お気に入りの革靴を履こうとしたとき、ふと「靴紐がくたびれてきたな」とか「もっと自分好みの色や質感に変えたいな」と思うこと、ありますよね。いざ新しい靴紐を買いに行こうとして、誰もが一度はぶつかる壁。それが「靴紐の長さ、一体何センチを選べばいいの?」という問題です。
適当に選んでしまうと、結び目が小さすぎて不格好になったり、逆に紐が余りすぎて地面に引きずりそうになったり……。革靴の美しさは足元に宿るからこそ、靴紐の長さ選びは意外と侮れません。
今回は、革靴の靴紐の長さをピタリと決めるための目安から、失敗しない選び方のコツまで、詳しくお話ししていきますね。
靴紐の長さは「穴の数」で決まる!失敗しないための基本目安
革靴の靴紐を選ぶ際、最も確実な指標となるのが「アイレット(紐穴)の数」です。片側にいくつ穴が開いているかを確認するだけで、必要な長さの目安がほぼ判明します。
一般的にビジネスシューズで多いのは5個穴のタイプですが、デザインによって2個から6個以上までさまざま。まずは、自分の靴がどのタイプに当てはまるか数えてみてください。
2〜3個穴:55cm 〜 65cm
チャッカブーツやデザートブーツ、あるいは外羽根式のプレーントゥなどに多いタイプです。穴の数が少ない分、紐はかなり短めで済みます。55cmから60cmあたりを選ぶと、結び目がスッキリと収まって上品な印象になります。
4個穴:65cm 〜 70cm
少しカジュアルなダービーシューズや、小ぶりなドレスシューズに見られるタイプです。標準的な靴紐 70cmあたりを選んでおけば、まず間違いありません。
5個穴:75cm 〜 80cm
日本のビジネス街で見かけるストレートチップや内羽根式の革靴において、最も標準的なのがこの5個穴です。基本は75cmですが、足の甲が高い方や、少し大きめの結び目を作りたい方は80cmを選んでおくと安心です。
6個穴:80cm 〜 90cm
少しボリュームのあるデザインや、足のホールド感を高めるために穴数が多いタイプです。この場合は80cm以上が必要になります。
7個穴以上:120cm 〜
カントリーブーツや編み上げのハイカットモデルなど、足首までしっかり固定するタイプです。ここまでくると、靴紐 120cm以上の長いものを選び、しっかりと締め上げる必要があります。
通し方の違いで変わる!必要な「長さ」の微調整術
「穴の数に合わせたのに、なぜか紐が余ってしまう(足りない)」という経験はありませんか? 実は靴紐の長さは、紐の「通し方」によっても数センチ単位で変わってくるんです。
代表的な通し方である「シングル」と「パラレル」を例に、その違いを見ていきましょう。
シングル:長さを節約したいとき
ビジネスシーンで最もフォーマルとされる「シングル」は、一本の紐が裏側で斜めに大きく渡る構造をしています。他の通し方に比べて紐の消費量が少ないため、もし手元にある紐が「少し短いかな?」と感じる場合は、このシングルで通すとちょうど良くなることが多いですよ。
パラレル:フィット感を重視するとき
見た目はシングルに似ていますが、裏側で紐が複雑に交差するのが「パラレル」です。均一に力が分散されるため歩きやすいのがメリットですが、その分、シングルよりもプラス5cmほど紐の長さを必要とします。
オーバーラップとアンダーラップ
スニーカーやカジュアルシューズによく使われるこの通し方は、常に紐が交差するため、ドレスシューズ向けの通し方よりも紐を多く消費します。カジュアルな革靴に平紐を通す際は、少し長めに余裕を持たせておくと失敗しません。
見た目も機能も変わる!靴紐の素材と形状のこだわり
長さが決まったら、次は「どんな紐にするか」という楽しみが待っています。紐の質感ひとつで、同じ靴でも全く違う表情を見せてくれるのが革靴の面白いところです。
丸紐と平紐、どっちが正解?
