オニツカタイガーといえば、クラシックで上品なデザインと、日本ブランドならではの職人技が融合したスニーカーとして知られています。その中でも特に注目されるのが「赤ライン」のモデル。この記事では、赤ラインがどのように誕生し、どんな意味を持ち、どんなモデルに採用されているのかを詳しく紹介していきます。
オニツカタイガーの赤ラインが誕生した背景
赤ラインは、単なるデザイン上のアクセントではありません。実はオニツカタイガーの象徴的な「タイガーストライプ」の一部として、ブランドの歴史と深く関わっています。
タイガーストライプが初めて登場したのは1966年。当時はメキシコオリンピックに向けたトレーニングシューズとして開発された「LIMBER UP」の改良版がその原点でした。この時期、世界の舞台で日本ブランドの存在感を示すために、「一目でわかるデザイン」が求められていたのです。そこで生まれたのが、流れるようなストライプデザインであり、これが後のオニツカタイガーの象徴になりました。
その後、1968年のメキシコシティオリンピックでは、このストライプを施したシューズが日本代表選手に提供され、世界的な注目を浴びます。中でも赤ラインを採用したモデルは、日本らしい情熱とエネルギーを象徴する色として人気を集めました。
赤ラインが象徴する意味とデザインの魅力
赤はオニツカタイガーにとって、ブランドの情熱や挑戦の象徴です。白やネイビーのベースカラーに赤のストライプを重ねることで、視覚的なコントラストが際立ち、クラシックでありながらファッション性の高い印象を与えます。
また、赤は単なる差し色にとどまらず、履く人の個性を引き出す色としても注目されています。派手すぎない上品なトーンの赤を採用しているため、ヴィンテージ感とモダンさの両方を感じられるのが特徴です。最近ではレトロスニーカーブームの影響もあり、赤ラインモデルは再び脚光を浴びています。
代表的な赤ラインモデル①:MEXICO 66
赤ラインモデルの代表格といえば、やはり「MEXICO 66(メキシコ 66)」でしょう。
このモデルは1966年に誕生し、オニツカタイガーのタイガーストライプを初めて採用した歴史的シューズです。
細身のフォルムと軽量な作りが特徴で、ランニングシューズとしての機能性だけでなく、ファッションアイテムとしても高い人気を誇ります。
赤ラインが施されたモデルは、白ベースに赤ストライプ、あるいは赤ベースに白ストライプなど、配色によって印象が大きく変わります。
スタイルの幅広さも魅力で、デニムにもスラックスにも合わせやすく、シンプルな服装の中にさりげなくアクセントを加えることができます。オニツカタイガーの赤ラインを象徴する永遠の定番モデルです。
代表的な赤ラインモデル②:クラシックランニングシリーズ
MEXICO 66 以外にも、オニツカタイガーのクラシックランニング系モデルには赤ラインを取り入れたものが数多く存在します。
たとえば「Serrano」や「California 78」といったモデルは、1970年代のランニングシューズをベースにしており、当時のスポーティな雰囲気を残しつつ現代のライフスタイルに合わせてアップデートされています。
これらのモデルでは、赤ラインがシューズ全体の印象を引き締め、ヴィンテージ感をより際立たせます。カジュアルスタイルだけでなく、モードなコーディネートにもマッチするため、幅広い層に支持されています。
代表的な赤ラインモデル③:レッドコレクション(Red Collection)
2024年、オニツカタイガーはブランド創業75周年を記念して、「Red Collection(レッドコレクション)」を発表しました。
このコレクションは、ブランドの象徴である赤をテーマに据えた特別なラインで、過去の名作モデルを現代風に再構築したものです。
MEXICO 66をはじめとする代表モデルをベースに、素材やカッティング、シルエットを改良し、より高級感のあるデザインに仕上げています。
この取り組みは、オニツカタイガーが「伝統と革新をつなぐブランド」であることを改めて示すものであり、赤ラインがブランドの核心的存在であることを象徴しています。
赤ラインモデルを選ぶときのポイント
赤ラインモデルを選ぶ際のポイントはいくつかあります。
- ベースカラーとのバランスを見る
白やベージュのベースに赤ラインを合わせたモデルは、清潔感と上品さを演出します。
一方で黒やネイビーをベースにしたモデルは、赤のラインがより際立ち、力強い印象になります。 - 用途に合わせたモデル選び
普段使いならMEXICO 66やSerranoのような軽量タイプ、長時間の外出や旅行ならGSMなどの安定感あるモデルがおすすめです。 - コーディネートのアクセントに使う
赤は足元に視線を集めやすい色。モノトーンやアースカラーの服装に合わせると、自然におしゃれ感を演出できます。 - 素材にも注目する
レザー、スエード、キャンバスなど素材によって赤の発色が異なります。カジュアル派はキャンバス、上品に見せたい人はレザーがおすすめです。
今なぜ赤ラインが再注目されているのか
近年、ファッション業界では“原点回帰”や“レトロリバイバル”の流れが強まっています。
その中で、オニツカタイガーのように歴史あるブランドのアーカイブデザインが再評価されているのです。
特に赤ラインモデルは、1960〜70年代のスポーツカルチャーを現代に再現する存在として人気が高まっています。
また、シンプルな服装に一点だけ色を取り入れる「ワンポイントコーデ」がトレンドとなっており、赤ラインモデルはその流れにぴったり。
さらに、2024年のレッドコレクション発表によって、オニツカタイガーの赤ラインはブランドメッセージそのものとして位置づけられました。過去の遺産をリスペクトしながら、現代のファッションに調和する象徴的存在になっているのです。
オニツカタイガーの赤ラインモデルで感じる“歴史と今”
オニツカタイガーの赤ラインモデルは、単なるスニーカーではありません。
それはブランドが築いてきた「歴史」「技術」「美意識」を凝縮した存在です。
1966年の誕生から半世紀以上が経った今でも、そのデザインは古びることなく、多くの人々の足元を彩り続けています。
特に赤ラインは、ブランドの情熱と日本のクラフトマンシップを象徴するディテール。
一足の中にストーリーが詰まっており、履く人自身のスタイルや生き方までも表現できるのが魅力です。
オニツカタイガーの赤ラインモデルを通じて、あなたもその歴史と情熱を感じてみてください。
そしてきっと、その一歩が新しいファッションの楽しみを広げてくれるはずです。


