アシックスの靴を選ぶときに「GEL-NIMBUS」や「GEL-KAYANO」といった表記を目にしたことがある人は多いと思います。
この「2E」というのは、単なるサイズ表記ではなく「足の幅(ワイズ)」を示す大切な指標です。
とはいえ、「Eの数が多いほど広い」くらいの理解で止まっている人も多いはず。そこで今回は、アシックスの2Eモデルとは何か、その基準やフィット感、そして選び方のコツまでを詳しく解説します。
アシックスの「2E」はどんな意味?ワイズ表記の基本
まず知っておきたいのが、靴のサイズには「長さ(足長)」と「幅(足囲・ワイズ)」があるということ。
日本ではJIS(日本工業規格)に基づいて、足の周囲の長さ=足囲をもとに「E」「2E」「3E」「4E」といった区分が設定されています。
Eが1つ増えるごとに、足囲が約5mmずつ広くなるイメージ。
つまり、「2E」はEよりも少し幅が広く、「3E」「4E」と続くほどゆとりが増します。
アシックスではこのワイズ表記をもとに、「STANDARD(標準)」「WIDE(やや広め)」「EXTRA WIDE(もっと広め)」などのタイプ分けも行っており、2Eは一般的に“標準〜やや広め”の幅に該当します。日本人の足型に最も多いタイプと言われ、最初に試すべき基本のワイズです。
足囲とは?「幅」とは違う重要な指標
「2E」と聞くと「幅広」と思いがちですが、正確には“足囲”という「ぐるりとした周囲の長さ」を指します。
親指の付け根と小指の付け根をぐるっと一周させた長さが足囲。
単に足の横幅だけではなく、甲の高さや足の厚みも含めた立体的な指標なのです。
そのため、同じ2Eでも「幅は広いけれど甲が低い人」と「幅は普通だけど甲が高い人」では、履き心地がまったく異なることもあります。
アシックスの公式サイトでも、足長と足囲の両方を測定することが推奨されています。自宅でもメジャーがあれば簡単に測れるので、まずは自分の足囲を正確に知ることから始めましょう。
2Eはどんな人に合う?日本人の平均的な足にフィット
2Eは、多くの日本人にとって“ちょうどよい幅”に位置します。
一般的な成人男性・女性ともに、足囲の平均値がこの2E前後にあたるため、アシックスの多くのモデルがこの規格をベースに設計されています。
- 足の形が標準的で、特に幅広・甲高ではない
- 普段からスニーカーやビジネスシューズで「きつくもゆるくもない」履き心地が好き
- ランニングやウォーキングで安定感とホールド感のバランスを重視したい
こうした人にとって、2Eモデルは最も快適で自然なフィット感を得やすい選択肢です。
逆に、足幅がかなり広い人や、甲が高くむくみやすい人には、3Eや4Eのほうが適している場合もあります。
アシックスの2Eモデルで感じるフィット感の特徴
アシックスの靴は、もともと日本人の足型を研究して作られているため、2Eでも比較的ゆとりを感じやすい構造です。
それでも他メーカーに比べると、ややタイトめな印象を受ける人もいます。これは、足をしっかりホールドしてブレを防ぐ設計思想があるためです。
2Eモデルの主な特徴を挙げると――
- 横方向に適度なゆとりがあり、指が自由に動かせる
- 甲部分がしっかりフィットして安定感がある
- 長時間歩いてもかかとが浮きにくく、疲れにくい
- フィット感と安定性のバランスが良く、汎用性が高い
このように、2Eは「締め付けすぎず、緩すぎない」黄金バランス。
特にウォーキングや通勤用、ランニング初心者にとって扱いやすいフィット感です。
同じ「2E」でも違う?カテゴリーごとの差に注意
実は、アシックスの靴でもカテゴリーによって2Eの感覚は少し異なります。
ランニングシューズ、ウォーキングシューズ、ビジネスシューズ、安全靴では、採用されている木型や設計目的が違うからです。
- ランニングシューズ:走行中のブレを防ぐため、ややタイトな作り。2Eでもやや細めに感じることが多い。
- ウォーキングシューズ:長時間歩行を想定し、幅にゆとりを持たせている傾向。2Eでも比較的快適。
- ビジネス・カジュアルシューズ:見た目重視でやや細身に設計されることが多く、試着は必須。
- 安全靴シリーズ:厚手ソックスを想定しており、2Eでも若干ゆとりがある構造が多い。
