お気に入りの革靴を久しぶりに下駄箱から出したら、表面にふわふわとした白い物体が……。「これって、もしかしてカビ?」と絶望した経験はありませんか?
大切にしていた一足であればあるほど、ショックは大きいですよね。でも、安心してください。初期の白カビであれば、正しい手順を踏めば自宅で綺麗に落とすことができます。
今回は、革靴に生えてしまったカビの落とし方から、二度と発生させないための鉄壁の予防策まで、靴好きの視点で分かりやすく解説します。
なぜ革靴にカビが生えるのか?知っておきたい原因
そもそも、なぜ革靴にはカビが生えやすいのでしょうか。カビが好む条件は「湿度」「温度」「栄養」の3つです。
まず革靴の素材である「本革」は、タンパク質や油分を含んでおり、カビにとっては最高の栄養源です。そこに足の汗や汚れ、さらに日本のジメジメした湿気が加わると、下駄箱の中はカビにとっての楽園になってしまいます。
特に、雨の日に履いたあとの手入れ不足や、長期間風通しの悪い場所に放置することが、カビ発生の最大の引き金になります。原因を正しく理解することが、対策の第一歩です。
カビの種類で見分ける!自分で治せる限界ライン
一言にカビと言っても、実は種類によって対処法が異なります。まずは自分の靴の状態をチェックしてみましょう。
- 白カビ(自分で対処可能)表面に白い粉が吹いたようになっている状態です。根が浅いため、エタノールや専用クリーナーで比較的簡単に落とせます。
- 黒カビ(プロに相談推奨)革の繊維の奥深くまで根を張って、黒いシミのようになっている状態です。これは表面を拭くだけでは落ちず、無理に擦ると革を傷めます。
もし黒カビだったり、カビの範囲が靴の内側までびっしり広がっていたりする場合は、プロのクリーニング業者へ依頼することを検討してください。
自宅でできる!革靴のカビ取り5ステップ
それでは、自宅でできる安全なカビ取り手順を解説します。作業は必ず「屋外」か「換気の良い場所」で行ってください。部屋の中で行うと、舞い上がったカビの胞子を吸い込んだり、他の家具に付着したりする恐れがあるからです。
1. マスクと手袋で完全防備
まずは自分の身を守りましょう。カビの胞子は非常に細かく、吸い込むとアレルギーの原因にもなります。使い捨てのマスクとゴム手袋を着用し、作業に使った布も最後に捨てられるよう、古布などを準備しておきましょう。
2. 乾いた布で表面のカビを優しく拭き取る
いきなり水やクリーナーをつけるのは厳禁です。まずは、乾いた使い捨ての布を使って、表面に見えているカビを優しく払い落とします。このとき、ゴシゴシ擦るとカビが革の奥に入り込んでしまうので、サッと撫でるように拭くのがコツです。
3. 消毒用エタノールで除菌する
次に、消毒用エタノールを柔らかい布に染み込ませます。ここで注意したいのは、靴に直接スプレーしないこと。シミの原因になるため、必ず布に含ませてから、カビがあった場所を叩くようにして除菌します。
エタノールはカビを死滅させる力が非常に強いですが、革の油分も奪ってしまいます。手早く、かつ丁寧に進めるのがポイントです。
4. 日陰でしっかり乾燥させる
除菌が終わったら、風通しの良い日陰で1〜2日ほどじっくり乾かします。「早く乾かしたいから」と直射日光に当てるのは絶対にやめてください。革が急激に乾燥して、ひび割れや変色の原因になります。
5. 保湿クリームで栄養を補給する
エタノールを使った後の革は、人間でいう「超乾燥肌」の状態です。仕上げに、モゥブレィ シュークリームなどの靴用クリームを塗り込み、失われた水分と油分を補いましょう。これで革の柔軟性が戻り、艶も復活します。
靴箱も要注意!カビを再発させない環境づくり
靴を綺麗にしても、元の場所に戻したらまたカビが生えた……。そんな悲劇を防ぐために、靴箱のメンテナンスもセットで行いましょう。
実は、靴箱の隅にはカビの胞子が潜んでいます。靴を乾かしている間に、靴箱の中も空にしてパストリーゼ77などの除菌スプレーで拭き掃除をしてください。
掃除の後は、扉を開けっ放しにしてしっかり乾燥させることが重要です。また、靴を詰め込みすぎると空気の通り道がなくなるため、少し余裕を持って収納するようにしましょう。
二度と生やさないための日常的な予防習慣
カビ取りの手間を考えれば、最初から生やさないのが一番です。明日から実践できる、簡単な予防習慣を紹介します。
- 履いた靴はすぐにしまわない一日の終わりに脱いだ靴は、足の汗をたっぷり吸っています。すぐに下駄箱に入れず、半日ほど玄関に出して湿気を飛ばしてから収納しましょう。
- シューキーパーを活用する木製シューキーパー、特にレッドシダー素材のものは、除湿効果と消臭効果の両方を備えています。靴の形を整えながら、湿気対策もできる優れものです。
- 定期的なブラッシングカビの栄養となるホコリや汚れを、日頃から馬毛ブラシで払い落とすだけでも、カビの発生確率は格段に下がります。
- 雨の日のケアを徹底する濡れたまま放置するのが一番のNGです。もし濡れてしまったら、新聞紙を詰めて湿気を取り、完全に乾くまで時間をかけてケアしてください。
困った時の味方!除湿・防カビ便利グッズ
さらに万全を期すなら、便利な市販グッズを頼るのも手です。
靴箱の隅に備長炭ドライペットのような除湿剤を置いておくのは基本中の基本。また、最近では靴専用の乾燥機もあり、アイリスオーヤマ 靴乾燥機などは雨の日の強い味方になります。
定期的に防水スプレーをかけておくことも有効です。水分だけでなく汚れの付着も防いでくれるため、結果的にカビが繁殖しにくい環境を作ることができます。
革靴のカビ取り完全ガイド!自宅でできる落とし方と失敗しない再発防止策を徹底解説
いかがでしたか?革靴にカビが生えてしまっても、落ち着いて正しく対処すれば、また元の輝きを取り戻すことができます。
大切なのは、「見つけたらすぐに除去すること」と「日頃から湿気を溜めない環境を作ること」の2点です。
もし自分で対処するのが不安なほど大切な靴や、あまりにも状態がひどい場合は、無理をせずプロの力を借りる勇気も必要です。お気に入りの革靴を長く愛用するために、今日から少しだけ靴の「呼吸」を意識したケアを始めてみてくださいね。
まずは今日、下駄箱の扉を開けて、風を通すところから始めてみましょう!


