お気に入りの革靴を履こうと靴箱から出したら、表面にうっすらと「白い粉」や「白いシミ」が浮き出ていて驚いたことはありませんか?「これってカビ?」「もう捨てなきゃダメなの?」とショックを受ける方も多いはず。
でも、安心してください。革靴が白くなる現象には明確な原因があり、正しく対処すれば元の美しい輝きを取り戻すことができます。今回は、革靴を愛する皆さんのために、白い汚れの正体の見分け方から、自宅でできるプロ直伝の落とし方、そして二度と白くさせないための予防法まで徹底的に解説します。
革靴が白くなる正体を見極める!カビか塩分かの見分け方
まずは、その白い汚れが何なのかを特定しましょう。原因によって対処法が180度変わるため、ここを間違えると革を傷めてしまう可能性があります。
もっとも多いのが「白カビ」です。表面にふわふわとした綿のようなものが付着していたり、斑点状に広がっていたりする場合は、ほぼ間違いなくカビです。特に湿気の多い季節や、履いた後にすぐ靴箱にしまった場合に発生しやすくなります。カビは革の内部まで根を張ることもあるため、早急な処置が必要です。
次に考えられるのが「塩スピュー(塩吹き)」です。これは、足の汗や雨水に含まれる塩分が、革の表面に浮き出て結晶化したものです。粉っぽく吹いている場合もあれば、雨に濡れた境目に沿って白い線状に残ることもあります。カビのような独特の臭いがなく、表面が少しざらついているのが特徴です。
意外な盲点が「ブルーム」です。ブライドルレザーなどのオイルを豊富に含む高級な革の場合、中に入っている蝋(ロウ)成分が表面に白く浮き出てくることがあります。これは革の品質が良い証拠であり、汚れではありません。
最後に、単純な「乾燥」です。革の油分が完全に抜けてしまうと、表面の組織が毛羽立ち、光の反射で白っぽく見えることがあります。この場合は、革が悲鳴を上げているサインだと捉えてください。
白カビが生えてしまった時の徹底除菌ステップ
もし白い粉の正体が「カビ」だった場合、他の靴への感染を防ぐためにも、手早く、かつ慎重に作業を進めましょう。
作業は必ずベランダなどの屋外で行ってください。室内でブラシをかけると、カビの胞子が部屋中に舞い散り、他の家具や靴にまで被害が広がってしまいます。
まずは使い捨ての布を用意し、表面のカビを優しく拭き取ります。この時、再利用するブラシは使わないのが鉄則です。ブラシの毛に菌が入り込むと、次にそのブラシを使った靴にカビを移すことになります。
カビを拭き取ったら、次に必要なのが「除菌」です。一般的なアルコール除菌シートは革の染料を落としたり、表面を硬くしたりする恐れがあるため、必ず皮革専用の除菌スプレーを使用しましょう。おすすめはM.MOWBRAY モールドクリーナーです。これを布にたっぷり含ませ、靴全体を拭き上げます。目に見えない菌まで死滅させるイメージで、内側までしっかり拭くのがポイントです。
拭き終わったら、風通しの良い日陰で2〜3日ほどしっかり乾燥させます。完全に乾いたら、仕上げにM.MOWBRAY ステインリムーバーで古いクリームや残った汚れを落とし、靴クリームで栄養を与えてください。カビに水分や栄養を奪われた革は非常にデリケートになっているので、保湿は入念に行いましょう。
雨の後に多い「塩吹き(塩スピュー)」を解消する方法
雨の日に履いた後、乾いたら白い輪ジミができていた…という場合は、革の内部に溜まった塩分を外に追い出す必要があります。
塩吹きは、革に含まれる水分が蒸発する際、一緒に塩分が表面に運ばれて残る現象です。これを解決するには、一度「水」を使って塩分を溶かし出すのが一番の近道です。
やり方は意外とシンプルです。まず、水に濡らして固く絞った布を用意します。白い部分だけをこするのではなく、靴全体を均一に湿らせるように拭き上げてください。一部だけを濡らすと、新たな水シミの原因になってしまうからです。
