「アシックス 4E」と聞くと、なんとなく“幅が広い靴”というイメージを持つ人が多いですよね。でも実際のところ、4Eとはどんな基準を指すのか、そして普通幅とどう違うのかを正確に理解している人は少ないかもしれません。この記事では、アシックスのシューズ選びで重要な「ワイズ(足囲)」の考え方をベースに、4Eモデルの特徴やメリット、選び方のコツまでをわかりやすく解説します。
4Eとは何か?アシックスの靴幅(ワイズ)を理解しよう
まず、「4E」というのは靴の“幅”を示す表記のひとつです。正確には「ワイズ」または「足囲」と呼ばれ、足の親指の付け根と小指の付け根を結んだ部分をぐるっと一周測った長さのこと。Eが増えるほど、その足囲が大きく、つまり幅が広いという意味になります。
日本工業規格(JIS)では、C・D・E・2E・3E・4Eと段階的にサイズが広がっていきます。一般的に男性なら「E〜2E」が標準幅とされ、それよりもさらに広いのが「3E」や「4E」です。アシックスでは「4E=エクストラワイド(Extra Wide)」として、甲高・幅広の足に対応する設計になっています。
普通幅(2E)との違いはどこにある?
「標準幅」とされる2Eと4Eでは、見た目以上に履き心地が異なります。
● 足の圧迫感の違い
2Eの靴は一般的な日本人の足型にフィットするよう作られていますが、幅広・甲高の人が履くと、小指側や甲部分に圧迫を感じることがあります。4Eはこの圧迫を軽減し、つま先から甲までゆったりと包み込むようなフィット感を実現します。
● 前足部の空間
4Eはつま先から足のボールジョイント部分(親指の付け根あたり)にかけて余裕を持たせています。これにより、指を自然に広げて歩けるので、長時間履いても疲れにくいという特徴があります。
● 見た目のシルエット
4Eモデルは全体的にゆとりがある分、見た目がやや丸みを帯びる傾向があります。スタイリッシュさを重視するなら標準幅、履き心地優先なら4Eという選び方も一案です。
どんな人にアシックス4Eが向いている?
自分の足に4Eが合うかどうかを判断するには、足囲の測定がもっとも確実です。とはいえ、目安として次のような特徴がある人は、4Eモデルを試す価値があります。
- 足の幅が広く、標準幅だと小指や親指が当たる
- 甲が高く、紐を緩めても圧迫感が残る
- むくみやすく、夕方になると靴がきつく感じる
- 長時間歩くと足の側面が痛くなる
- 普段の靴でつま先に窮屈さを感じる
こうした悩みを抱えている場合、4Eのシューズは圧迫感を減らし、快適に歩ける可能性が高いです。
アシックスの4Eモデルに多い特徴
アシックスの靴は日本人の足型を研究して作られており、ワイズ展開が豊富です。その中でも4Eモデルは、特に「快適性」と「安定感」に重点を置いています。
● ゆとりのあるラスト設計
4Eモデルには、足幅だけでなく甲の高さにも余裕を持たせた「ワイドラスト」が採用されています。足全体のボリュームを受け止める設計で、締めつけ感が少なく自然な履き心地です。
● クッション性と安定性の両立
幅広靴はどうしても“緩い”印象を持たれがちですが、アシックスではミッドソールの素材やヒールカウンターを工夫し、安定感を保ちながらも快適に歩けるよう設計されています。特にウォーキングシューズやビジネスウォーク系でその傾向が顕著です。
● 豊富なモデル展開
ランニングモデルでは「JOLT 4」「GT-1000」などにワイド設定があり、ウォーキングでは「Pedala」「Runwalk」「ライフウォーカー」など多くのシリーズが4E対応。通勤から日常、健康目的のウォーキングまで幅広くカバーしています。
4Eを選ぶメリットと注意点
メリット
- 長時間履いても疲れにくい
足の締めつけが少ないため、通勤や仕事など長時間の歩行でも快適。 - 外反母趾やむくみ対策に役立つ
圧迫による痛みを軽減し、足指を自然に広げられる。 - 靴擦れ防止
特に側面や甲部分の圧迫を防ぎ、摩擦トラブルを減らせる。
注意点
- サイズを上げすぎないこと
幅が広いからといって大きめサイズを選ぶと、かえって足が靴の中で動きすぎ、靴ずれやかかと浮きの原因になります。 - スポーツ用途には注意
ランニングやトレーニングでは、フィット感が甘くなると安定性が下がることがあります。4Eよりも「ワイド(2E〜3E)」の方が適しているケースもあります。 - 必ず試着を
同じ4Eでもモデルによって木型が異なるため、実際に履いてフィット感を確認するのがベストです。
自分に合うワイズを見つける方法
- 足囲を測る
メジャーを使って、親指の付け根と小指の付け根をぐるっと一周させて測ります。体重をかけた状態で測ると、実際の着用時に近いデータが取れます。 - メーカーのサイズ表と照らし合わせる
アシックスの公式サイトでは、足長と足囲の数値からワイズを確認できます。自分がEなのか2Eなのか、3E・4Eなのかを数値で把握しましょう。 - 試着で歩いてみる
履いて立ち上がり、軽く歩いたときの圧迫感や前後の動きをチェック。特に小指側と甲の部分に余裕があるかを確認します。
日本人に4Eが必要とされる理由
日本人の足型は欧米人と比べて幅広・甲高が多いとされています。そのため、海外ブランドの「スタンダード」幅では窮屈に感じるケースが多いのです。アシックスは国内メーカーとして日本人の足形をベースに開発しているため、E〜4Eと幅広いラインナップを展開しています。
特に年齢を重ねると、筋力の低下やむくみなどで足囲が大きくなりやすく、若いころは2Eでよかった人も4Eの方が快適になるケースがあります。自分の足は年齢とともに変化する──その前提で定期的に見直すことが大切です。
4Eシューズの上手な選び方
アシックス4Eモデルを選ぶ際は、次のポイントを意識しましょう。
- 用途を明確にする
日常使いならゆったり目の4E、スポーツ中心なら2E〜3Eが無難。 - フィット感を重視する
つま先に5〜10mm程度の余裕があり、足の側面に圧迫感がない状態が理想。 - 足の状態を考慮する
外反母趾やむくみ体質なら、4Eや柔らかめの素材を選ぶと快適。 - 中敷きや靴下で微調整
少し緩いと感じる場合は、厚めのインソールやソックスで調整も可能です。
まとめ:アシックス4Eとは?快適さを求める人の強い味方
アシックスの4Eとは、幅広・甲高の足に合わせた“エクストラワイド”設計のこと。標準幅(2E)では窮屈に感じる人にとって、4Eモデルは快適さと安定感を両立した心強い選択肢です。
ただし、4Eはあくまで“幅の目安”であり、必ずしも全員にフィットするわけではありません。靴選びで大切なのは、自分の足囲を測り、実際に履いて歩いて確かめること。目的に合ったワイズを選べば、日常もスポーツも、もっと快適に過ごせるはずです。
自分の足を知り、正しいサイズを選ぶ。それが、最高の1足に出会うための第一歩です。


