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アシックスのマークに込められた意味とは?ブランドロゴの歴史とデザインの由来を解説

アシックスのマークを見たことがある人は多いでしょう。でも、その形や色にどんな意味が込められているか、意外と知られていないかもしれません。シンプルな青いラインや、小文字の「a」のような形には、実は深いブランド哲学と長い歴史が隠されています。今回は、アシックスのロゴに込められた意味や、そのデザインの変遷をわかりやすく紹介します。


アシックスという名前の由来とブランド理念

まず、アシックスという社名自体が特別な意味を持っています。
この名前は、ラテン語の「Anima Sana In Corpore Sano(アニマ・サナ・イン・コルポレ・サノ)」の頭文字を取ったもの。日本語に訳すと「健全な身体に健全な精神が宿る」という意味になります。

創業者の鬼塚喜八郎氏は、スポーツを通じて人々が健康で前向きに生きられる社会をつくりたいと願っていました。この理念こそがアシックスの原点であり、今もなおブランドの核になっています。
つまり、アシックスのマークやロゴは「心と体のバランスを整える」という想いを、視覚的に表した象徴なのです。


アシックスのロゴが誕生するまでの歴史

アシックスが誕生したのは1977年。
鬼塚商会(オニツカタイガー)と、ジィティオ商事、ジィティオ工業の3社が合併して「アシックス株式会社」が設立されました。ブランド名だけでなく、ロゴもこのときに新しくデザインされます。

初期のロゴは「ASICS」というシンプルな文字だけのデザイン。力強いサンセリフ体のフォントが使われ、スポーツブランドらしい信頼感と安定感を感じさせました。
その後、1980年代に入ると書体が少し細くなり、より洗練された印象に変化していきます。

1990年代に入ると、現在のアシックスを象徴する小文字の「a」をモチーフにしたシンボルマークが登場します。ここから、アシックスのブランドアイデンティティが確立されていきました。


小文字の「a」に込められた意味

現在のアシックスのロゴで特に印象的なのが、小文字の「a」をモチーフにしたシンボルマーク。
このデザインにはいくつかの意味が込められています。

  1. スピードと躍動感
     マーク全体が円を描くような流線形で構成されており、スポーツにおける動きやスピード感を表現しています。
     走る、跳ぶ、進むといった人間の「動き」を象徴する形として設計されているのです。
  2. 無限の可能性
     「a」の曲線はスパイラル(渦巻き)をイメージしており、成長や発展、無限の広がりを表現しています。
     ブランドとして常に進化し続けるアシックスの姿勢を象徴しています。
  3. 親しみやすさと柔らかさ
     小文字の「a」を採用した理由のひとつは、ブランドをより親しみやすく見せるため。
     大文字よりも柔らかく、スポーツを通じて誰もが参加できる開かれたブランドであることを伝えています。

このように、単なる文字ではなく、「未来へと走り続けるアシックス」というブランドメッセージが形になっているのです。


青いラインとフォントに込められた意味

アシックスのロゴといえば、深みのあるブルーが印象的です。
この色には「誠実」「信頼」「冷静」「プロフェッショナリズム」といった意味が込められています。スポーツブランドとしての信頼性と、挑戦に向き合う真摯な姿勢を象徴するカラーです。

さらに、ロゴの文字部分は右上がりのイタリック体になっており、前進やスピード感を表現しています。
止まることなく進化し続けるブランドとしての意志を、タイポグラフィの傾きで示しているのです。

つまり、アシックスのロゴ全体が「動き」「前進」「信頼」という3つの要素を同時に伝えるようデザインされています。


アシックスロゴの進化と時代背景

アシックスのロゴは、誕生から現在に至るまで少しずつ進化を遂げてきました。

  • 1977年:初代ロゴが誕生。サンセリフ体のシンプルなワードマーク。
  • 1987年:フォントを細く変更し、軽やかな印象に。
  • 1992年:シンボルマーク「a」が追加され、現在のデザインの原型が完成。
  • 2003年:フォントや配色をリニューアル。グローバル展開を見据えたモダンなスタイルに進化。

この流れを見ると、アシックスは単にデザインを変えたのではなく、時代やブランドの方向性に合わせて「どう見せるか」を常に再設計してきたことがわかります。
特に2000年代以降は、海外市場でも通用するよう、視覚的にも洗練された印象を重視しています。


ロゴに込められた「健全な身体と精神」の哲学

アシックスが最も大切にしているのは、「Anima Sana In Corpore Sano(健全な身体に健全な精神)」という理念です。
この言葉は単なるスローガンではなく、ブランドの存在理由そのもの。スポーツを通して、身体だけでなく心も健やかであってほしいという願いが込められています。

ロゴの曲線や色合い、書体の傾きなど、すべてがその哲学と結びついています。
ブランドロゴが変わっても、この理念だけは一貫して変わらず、今もアシックスの原動力になっています。


オニツカタイガーとの関係とロゴの使い分け

アシックスの原点は、戦後の日本で誕生した「オニツカタイガー」です。
オニツカタイガーは現在もライフスタイルブランドとして独自に展開していますが、そのデザインやスピリットはアシックスと深くつながっています。

オニツカタイガーのロゴは、クラシックな「Onitsuka Tiger」表記を使用し、レトロな雰囲気を強調。
一方のアシックスは、よりスポーティでモダンな印象を重視。両ブランドのロゴデザインには明確な方向性の違いがあるのです。

この使い分けにより、アシックスは競技スポーツ分野、オニツカタイガーはファッションやライフスタイル分野と、互いの強みを活かしたブランド戦略を展開しています。


アシックスのロゴが伝えるブランドストーリー

アシックスのマークを見れば、単なる企業のシンボルではなく「ストーリーを語るデザイン」であることがわかります。
そこには、以下のようなメッセージが込められています。

  • スポーツを通じて、心も体も健やかに。
  • 限界に挑み、前へ進み続ける。
  • 人と社会をポジティブに変えていく力を信じる。

こうした普遍的な価値観が、シンプルなロゴの中に凝縮されているのです。
ブランドが持つ歴史と理念を、視覚的に一瞬で伝えることができる。それがアシックスのマークの最大の魅力です。


アシックスのマークに込められた意味とは

アシックスのマークは、「健全な身体と精神」という哲学を起点に、スピード・成長・信頼を表現するために作られたデザインです。
小文字の「a」に込められた動きと無限の象徴、深い青が示す誠実さ、そして前進を感じさせる傾斜フォント。
それぞれが組み合わさることで、アシックスというブランドの世界観を体現しています。

ロゴのデザインが変わっても、その根底にある想いは変わりません。
スポーツを通じて人々の心と体を健康に導く――アシックスのマークは、その理念をこれからも走り続けるように伝え続けていくのです。

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