頑固な塩吹きには、水性クリーナーであるM.MOWBRAY ステインリムーバーが効果を発揮します。これをクロスに取り、優しくなでるように汚れを溶かしていきます。
塩分が取れたら、形を整えるために木製シューキーパーをセットしましょう。木製のシューキーパーは湿気を吸い取ってくれるため、乾燥工程には欠かせません。直射日光を避け、ゆっくりと時間をかけて乾かしてください。乾いた後は、革が硬くなりやすいため、コロンブス デリケートクリームなどの浸透力の高いクリームで柔軟性を取り戻してあげましょう。
革の乾燥やブルームで白くなった場合のケア
カビでも塩でもないのに、なんとなく全体が白っぽい。そんな時は、革のコンディションに合わせたアプローチが必要です。
もし、ブラッシングをしてみて、摩擦熱で白さが消えるようなら、それは「ブルーム」です。高品質な革ならではの現象ですので、コロニル 馬毛ブラシで丁寧にブラッシングして、ロウ成分を革の中に押し込んであげてください。仕上げにテレンプなどの柔らかい布で磨けば、見違えるような深い光沢が戻ります。
一方で、ブラッシングしても白さが消えず、表面がカサカサしているなら、それは極度の「乾燥」です。人間のお肌と同じで、革も水分と油分が不足すると粉を吹いたようになります。
この状態を放置すると、革に深い「ひび割れ」が入ってしまい、二度と元に戻らなくなります。まずはサフィール ノワール クレム1925のような、高品質な油性クリームを使って栄養を補給しましょう。少量を手に取り、体温で溶かしながら塗り込むと、革の奥深くまで成分が浸透し、しっとりとした本来の質感が蘇ります。
白い汚れを防ぐために!今日からできる保管とメンテナンス
せっかく綺麗にしても、同じ環境で保管していれば、また靴は白くなってしまいます。大切な靴を守るために、日頃のルーティンを見直してみましょう。
もっとも大切なのは「湿気を溜めないこと」です。一日履いた靴は、想像以上に汗を吸っています。帰宅してすぐに靴箱に入れるのは、カビに「どうぞ食べてください」と言っているようなもの。少なくとも一晩は、玄関などの風通しの良い場所で放置し、内部の湿気を逃がしましょう。
また、靴箱自体の環境も重要です。定期的に扉を開けて換気をする、あるいは備長炭ドライペット 靴用などの除湿剤を配置して、湿度をコントロールしてください。
雨の日の対策も欠かせません。外出前にコロンブス アメダス 防水スプレーを吹きかけておくだけで、水だけでなく汚れや塩分の浸透も防ぐことができます。このひと手間が、後のメンテナンスを劇的に楽にしてくれます。
そして、週に一度のブラッシングを習慣にしましょう。ホコリは湿気を吸い寄せ、カビの温床になります。履く前や履いた後にサッとブラシをかけるだけで、白い汚れの発生率はぐんと下がります。
革靴が白くなる原因はカビ?塩分?白い粉の正体と失敗しない落とし方・予防法を解説
革靴が白くなってしまうと「もう寿命かな」と諦めてしまいがちですが、正しく原因を見極めれば、多くの場合、自分自身の手で復活させることができます。
白い粉がふわふわしていれば「除菌」、雨の後のシミなら「塩分除去」、カサつきなら「保湿」と、それぞれの症状に合った処方箋を出してあげてください。靴は、私たちが手をかけた分だけ、必ず応えてくれます。
適切な道具を揃えることも、失敗しないためのポイントです。M.MOWBRAY シューケアセットのような基本キットが一つあれば、いざという時も慌てずに対応できます。
お気に入りの一足を長く、美しく履き続けるために。今日から愛車ならぬ「愛靴」のコンディションをチェックして、清潔でプロフェッショナルな足元を維持していきましょう。靴が綺麗になれば、自然と歩く姿にも自信が満ち溢れてくるはずです。


