「いい靴は、履く人を素敵な場所へ連れて行ってくれる」
そんな言葉がありますが、いざ本格的な革靴を新調しようと思ったとき、真っ先に海外の高級ブランドを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。もちろん、イギリスやイタリアの名靴も素晴らしいですが、今、改めて注目してほしいのが「日本ブランド」の革靴です。
実は、日本人の足を知り尽くした国内ブランドには、海外ブランドに負けないどころか、コストパフォーマンスや実用性で圧倒する名作が数多く存在します。今回は、1万円台から手に入る高機能な一足から、職人技が光る一生モノまで、厳選した15ブランドを徹底解説します。
なぜ今、革靴は日本ブランドを選ぶべきなのか
海外の高級靴を履いて「どうしても足が痛くなる」と悩んだ経験はありませんか? それは、欧米人と日本人では足の骨格そのものが異なるからです。
欧米人は足幅が狭く、踵(かかと)が大きく、甲が低い傾向にあります。対して日本人は「幅広・甲高」で、踵が小さいのが一般的です。海外ブランドの靴を履くと、幅に合わせれば踵がブカブカになり、踵に合わせれば小指が痛む……という悲劇が起こりやすいのです。
その点、日本のブランドは「日本人の足型(ラスト)」をベースに設計されています。吸い付くような踵のフィット感と、指先の自由度を両立できるのは、国内ブランドならではの強み。さらに、日本の高温多湿な気候や、脱ぎ履きの多い文化に合わせた工夫も随所に凝らされています。
さらに見逃せないのが「関税」と「輸送費」の関係です。海外ブランドの靴には高い関税がかかっていますが、国産ならその分をまるごと「革の質」や「作りの丁寧さ」に充てることができます。同じ5万円を出すなら、日本ブランドの方が確実にワンランク上の素材を使った靴が手に入るのです。
圧倒的な安心感と信頼を誇る王道の日本ブランド
まずは、誰にでもおすすめできる知名度抜群のブランドから見ていきましょう。
REGAL(リーガル)
日本のビジネスマンを支え続けてきた、説明不要の国民的ブランドです。REGAL リーガル ストレートチップは、就活生からベテラン社員まで幅広く愛されています。最大の特徴は、堅牢な「グッドイヤーウェルト製法」へのこだわり。履き込むほどに中底が自分の足の形に沈み込み、唯一無二のフィット感に育ちます。全国どこにでも店舗があり、修理の受付体制が整っているのも最大のメリットです。
SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)
東京都墨田区にある工場で、職人の手によって一足ずつ丁寧に作られているブランドです。社長自ら海外へ革の買い付けに行くほど素材へのこだわりが強く、同じ価格帯の海外靴ではあり得ないほど上質なレザーが使用されています。特におすすめなのが、雨の日でも履けるスコッチグレイン シャインオアレイン。本革なのに水を弾く特殊な処理が施されており、外回りの多いビジネスマンにとっての救世主です。
大塚製靴(おおつかせいか)
明治5年創業、日本で最も歴史のある革靴メーカーの一つであり、皇室御用達としても知られています。長年、日本人の足を研究し続けてきたデータ量は圧倒的です。「ハッシュパピー」などのカジュアルラインも有名ですが、本領を発揮するのはドレスシューズ。驚くほど軽量で返りの良い靴が多く、一度履くと他の靴に戻れなくなると評されるほどです。
10年履ける一生モノ!最高峰の職人技ブランド
次に、自分へのご褒美や、ここぞという時の勝負靴に選びたいハイエンドなブランドを紹介します。
三陽山長(さんようやまちょう)
「品質本位」を掲げる、日本最高峰のドレスシューズブランドです。「友二郎」や「勇一郎」といった日本名が付けられたモデルは、どれも溜息が出るほど美しい仕上がり。熟練の職人による手仕事の割合が多く、欧州の10万円超えの高級靴と比較しても、作りの細やかさでは三陽山長が勝っていると感じる場面も少なくありません。まさに一生モノにふさわしい逸品です。
UNION IMPERIAL(ユニオンインペリアル)
伝統的な「ハンドソーン・ウェルテッド製法(九分仕立て)」を得意とするブランドです。機械縫いのグッドイヤーウェルト製法に比べ、手縫いの要素が多いため、履き始めから驚くほど柔らかく足に馴染みます。立体的なフォルムは芸術品のようで、足元をグッと格上げしてくれます。
MIYAGI KOGYO(宮城興業)
山形県に拠点を置く、玄人好みの実力派メーカーです。多くの高級セレクトショップのOEM(受託製造)を手掛けてきた実績があり、その技術力は折り紙付き。クラシックでありながらどこかモダンな空気感を纏ったデザインが多く、服好きからの支持が非常に高いブランドです。
コスパ最強!3万円以下で手に入る驚きの実力派
