オニツカタイガーと伊勢丹の関係を語るうえで欠かせないのが、「限定モデル」という存在。ファッション感度の高い人たちの間では、「伊勢丹限定のオニツカタイガー」と聞くだけでちょっと心が躍る。
では、実際にどんなモデルが登場してきたのか、なぜ伊勢丹限定は特別視されるのか、そして今どこで手に入るのか。この記事では、その背景から最新の店舗情報まで、余すことなく掘り下げていこう。
伊勢丹とオニツカタイガーの深い関係
オニツカタイガーは、日本が誇るファッションスニーカーブランド。アシックスのヘリテージを引き継ぎつつ、今では“日本発のグローバルファッションブランド”として独自の地位を築いている。
そんなブランドがなぜ伊勢丹と組むのか——それは「上質さ」と「限定感」の相性が抜群だからだ。
伊勢丹といえば、日本を代表する百貨店の一つ。セレクト眼に定評があり、国内外のブランドが「別注モデル」や「限定企画」を展開する舞台として知られている。オニツカタイガーにとっても伊勢丹は、単なる販売拠点ではなく、“特別なコレクションを発信する場所”として位置づけられてきた。
伊勢丹限定モデルの代表例「MEXICO SLIP-ON DELUXE」
オニツカタイガーの伊勢丹限定モデルと聞いて、真っ先に思い出されるのが2017年に登場した「MEXICO SLIP-ON DELUXE（メキシコ スリッポン デラックス）」だ。
このモデルは、オニツカタイガーの上位ライン「NIPPON MADE」シリーズの中でも特別仕様。伊勢丹新宿店のイベント「グローバル・グリーン キャンペーン」に合わせて企画された。
デザインの特徴は、スリッポンのように気軽に履けるのに、付属の靴ひもを通せばスニーカーとしても楽しめる2WAY仕様。アッパーには兵庫県の伝統素材「姫路白なめし革」が使われ、サイドには天然素材の紙糸繊維を採用。化学薬品をほとんど使わない製法で仕上げられており、環境に優しい一足として話題になった。
素材選びから製法まで“日本の手仕事”を感じさせるこのモデルは、まさに「伊勢丹でしか買えない」特別なスニーカーだった。
「NIPPON MADE」×伊勢丹の特別フェアも開催
伊勢丹では過去に、「NIPPON MADE フェア」と題した特別イベントが行われたこともある。ここでは「MEXICO 66 DELUXE」などの人気モデルをベースに、染色や素材にこだわった限定仕様が登場。和紙を挟み込んだアッパーや製品染めのグラデーションなど、職人技を活かしたモデルが多数展開された。
こうしたフェアは、単に限定アイテムを売るだけではなく、オニツカタイガーが大切にしている「日本のものづくりの精神」を再確認させる場にもなっていた。
伊勢丹という“モノに厳しい百貨店”だからこそ成立した企画といえるだろう。
伊勢丹新宿店の店舗情報と取扱状況
現在、オニツカタイガーは伊勢丹新宿店に常設コーナーを構えている。場所は「本館2階（婦人靴）」および「メンズ館地下1階（紳士靴）」で、メンズ・レディス両方を取り扱う。
NIPPON MADE シリーズや最新コレクションの一部も並び、シーズンによってはポップアップイベントや別注カラーの展開も行われる。
店舗の雰囲気は、シンプルかつ上品。直営店のストリート感とは少し違い、伊勢丹らしい落ち着いたセレクトになっている。
もし限定モデルを狙うなら、シーズンの切り替わり時期（春夏・秋冬）や伊勢丹全館イベントのタイミングをチェックするのがおすすめだ。
伊勢丹限定モデルが特別視される理由
なぜここまで伊勢丹限定モデルは注目されるのか。その理由は大きく5つある。
- 希少性の高さ
生産数が少なく、再販されることもほとんどない。履いているだけで他人とかぶらない特別感がある。 - 素材と職人技
NIPPON MADE ラインを中心に、革や染めなど日本の伝統技術を取り入れている。特に伊勢丹別注は「素材から違う」と評されることが多い。 - ファッション性
百貨店ならではの高感度なセレクト。スニーカーでありながら、ジャケットやセットアップにも合うデザインが多い。 - ストーリー性
環境配慮や伝統継承など、背景に“語れる物語”がある。伊勢丹が掲げる「サステナブル・ラグジュアリー」との親和性が高い。 - コレクターズアイテムとしての価値
限定数・生産終了が前提のため、後年プレミア化することも。ファンの間では“幻の一足”として語り継がれるモデルもある。
入手時の注意点と購入のコツ
伊勢丹限定モデルは、魅力が多い一方で注意すべき点もある。
まず、発売時期が不定期であること。新作情報は公式サイトや伊勢丹のプレスリリースで告知されるが、店舗限定の場合も多い。SNSやスニーカー情報メディアを定期的にチェックしておくと良い。
次に、数量限定による即完売リスク。特に人気サイズ（メンズ26.5〜27.5cm、レディス23〜24cm）は早い段階でなくなる傾向がある。
気になるモデルが発表されたら、発売初日に足を運ぶのが確実だ。
また、転売サイトでの購入は避けたい。限定品は価格が高騰しやすいが、真贋の見分けが難しい場合もある。安心して買いたいなら、伊勢丹の実店舗または公式オンラインストアを利用しよう。
現在の伊勢丹限定モデルの動向
2020年代後半に入ってからは、明確に「伊勢丹限定」と銘打たれた新作のリリースは少ない。
ただし、これはブランドが限定企画をやめたというよりも、「サステナブル素材」「限定カラーモデル」「コラボシリーズ」などの形で限定性が分散しているためと考えられる。
今後は、伊勢丹や三越伊勢丹オンラインとオニツカタイガーが再び共同企画を行う可能性もある。特にNIPPON MADE シリーズの新展開や、国内工房コラボなどが期待されている。
伊勢丹でオニツカタイガーをチェックする楽しみ方
伊勢丹でオニツカタイガーを見る魅力は、単に「限定を探す」ことだけではない。
店頭には最新モデルのラインナップが整い、スタッフが丁寧にフィッティングをサポートしてくれる。素材の違いやシリーズごとの特徴を実際に触れて確かめる体験は、オンラインでは味わえない。
スニーカーだけでなく、バッグやアパレルも展開されており、全身でオニツカタイガーの世界観を楽しめるのも伊勢丹ならではだ。
オニツカタイガー伊勢丹限定モデルを紹介！注目コラボや店舗情報も徹底解説 の今とこれから
オニツカタイガーの伊勢丹限定モデルは、単なる“特別仕様の靴”ではない。
そこには、日本の職人技、環境への配慮、そして百貨店文化の美学が息づいている。
近年は情報が少なくなっているものの、過去の限定品が示した価値は色あせない。むしろ、「次はどんな別注が出るのか」という期待感こそが、ブランドの魅力を高めている。
伊勢丹新宿店を訪れたときは、ぜひオニツカタイガーのコーナーを覗いてみてほしい。そこには、量産品とは一線を画す“特別な一足”との出会いが待っているはずだ。
そしてもし伊勢丹限定の新作が再び登場したなら、その瞬間こそがファンにとってのニュースになるだろう。