ドレスシューズ、特にフォーマルなストレートチップには「丸紐」が鉄板です。紐が細ければ細いほど、ドレッシーで洗練された雰囲気が漂います。
一方で、少しリラックスしたジャケパンスタイルや、カントリー調の靴には「平紐」が相性抜群。平紐は接地面が広いため、結び目が緩みにくいという実用的なメリットもあります。
忘れちゃいけない「蝋引き(ロウびき)」加工
ビジネスマンにぜひ選んでほしいのが「蝋引き」の靴紐です。紐の表面にパラフィン加工が施されているため、独特の光沢があり、高級感が格段にアップします。さらに、水や汚れに強く、紐自体にハリが出るため、結び目がピシッと自立して美しく見えます。
もし「もっと実用性を重視したい」というのであれば、表面に凹凸がある「石目」タイプもおすすめです。摩擦が強いため、歩いている途中に紐が解けてしまうストレスから解放されますよ。
買い替え前にこれだけはチェック!失敗を防ぐ3つのポイント
「よし、この長さを買おう!」と決める前に、最後にこれだけは確認してほしいポイントをまとめました。これを守るだけで、買い直しの手間がグッと減るはずです。
1. 今使っている紐を測るのが「最強の正解」
結局のところ、今その靴についている紐の長さを測るのが一番確実です。定規やメジャーを使って、端から端まで測ってみてください。「今の長さが完璧」なら同じ長さを、「少し短かった」なら5cm長いのを。自分の感覚を信じるのが一番の近道です。
2. 「羽根」の開き具合を見極める
新品の靴と、履き慣らした靴では、紐を通す部分(羽根)の開き具合が変わります。甲高の人で羽根が大きく開いてしまう場合は、目安表よりも一段階長い紐を選んでおかないと、最後に蝶々結びをする余裕がなくなってしまうので注意が必要です。
3. 紐の太さ(径)を間違えない
スニーカー用の紐は意外と太く、スニーカー 紐をそのまま革靴に使おうとすると、穴に通らなかったり、見た目が野暮ったくなったりします。革靴には、直径2mm〜3mm程度の専用紐を選ぶのが鉄則です。
もし靴紐の長さが合わなかったら?現場で使える応急処置
気をつけて選んでも、実際に通してみたら「あれ?」となることもあるかもしれません。そんな時の裏技を少しご紹介します。
もし紐が長すぎて余ってしまったときは、無理に切らずに「ベルルッティ結び」を試してみてください。結び目が二重になるため、紐の長さを効果的に消費でき、しかも非常に解けにくいという素晴らしい結び方です。
逆に短すぎたときは、一番上の穴を通さずに結ぶという手もあります。ただし、これはあくまで緊急用。見た目の美しさやフィット感を損なうので、時間がある時にピッタリの長さを買い直してあげてくださいね。
革靴の靴紐の長さはどう選ぶ?最後にこれだけは覚えておこう
さて、ここまで革靴の靴紐の長さについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
たかが靴紐、されど靴紐。
5cm、10cmの差が、あなたの足元を最高に輝かせるか、それともどこか「惜しい」印象にしてしまうかを左右します。
最後におさらいすると、基本は「穴の数」を確認し、標準的な5個穴なら75cm〜80cmを基準に選ぶこと。そして、自分の足の形や好みの通し方に合わせて微調整するのがコツです。
自分にぴったりの靴紐を見つけて、いつもの革靴に新しい命を吹き込んであげてください。足元が整うと、自然と背筋が伸びて、その日一日の歩き方まで変わってくるはずですよ。
もし「手入れも一緒にしたいな」と思ったら、靴磨きセットで紐を替えるついでに磨いてあげるのもいいですね。
革靴の靴紐の長さはどう選ぶか迷ったときは、ぜひこの記事の目安表を参考に、あなたの一足に最適な一本を見つけ出してください。素敵な靴と一緒に、軽快な一歩を踏み出しましょう!


