陸上競技の中でも特に技術とパワーの両方が求められる「やり投げ」。助走からブロック、リリースまでの一連の動作を支えるのが、やり投げ専用のスパイクです。今回は、アシックスが展開するやり投げスパイクの中から、競技者に人気のおすすめモデルを5つピックアップし、それぞれの特徴や選び方のポイントを詳しく紹介します。
アシックスが支持される理由
アシックスのやり投げスパイクは、世界中の投てき選手に選ばれている信頼のブランドです。最大の理由は、やり投げという特殊な動作に合わせた設計。助走時の軽さ、踏み切り時の安定性、そしてリリース時の反発力。この3つをバランスよく備えたモデルが揃っています。
また、アシックスのスパイクは左右非対称のデザインが特徴です。右投げ選手の場合、左足はブロック(踏み切り)用として強い安定性が求められ、右足は蹴り出しと助走を支える柔軟性が重視されます。そのため、左右で異なるカットや素材を採用し、動作に合わせたサポートが得られるのです。
最新モデルの頂点「JAVELIN PRO 4」
やり投げ専用スパイクの中でも、現行の主力モデルが「JAVELIN PRO 4(ジャベリンプロ4)」です。アシックスが投てき競技者の実戦データをもとに開発した、まさに“やり投げ専用設計”の完成形といえるモデルです。
まず注目すべきは、アウトソールの「フラットプレート構造」。踏み込み時の接地面積を広く取り、力を逃さず受け止めることで、強いブロック動作を安定させます。特にリリース直前の体重移動時に足元がブレにくく、パワーを効率よく伝えられる感覚が得られます。
アッパーには「モーションラップアッパー」を採用。しっかりとしたホールド感を保ちながら、ストレッチ性も高く、足に吸い付くようなフィット感があります。左足はミドルカットでホールドを強化し、右足はローカットで動きやすさを重視。まさにやり投げの動作を前提にした非対称設計です。
価格帯は2万円台後半とやや高価ですが、競技会でのパフォーマンスを求める選手には間違いなく最有力候補です。オールウェザー助走路専用設計のため、土トラックでは使用しないよう注意しましょう。
コストを抑えて性能も欲しいなら「JAVELIN PRO 2」
「JAVELIN PRO 2(ジャベリンプロ2)」は、JAVELIN PRO 4シリーズの旧モデル。最新モデルに比べるとデザインや素材はやや古いものの、安定性とグリップ力のバランスに優れ、今でも愛用者が多い定番です。
旧モデルということもあり、販売価格は1万円台前半〜中盤で見つかることも。特に高校生や大学生の投てき部員など、これから本格的に競技を始める人におすすめです。軽量で扱いやすく、初めてのやり投げスパイクとしても十分な性能を備えています。
ただし、在庫が少なくなっており、サイズによっては手に入りにくいこともあります。気になる場合は、スポーツ専門店の在庫状況を早めに確認するのが良いでしょう。
安定性と力の伝達を両立する設計
アシックスのやり投げスパイクは、踏み込み時の「安定性」にこだわった設計が特徴です。やり投げでは、助走スピードを保ちながら、最終ステップで一気に力を地面に伝えます。この瞬間にスパイクが滑ったり、力が逃げてしまうと、飛距離に大きく影響します。
そのため、JAVELIN PRO 4シリーズはソール全体がしっかりとした剛性を持ちつつも、スムーズな体重移動ができる構造になっています。ピンの配置もやり投げ特有の踏み込み角度を考慮しており、ブロック時のグリップ力が非常に高いのが特徴です。
また、足首の安定性を高めるための補強がされているため、ケガの予防にもつながります。投てき動作では膝や足首に大きな負担がかかるため、安定したスパイク選びは安全面でも重要です。
左右非対称デザインのメリット
やり投げスパイクを選ぶ際に見逃せないのが「左右非対称設計」です。JAVELIN PRO 4シリーズでは、右投げ専用設計が採用されており、左右で異なるカットや素材構成を持ちます。
左足(ブロック足)は、投げる瞬間に最も大きな力を地面から受けるため、ホールド感と剛性を高めた構造になっています。一方で右足(けり出し足)は、助走やクロスステップの際に動きやすさが重視され、軽量化と柔軟性を確保。これにより、踏み込みからリリースまでの一連の動作がスムーズに流れるのです。
ただし、この非対称設計は「右投げ用」として作られているため、左投げの選手は別モデルを検討する必要があります。購入前に必ず利き手の確認をしておきましょう。
練習用や入門者に向いた選び方
まだ競技を始めたばかりの人や、練習用としてスパイクを探している人には、旧モデルや型落ちモデルも選択肢になります。例えば、JAVELIN PRO 2や、さらに前の世代のJAVELIN PRO 3などは、中古や在庫処分で比較的安価に購入できます。
入門段階では、まずスパイクに慣れることが重要です。助走・クロスステップ・ブロックといった動作の感覚をつかむうえで、最初から最新モデルを使う必要はありません。慣れてきた段階で、上位モデルへのステップアップを検討するのが理想的です。
購入時に注意すべきポイント
やり投げスパイクを選ぶ際には、いくつかの注意点があります。
- 助走路の種類を確認する
アシックスのやり投げスパイクは、基本的にオールウェザー助走路専用です。土トラックや芝ではピンがうまく刺さらず、滑る危険があります。 - サイズと足幅のフィット感
アシックスのJAVELIN PRO 4シリーズはSTANDARD(2E相当)設計。日本人の平均的な足形に合いやすいですが、幅広や甲高の人は試し履きを推奨します。 - 価格と流通状況
最新モデルは高価ですが、旧モデルは在庫限りの特価販売も多いです。特にサイズが限られるため、見つけた時が買い時といえるでしょう。
どのモデルが自分に合うかを見極める
選び方のポイントは、自分の競技スタイルと目的を明確にすることです。
- 大会で勝ちたい/記録を狙いたい人
→ JAVELIN PRO 4。安定性・反発性ともに最高レベル。 - 練習中心・これから始めたい人
→ JAVELIN PRO 2や旧モデル。価格を抑えつつも基本性能は十分。 - 安定感重視の選手
→ ソールがしっかりしたモデルを選ぶ。フラット構造があるJAVELIN PRO 4シリーズは最適。
自分の投げ方や助走スピードによっても相性は変わるため、可能なら店頭で試し履きをするのがベストです。
まとめ|アシックスのやり投げスパイクで安定と飛距離を両立
やり投げは一瞬の力の伝達が勝負を分ける競技です。その動きを支えるスパイクこそ、記録を伸ばすための重要な相棒。JAVELIN PRO 4シリーズは、ブロックの安定感、助走時の軽さ、足へのフィット感すべてにおいて高い評価を得ています。
中でも「JAVELIN PRO 4」は、現行のやり投げスパイクとして完成度が非常に高く、トップ選手から学生まで幅広く愛用されています。一方で、旧モデルの「JAVELIN PRO 2」などもコストを抑えて実戦的な性能を得られる魅力的な選択肢です。
自分のレベルや競技環境に合わせて最適な一足を選べば、助走のスピード、ブロックの安定、リリースの力すべてが変わります。アシックスのやり投げスパイクで、次の記録更新を目指してみてください。


