレーシングパートナーです。
軽さ・反発力・安定性・フィット感という４つの性能を高水準で両立し、より自然に速く走る感覚を実現してくれます。
特に最新の「METASPEED EDGE TOKYO」は、前作の課題を解消した完成度の高い一足。短〜中距離レースで自己ベスト更新を狙うランナーにおすすめのモデルです。
走法やフォームに合ったシューズ選びは、結果を大きく左右します。
もしあなたが「軽快なテンポで走りたい」「ラップを安定して刻みたい」と感じているなら、アシックスエッジは間違いなく試す価値のあるシューズです。
アシックスエッジの魅力を体感して、自分だけのベストランを
アシックスエッジは、単なるスピードシューズではなく、“走るリズム”を高めるためのツールです。自分の走り方に合わせて選ぶことで、驚くほど軽やかに、スムーズに走れるはず。
次のレースやスピード練習で、新しい走りの感覚を体験してみてください。
アシックスエッジ――その名の通り、あなたのランニングを一段上の「切れ味」へ導く存在になるでしょう。
