「オニツカタイガーと山下智久」──この組み合わせにピンとくる人も多いはず。俳優・アーティストとして活躍する山下智久さんは、ファッションにもこだわりがあり、その中でもスニーカーに対して強い情熱を持つことで知られています。そんな彼と日本を代表するスニーカーブランド、オニツカタイガーがタッグを組んだのは2019年。ブランド誕生70周年の節目に生まれた特別なコラボレーションは、単なる有名人起用ではなく、「共創」という形で話題を呼びました。この記事では、その背景やコラボモデルの魅力、さらに両者の関係性の深さを掘り下げていきます。
山下智久が語る“スニーカー愛”とファッション感覚
山下智久さんは、俳優・アーティストという枠を越え、常に自分の感性をファッションで表現してきた人です。インタビューでは、「限定モデルやコラボものに惹かれる」と語っており、ただ履くだけでなく“ストーリーのあるスニーカー”を好む傾向があります。
彼にとってスニーカーは単なるファッションアイテムではなく、自分の歩んできた道を象徴するような存在。旅や出会いの中で変化していく「自分らしさ」を映し出すツールとして、靴を選ぶ感性が非常に豊かです。こうした価値観が、オニツカタイガーの理念と重なっていきます。
オニツカタイガーの70周年記念プロジェクト
1949年創業のオニツカタイガーは、2019年に70周年を迎えました。この節目にあたり、ブランドは国内外のデザイナーやアーティスト7名との特別コラボレーションを発表。そのラストを飾ったのが、山下智久さんとのコラボモデルです。
オニツカタイガーが山下さんを起用した理由について、ブランド側は「彼の多面的な活動やクリエイティブな姿勢に共感した」とコメント。世界で活躍しながらも日本的な感性を大切にする姿勢は、オニツカタイガーが持つ“伝統と革新”のブランド精神とぴったり重なっていました。
コラボモデル「RINKAN BOOT × TOMOHISA YAMASHITA」
このコラボで生まれた特別モデルが「RINKAN BOOT × TOMOHISA YAMASHITA」です。
ベースとなったのは、オニツカタイガーのアーカイブモデル「RINKAN BOOT」。山下さんの意見を反映し、筒丈を3センチほど長くし、シューレースホールを1つ追加。素材には上質なピッグスキンヌバックを使用し、カラーは純白。全体を通して、シンプルながら洗練された印象に仕上げられています。
この「オールホワイト」のカラーリングには、山下さん自身の想いが込められています。
「白は何色にも染まっていない色。旅をしながら、たくさんの経験や出会いを通して、自分色に染めていく──そんな思いをこの靴に託しました。」
まさに彼の人生観そのものが形になった一足といえるでしょう。
さらに、アウトソールには「Go Forward(前進)」を意味する“GFWD”の文字が総柄でプリントされ、歩くたびに“前に進む力”を象徴するデザインとなっています。
反射素材を使ったリフレクター仕様のロープレースや、特別なグラフィックをあしらったシューズボックスなど、細部までこだわり抜かれた仕様も注目ポイントです。
発売は2019年12月26日。価格は18,000円(税別)で、数量限定のコレクションとして展開されました。発売当時はオンライン・店舗ともに即完売が続出し、ファンの間では「入手困難な幻のモデル」として語り継がれています。
“Go Forward”に込めたメッセージ
このプロジェクトのキーワード「Go Forward」は、山下智久さんが大切にしている言葉でもあります。
海外での活動や音楽制作など、挑戦を恐れずに進み続ける姿勢を象徴するフレーズであり、それを靴のデザインテーマに落とし込んだのが今回のコラボレーションです。
「この靴を履く人それぞれが、自分の人生を歩みながら、自分だけの色を加えていってほしい」という彼のコメントは、ファッションを超えて“生き方”のメッセージとして多くの人の心を打ちました。
単に「タレント×ブランド」の表面的なコラボではなく、山下さん自身の人生観・世界観が投影された作品として受け止められた点に、深い共感が集まったのです。
コラボ後の展開とブランドとのつながり
山下智久さんとオニツカタイガーの関係は、この一度のコラボで終わりませんでした。
2021年には、オニツカタイガーが関わるeスポーツ企画「Intel World Open」で、山下さんが参加する動画シリーズ「TOMO’S GAME ROOM」が制作され、ブランドのデジタル領域とのコラボレーションにも発展。
また、グローバルフラッグシップストアのオープニングイベントにも山下さんが登場し、ブランドアンバサダー的な存在として再び注目を浴びました。
こうした活動からもわかるように、山下智久さんとオニツカタイガーは「一度きりのプロジェクト」に留まらず、価値観を共有するパートナーとして継続的な関係を築いていることがうかがえます。
“Go Forward”という共通のテーマを軸に、それぞれの領域で前進し続けている点が両者の強い結びつきの証といえるでしょう。
オニツカタイガーと山下智久の関係が特別な理由
このコラボが多くのファンやファッション業界に響いた理由は、単に「人気俳優がデザインした靴」という話題性だけではありません。
そこには、両者が持つ“日本的な美意識”と“グローバルに挑む姿勢”が共鳴しているからです。
オニツカタイガーは、伝統的な職人技とモダンデザインを融合させ、世界中でファンを増やしてきたブランド。
山下智久さんもまた、日本人としての誇りを胸に、海外で挑戦を続けています。
そんな二人のフィロソフィーが重なった結果として生まれたのが、RINKAN BOOT × TOMOHISA YAMASHITA なのです。
この靴を履くということは、単なるファッションではなく「自分も前に進む」という意志を持つこと。
その象徴として、今も多くのファンがこのコラボを語り継いでいます。
現在の関係と今後への期待
2025年現在、オニツカタイガーと山下智久の新たなコラボモデルの発表は確認されていません。
しかし、両者の世界観やメッセージ性を考えれば、再びタッグを組む可能性は十分にあります。
ブランドのグローバル展開が進む中で、山下さんの国際的な活動とも親和性が高く、次の“共創”がいつ実現してもおかしくありません。
ファッションは時代とともに変化しますが、「前に進み、自分色に染めていく」という彼らのテーマは決して古びることがない。
この哲学こそが、オニツカタイガーと山下智久の関係を“特別なもの”として輝かせているのです。
オニツカタイガーと山下智久の関係とは?愛用モデルやコラボ情報を紹介(まとめ)
オニツカタイガーと山下智久の関係は、単なるコラボではなく、価値観と理念が交差した“共創の物語”です。
70周年を記念して誕生した「RINKAN BOOT × TOMOHISA YAMASHITA」は、シンプルながらも深いメッセージを宿した一足。
「Go Forward」という言葉に象徴されるように、挑戦し続ける精神を体現したプロジェクトでした。
ファッションを通して人生観を語る──そんな彼のスタイルは、今も多くの人に影響を与えています。
そしてオニツカタイガーというブランドも、時代を超えて“日本から世界へ”歩み続ける存在。
この2つの軌跡が再び交わる日を、ファンは静かに、そして確信を持って待っているのかもしれません。