「良い靴は欲しいけれど、予算は抑えたい」という方に、SNSや靴好きの間で話題のブランドを紹介します。
RAYMAR(レイマー)
現在、革靴業界で最も勢いがあると言っても過言ではないのが静岡発のRAYMAR レイマーです。店舗を持たずオンライン中心で販売することで中間コストを徹底的にカット。世界最高峰のタンナー(革なめし業者)の革を使い、手の込んだ製法で作られた靴を、他社の半額近い価格で提供しています。新作が出るたびに即完売するほどの人気なので、チェックは欠かせません。
texcy luxe(テクシーリュクス)
アシックス商事が展開する、「スニーカーのような履き心地」を追求したブランドです。テクシーリュクス ビジネスシューズは、見た目は本格的な革靴ながら、ソールにランニングシューズのテクノロジーを応用した軽量素材を使用しています。長時間歩いても疲れにくく、ハードに働く現代人の強い味方です。
HARUTA(ハルタ)
「学生のローファー」というイメージが強いかもしれませんが、大人の男性に向けたラインも非常に優秀です。特にハルタ ローファー メンズのスポックシューズなどは、ミニマルなデザインが今のファッションに絶妙にマッチします。日本製で作りもしっかりしていながら、1万円前後で購入できるのは驚異的です。
ライフスタイルに寄り添う個性豊かな国内ブランド
Jalan Sriwijaya(ジャランスリウァヤ)
厳密にはインドネシアの工場で生産されていますが、企画や木型の開発を日本の代理店が主導しており、「日本人のための靴」として定着しています。ハンドソーン製法を採用しながら、3万円台という価格設定は他に類を見ません。コスパ重視派なら必ず候補に入るはずです。
madras(マドラス)
イタリアの靴作りの精神を日本に持ち込み、進化させてきた老舗です。シャープでスタイリッシュなデザインが多く、足元をスッキリ見せたい方におすすめ。防水透湿素材のゴアテックス 革靴を搭載したモデルも豊富で、機能性とファッション性を高い次元で両立しています。
WHEEL ROBE(ウィールローブ)
浅草で作られている、武骨でクラシックな雰囲気が魅力のブランドです。ドレスシューズというよりは、ワークブーツのようなタフさを備えており、デニムやチノパンとの相性が抜群。厚手のクロムエクセルレザーを使用したモデルは、経年変化を楽しみながらガシガシ履き込めます。
MAKERS(メイカーズ)
コードバン(馬の臀部の革)の扱いにおいて定評のあるブランドです。素材の持ち味を最大限に引き出すミニマルなデザインが特徴で、履き込むほどに美しいシワが刻まれていきます。職人気質なこだわりが詰まった靴は、所有する喜びを感じさせてくれます。
ぺダラ(asics walking)
アシックスが手掛けるウォーキングシューズの最上位ラインです。人間工学に基づいた設計で、足の裏全体をサポート。ビジネスシーンでも違和感のない上品なデザインでありながら、履き心地は完全にウォーキングシューズのそれです。「歩くこと」を最優先にするなら、これ以上の選択肢はありません。
SHETLANDFOX(シェットランドフォックス)
リーガルの上位ラインとして誕生したブランドです。流行に左右されない「普遍的な美しさ」を追求しており、細部に至るまで非常に贅沢な作りになっています。ブランドロゴを主張しすぎず、質の良さで語るスタイルは、大人の余裕を感じさせます。
日本人の足を支える最高の一足を見つけるために
ここまで様々な日本ブランドを見てきましたが、共通しているのは「真面目なモノづくり」の姿勢です。目に見えない部分の補強や、ミリ単位の木型の調整など、日本人の職人ならではの細やかさが、一足一足に宿っています。
革靴選びで失敗しないためのポイントは、まず自分の「用途」を明確にすることです。
このように、目的に合わせてブランドを選べば、必然的に満足度の高い一足に出会えるはずです。
また、手に入れた後はぜひ「靴磨き」も楽しんでみてください。日本のブランドが採用している革は、メンテナンスをすればするほど、深みのあるツヤが出てきます。自分で磨く時間は、一日の仕事を振り返る贅沢な時間にもなりますし、何より靴への愛着が深まります。
海外ブランドの華やかさも魅力的ですが、私たちの足元を最も理解し、支えてくれるのは、日本の職人たちが作り上げた靴かもしれません。確かな技術に裏打ちされた「メイド・イン・ジャパン」の誇りを、ぜひあなたの足元で体感してみてください。
今回ご紹介したブランドを参考に、あなたにとっての「運命の一足」が見つかることを願っています。自分にぴったりの革靴を履いて、明日からの歩みをもっと軽やかで、自信に満ちたものにしていきましょう。
革靴の日本ブランドおすすめ15選!コスパ最強から一生モノの高級名品まで徹底比較