つまり、2E=同じ幅ではないということ。
購入前には「同じワイズでもモデルによって履き心地が変わる」という前提を意識しておくことが大切です。
2Eと他のワイズ(E・3E・4E)との違い
E → 2E → 3E → 4E と、Eの数が増えるほど幅が広がります。
Eはやや細め、2Eが標準、3Eがやや広め、4Eはエクストラワイドというイメージです。
- E(やや細め):欧米人や細身の足型向け。タイトフィット。
- 2E(標準):日本人の平均。安定性とフィット感のバランスがよい。
- 3E(やや広め):甲高・幅広タイプ向け。長時間でも圧迫感が少ない。
- 4E(超ワイド):むくみやすい人や足幅が非常に広い人におすすめ。
足囲は季節や時間帯によっても変化するため、「夕方に試す」「靴下を履いた状態で試着する」など、実際の使用条件に近い環境でチェックすると失敗しにくいです。
自分に合う2Eかどうかを見極める方法
実際に履いてみて「ちょうどいい」と感じても、すぐに長時間歩くと痛みを感じることがあります。
そこで、試着時には次のポイントをチェックしましょう。
- つま先に1cm前後の余裕があるか
指が自然に動くくらいがベスト。余裕がなさすぎると爪や指先に圧迫がかかります。 - 小指や親指の付け根が圧迫されていないか
足囲が合っていないと、靴のサイドに痛みを感じやすいです。 - 甲部分がきつすぎないか
靴紐を締めた状態で甲が苦しい場合、ワイズを1段階広げるのが理想。 - 歩いたときにかかとが浮かないか
ゆるすぎると靴擦れの原因になるため、かかとフィットも重要です。
これらを満たしていれば、その靴の2Eは自分の足に合っている可能性が高いです。
もしどこかに違和感を感じたら、3EやWIDEタイプを試すとよいでしょう。
アシックスの2Eモデルを選ぶときのコツ
アシックスには、多くの2Eモデルがラインアップされています。
たとえば、ランニングシューズでは「GEL-NIMBUS」「GEL-KAYANO」「MAGIC SPEED」などが代表的。
いずれもフィット性と安定性のバランスが高く評価されています。
2Eモデルを選ぶ際のポイントは次の3つ。
- 「足長+足囲」で選ぶこと:サイズだけでなくワイズ表を必ず確認。
- 「用途に合わせること」:ランニング用、ウォーキング用、カジュアル用でフィット感が変わる。
- 「試着・返品制度を活用すること」:オンライン購入でもサイズ交換サービスを利用すれば安心。
この3つを意識すれば、2Eモデル選びで失敗する確率はぐっと下がります。
2Eモデルを快適に履くためのメンテナンスと注意点
どんな靴でも、履き方次第でフィット感は大きく変わります。
アシックスの2Eモデルを長く快適に使うために、次のような工夫もおすすめです。
- 靴紐の締め方を調整する:足の甲や幅に合わせて締め具合を微調整すると、圧迫感が減り、靴擦れを防げます。
- インソールを活用する:もし2Eが少しゆるく感じるなら、薄めの中敷きを入れることでフィットを補正可能。
- 靴をローテーションする:1足を毎日履き続けると、靴が湿気を吸って変形しやすくなります。2〜3足を交互に使うのが理想的。
- 午後や夕方にサイズを確認する:足がむくんでいる時間帯のほうが実際のサイズに近い。
このように「履く環境」「時間帯」「靴紐の締め方」を意識するだけで、同じ2Eでも履き心地がまるで変わります。
アシックスの2Eモデルとは?幅の基準やフィット感を再確認
最後にもう一度まとめると、「2E」は日本人の足に最も多い平均的な幅を示すワイズです。
アシックスの靴は、この2Eを基準に作られているものが多く、標準的な足型の人には最もフィットしやすい設計になっています。
ただし、足囲は人によって微妙に異なり、同じ2Eでもモデルやカテゴリによって履き心地が変わります。
購入の際は「足囲を測る」「試着する」「使用シーンを想定する」――この3つを押さえるだけで、満足度は大きく変わります。
2Eモデルは、フィット感・安定感・履き心地のバランスに優れた万能タイプ。
自分の足に合ったアシックスの2Eを選ぶことで、日常の歩行もランニングも、もっと快適に、もっと軽やかに楽しめるはずです。


