「やっと手に入れたお気に入りの革靴。でも、一歩踏み出すたびに足首が痛くて、仕事に集中できない……」
そんな経験はありませんか?せっかくの勝負靴も、痛みを我慢して履き続けるのは苦行でしかありませんよね。実は、革靴で足首が痛くなるのには明確な理由があり、そのほとんどが正しい対策で解決できるんです。
今回は、革靴で足首が痛い原因を紐解き、くるぶしやアキレス腱の痛みを劇的に解消するための具体的な方法をご紹介します。
なぜ新品の革靴は「足首」を攻撃してくるのか?
そもそも、なぜスニーカーでは起こらない「足首の痛み」が革靴では発生しやすいのでしょうか。そこには革靴特有の構造と、素材の性質が関係しています。
くるぶしが当たるのは「履き口の高さ」が原因
一番多い悩みが、外くるぶしが靴の縁(履き口)に当たって削られるような痛みです。これは、欧米向けに設計された木型(ラスト)の靴に多く見られる現象です。欧米人に比べて日本人はくるぶしの位置が低い傾向にあるため、靴のサイドが高すぎると、ちょうどくるぶしの骨の真下にエッジが食い込んでしまうのです。
アキレス腱が痛むのは「ヒールカウンター」の硬さ
かかと部分に入っている芯材、これをヒールカウンターと呼びます。革靴の形を保つために非常に重要なパーツですが、新品のうちはこの芯材がカチカチに硬いことがあります。歩行時に足首が曲がる際、この硬い壁にアキレス腱が押し付けられることで、靴擦れや圧迫痛が生じるわけです。
足首の前面が痛むのは「履きジワ」の洗礼
足の甲から足首にかけて、深く鋭いシワが入ることがあります。このシワが歩くたびに足首の皮膚を「噛む」ように刺激するのも、革靴初心者が陥りやすい痛みのひとつです。
【対策1】インソールで「物理的な位置」をずらす
「くるぶしが当たって痛い」という場合、最も即効性があり、かつ安価に試せるのがインソール(中敷き)による高さ調整です。
くるぶしが当たるのは、物理的に「靴の縁」と「骨」の高さが一致してしまっているからです。それなら、足の位置を少しだけ高くしてあげればいい。そうすることで、くるぶしが靴の縁を乗り越え、干渉しなくなります。
特におすすめなのが、かかと部分だけに厚みを持たせる「ハーフインソール」や「ヒールアップパッド」です。靴全体のサイズ感を大きく変えずに、痛みだけを取り除けます。
まずは低反発インソールやかかと用クッションを用意して、数ミリ単位で高さを調整してみてください。これだけで、今までの痛みが嘘のように消えることも珍しくありません。
【対策2】革を柔らかくして「攻撃性」を下げる
革靴の痛みは、いわば「革の反抗期」です。新品の革は繊維が詰まっていて硬いため、まずはこれを優しくほぐしてあげる必要があります。
デリケートクリームで柔軟性を与える
革が乾燥していると、硬さは増すばかりです。まずはモゥブレィ デリケートクリームなどの水分量が多いクリームを、痛む部分の内側と外側に塗り込みましょう。革の繊維が潤い、しなやかさが増します。
ストレッチスプレーを味方につける
「もっと早く馴染ませたい」という方には、専用の柔軟剤がおすすめ。コロニル ストレッチスプレーを痛む箇所に吹きかけ、その状態で少し歩き回るだけで、自分の足の形に合わせて革が伸びやすくなります。
物理的に「揉む」のも有効
道具がない場合は、自分の手で揉みほぐすのも手です。アキレス腱が当たるヒール部分や、くるぶしが当たる縁の部分を、指で優しく、しかし確実に揉んで柔らかくします。これだけでも、足首への当たりが驚くほどソフトになりますよ。
【対策3】摩擦をゼロにする「保護」のテクニック
どれだけ靴を調整しても、やはり慣れるまでは摩擦が発生します。それなら、足側のガードを固めるのが賢い選択です。
ワセリンを「潤滑剤」として塗る
裏技的ですが、非常に効果的なのが白色ワセリンです。靴擦れしそうな足首の箇所に直接ワセリンを塗っておくことで、皮膚と靴の摩擦を逃がしてくれます。絆創膏のように剥がれる心配もなく、見た目にも響きません。
靴下選びを妥協しない
薄手のビジネスソックスはスタイリッシュですが、クッション性はゼロに近いですよね。馴染むまでの期間は、少し厚手のソックスを履くか、厚手ビジネスソックスを選んで物理的な厚みでガードしましょう。
【対策4】前滑りを防いで「固定」する
足首が痛むもう一つの隠れた原因が、靴の中で足が動いてしまう「前滑り」です。
靴のサイズが微妙に大きかったり、甲の高さが合っていなかったりすると、歩くたびに足が前にズレます。すると、本来なら安全な位置にあるはずの足首が、靴の硬い部分へと突っ込んでしまうのです。
この場合は、つま先側に前滑り防止パッドを入れるのが正解です。足がしっかりと正しい位置に固定されれば、足首への不自然な干渉は激減します。
【対策5】プロの道具「ストレッチャー」で強制解決
「どうしても自分の手には負えない」という頑固な硬さには、専用の器具を投入しましょう。
家庭でも使えるシューストレッチャーは、靴の中にセットしてネジを回すだけで、数日かけてじっくりと革を伸ばしてくれます。特に「ポイントストレッチャー」と呼ばれる、部分的に革を押し出すピンがついたタイプなら、ピンポイントでくるぶしの当たる位置だけを広げることが可能です。
自分でやるのが怖いという方は、靴修理店に持ち込むのもありです。数千円で「ストレッチ(幅出し)」の依頼ができ、プロの技術で痛い部分を的確に伸ばしてくれます。
革靴で足首が痛い原因と対策を知れば、もう怖くない!
革靴の痛みは「修行」だと言われることもありますが、現代にはその修行を賢くショートカットできる道具がたくさんあります。
痛みを我慢して歩き方が不自然になると、足首だけでなく膝や腰にまで負担がかかってしまいます。まずはインソールで高さを変え、クリームで革を柔らかくすることから始めてみてください。
「革靴で足首が痛い原因と対策は?」という問いへの答えは、我慢することではなく、自分の足と靴の隙間を正しく埋めることにあります。
少しの工夫で、その靴はあなたにとって世界で一番歩きやすいパートナーに変わるはず。明日からは、痛みを気にせず颯爽と街を歩き出しましょう!
もし、どうしても痛みが引かない場合は、一度足サイズ測定器などで自分の正確な足の形を知ることも、理想の一足に出会う近道になりますよ。


