音楽とファッションが交わる瞬間って、やっぱり特別だ。
2025年3月、ASICS(アシックス)と「ずっと真夜中でいいのに。」(通称・ずとまよ)が発表したコラボスニーカー「GEL-KAYANO 14 × ZUTOMAYO」は、まさにその象徴的な一足だった。
この記事では、この話題のコラボの魅力、デザイン、入手方法、そしてなぜここまで注目を集めているのかを徹底的に掘り下げていく。
ずとまよ×ASICS、異色のコラボが生まれた背景
ずとまよは、顔を出さないボーカルACAねを中心とする音楽ユニット。ミステリアスな存在感と、繊細でエッジの効いた音楽性で若い世代を中心に絶大な人気を誇る。
一方のASICSは、言わずと知れた日本発のスポーツブランド。近年では「ASICS SportStyle」を軸に、ストリートファッションにも通用するライフスタイルスニーカーを次々と展開している。
そんな両者の共通点は、「機能と美学を両立させる姿勢」だ。
ずとまよが音で世界観を構築するように、ASICSはテクノロジーで快適性とデザインを融合させてきた。
その2つの感性が交わることで、「履けるアート」としてのスニーカーが誕生したのだ。
ベースモデルはGEL-KAYANO 14──レトロ×テックの融合
コラボモデルのベースとなったのは、2008年に登場した「GEL-KAYANO 14」。
ランニングシューズとして名高いこのモデルは、ASICSの衝撃吸収技術「GEL」を搭載しつつ、90年代を思わせるボリューム感のあるデザインが人気の理由だ。
今回のコラボでは、その機能性はそのままに、ずとまよの世界観を重ね合わせた。
メタリックな光沢、細部にまで施されたテクスチャー、そして側面に光る“ZTMY”タグ。
アーティストの美学がスニーカーというキャンバスの上で息づいている。
さらに特筆すべきはカラーリング。
・GRAPHITE GREY / PHANTOM(ブラック系)
・IVORY / GREENERY(アイボリー×グリーン系)
の2色展開で、それぞれが全く違う印象を持つ。
黒は夜の都市のような無機質な美しさ、アイボリーは曇り空の柔らかさを感じさせる。どちらも“ずとまよらしさ”を絶妙に表現している。
世界観を落とし込んだディテールと特典
このコラボのテーマは「Decadent(退廃)」「Analog(アナログ)」「Complexity(複雑)」「Tech(テック)」「Living(生活)」。
一見相反する概念が、デザインの中で調和している。
シュータンやソールに潜むグラフィック、付属のシューレース、さらには限定のピンズセットなど、細部まで世界観が徹底されている。
とくにピンズはZUTOMAYO MART限定の購入特典で、ファンにとっては“記念品以上の価値”を持つ存在だ。
アシックスが得意とする「実用性」と、ずとまよが描く「非日常感」。
その2つを同時に楽しめるのが、このモデルの最大の魅力といえる。
入手方法と発売スケジュール
「GEL-KAYANO 14 × ZUTOMAYO」は2025年3月13日に発売された。
販売チャネルは以下の通り。
・ZUTOMAYO MART(公式通販)
・ASICS公式オンラインストア
・一部ASICS直営店舗
発売前には抽選販売や先行予約が行われ、発売直後に完売サイズが続出。
SNSでも「数分で売り切れた」「抽選外れた」といった声が多数投稿され、希少性の高さが際立った。
サイズ展開は23.0cmから30.0cmまで(0.5cm刻み)。
一部オンライン限定で31.0cmも用意されており、男女問わず幅広い層に対応している。
価格は税込30,800円。ASICSのプレミアムラインらしい、クオリティに見合った価格設定だ。
現在の流通状況とリセール市場
発売直後から市場では高い人気を見せ、フリマアプリやスニーカーマーケットでは定価を上回る価格で取引されている。
新品未使用でピンズ付きのセットは、5万円台〜10万円台で出品されることもある。
ただし、転売目的の販売や偽物も確認されているため、購入する際は公式ストアや信頼できるマーケットを利用することが重要だ。
また、アシックス直営店での再販や追加リリースは現時点で未定。
欲しい人は公式SNSやずとまよ公式サイトをこまめにチェックしておくといい。
なぜこのコラボが注目されるのか
1. 音楽とファッションの共鳴
ずとまよは音楽だけでなく、アートワークやMV、ライブ演出まで含めた“世界観アーティスト”。
その世界観をスニーカーで表現したことで、ファッションとしても音楽としても「体験できるカルチャー」に進化した。
2. 日本発×日本発のリアルなコラボ
海外ブランドとのコラボが主流の中で、日本ブランド同士のタッグは珍しい。
グローバル市場を意識しつつも、日本人の感性に寄り添うデザインが、多くのファンに刺さった。
3. 限定性とストーリー性
販売数が少なく、ピンズ付きなどの特典も相まって希少価値が高い。
“限定”という言葉以上に、「持っていること自体が特別」な意味を持つ。
スニーカーというモノを超えて、“物語を身につける”体験がそこにある。
コーディネートのポイント
ずとまよコラボモデルは存在感が強いが、意外とスタイリングに馴染む。
ブラック系ならモノトーンやテック系ファッションに、アイボリー系ならカジュアルやY2Kライクなコーデに合わせやすい。
厚めのソールでスタイルアップ効果もあり、ユニセックスに履けるのも魅力だ。
ライブ参戦やストリートシーンはもちろん、普段履きにも十分通用する。
「音楽を身につける」という感覚で選ぶと、コーデが一段と楽しくなる。
今後の展開と期待
ASICSはここ数年、Kiko Kostadinov、Vivienne Westwood、Junya Watanabeなど、ファッション寄りのコラボを数多く展開してきた。
その流れの中で、今回の「ずとまよコラボ」は“日本カルチャーの新しい軸”として位置づけられる可能性が高い。
この成功をきっかけに、今後もアーティストコラボシリーズが増えると予想される。
もし続編や別デザインが登場すれば、また瞬く間に話題をさらうだろう。
アシックス×ずとまよコラボの魅力とは?入手方法や限定デザインを徹底解説
ASICSとずとまよのコラボは、単なる「限定スニーカー」ではない。
音楽、アート、ファッション、そして“個性を表現する手段”が融合した、ひとつのカルチャー作品だ。
GEL-KAYANO 14 × ZUTOMAYOは、「履くこと」そのものが体験になる。
ファンでなくても、その完成度と物語性に引き込まれる人は多いはずだ。
これからのファッションは、機能でも価格でもなく、“物語で選ぶ時代”。
そしてこのコラボは、その象徴的な一歩として記憶に残るだろう。


