お気に入りの革靴で出かけた日に限って、突然の雨。足元がずぶ濡れになってしまったとき、絶望的な気持ちになりますよね。「このままダメになってしまうかも……」と不安になるかもしれませんが、安心してください。
革靴が濡れた直後の対応次第で、寿命を延ばせるか、それとも捨ててしまうことになるかが決まります。今回は、プロも実践している「濡れた革靴を完璧に復活させる方法」を徹底解説します。
1. 革靴が濡れたら絶対にやってはいけない「3つのNG行動」
正しいケアを知る前に、まずは「これだけは絶対にやめて!」というNG行動を確認しておきましょう。良かれと思ってやったことが、革靴にトドメを刺してしまうケースが非常に多いのです。
- ドライヤーで急激に乾かす「早く乾かしたい」という一心でドライヤーの熱風を当てるのは、革靴にとって最大のタブーです。革はタンパク質でできているため、急激な熱を加えると繊維が縮み、カチカチに硬くなってしまいます。一度ひび割れてしまった革は、二度と元には戻りません。
- 直射日光に当てて干す太陽の光も天敵です。紫外線は革の色あせを招くだけでなく、必要な油分を奪い去ってしまいます。ベランダで天日干しにするのは避けましょう。
- 濡れたまま放置する「明日やればいいや」と放置するのが一番危険です。濡れた状態で時間が経つと、靴の中で雑菌が繁殖して強烈な臭いを発したり、最悪の場合は数日でカビが生えてきたりします。
2. 帰宅後すぐに行うべき「応急処置」のステップ
雨から帰ってきたら、自分の着替えよりも先に靴のケアを始めましょう。スピードが命です。
- 表面の水分を「叩いて」吸い取るまずは、乾いた布やキッチンペーパーで表面の水分を吸い取ります。このとき、絶対にゴシゴシ擦らないでください。雨水に含まれる細かい砂やホコリがヤスリのような役割をして、革の表面を傷つけてしまうからです。ポンポンと優しく叩くようにして水分を除去しましょう。
- 紐とインソールを外す靴の内部に空気を通すため、靴紐はすべて外します。また、取り外しができるタイプのインソール(中敷き)なら、それも外して別々に乾かしましょう。
- 汚れを軽く落とす雨水には泥だけでなく、排気ガスの油分や酸性雨の成分などが混じっています。これらが乾燥して固まるとシミの原因になるため、濡れているうちに馬毛ブラシで優しくブラッシングするか、固く絞った布で全体を軽く拭いておきます。
3. シミと型崩れを防ぐ「正しい乾かし方」
水分を拭き取ったら、いよいよ乾燥の工程です。ここで重要なのは「吸湿」と「通気性」です。
- 新聞紙やキッチンペーパーを詰める靴の中に丸めた新聞紙を詰めます。新聞紙のインクには消臭効果もあるため一石二鳥です。ただし、入れっぱなしは逆効果。新聞紙が湿気を吸ったら、こまめに(最初の1〜2時間は30分おきくらいが理想)交換してください。湿った紙を入れ続けると、靴の中が蒸れてカビの原因になります。
- つま先を浮かせて陰干しする靴の裏(ソール)も水分を吸っています。床にベタ置きせず、壁に立てかけたり、つま先を少し浮かせたりして、靴底にも空気が触れるようにします。場所は必ず「風通しの良い日陰」を選んでください。
- 「銀浮き」を見つけたら早めに対処乾燥途中に、革の表面がボコボコと膨らんでくることがあります。これは「銀浮き」と呼ばれる現象です。これを見つけたら、全体を軽く湿らせた布で均一に拭き、内部に溜まった塩分や水分を逃がしてあげる必要があります。
4. 乾燥した後に欠かせない「栄養補給」とアフターケア
しっかり乾いたら終わり、ではありません。濡れた後の革は、水分と一緒に大切な「油分」も抜けてしまっています。このまま履き続けると、革がカサカサになり、シワの部分から裂けてしまいます。
- デリケートクリームで保湿するまずはデリケートクリームを使って、革に水分と栄養を届けます。一般的な靴クリームよりも浸透性が高く、乾燥した革を柔らかく戻してくれます。
- 靴クリームで油分を補う次に、自分の靴の色に合った靴クリームを塗り込みます。これで革の柔軟性が復活し、美しいツヤも戻ります。
- 防水スプレーでバリアを張る仕上げに防水スプレーをかけましょう。雨の日だけでなく、普段からかけておくことで、汚れが付きにくくなり、次回の雨被害を最小限に抑えられます。スプレーは20cmほど離して、ムラなく全体にかけるのがコツです。
5. 雨の日を快適に乗り切るための便利アイテム
あらかじめ準備をしておけば、雨の日のストレスは劇的に軽減されます。
- 最強の味方「防水スプレー」おすすめはフッ素系のアメダスです。革の通気性を損なわずに、強力に水を弾いてくれます。
- 急な豪雨には「シューズカバー」最近は、革靴の上からサッと履けるシリコン製のシューズカバーが人気です。折りたたんでバッグに入れておけば、予期せぬ雨でも大切な靴を守れます。
- 除湿の定番「シュートゥリー」乾燥した後は、木製のシューキーパー(シュートゥリー)を入れて形を整えましょう。レッドシダーなどの素材は吸湿・消臭効果も高く、靴を長持ちさせるための必須アイテムです。
6. 万が一カビが生えてしまったら?
もし放置してしまい、白いフワフワしたカビを見つけてしまったら、パニックにならずに対処しましょう。
- 屋外で作業するカビの胞子を部屋に散らさないよう、必ず外で作業します。
- 専用クリーナーで拭き取るカビ用クリーナーを布に取り、優しくカビを拭き取ります。その後、日陰で十分に乾燥させ、再度クリームで栄養を与えてください。重度のカビの場合は、無理せずプロの靴クリーニング店に相談することをおすすめします。
7. まとめ:革靴が濡れたらどうする?雨染みやカビを防ぐ正しい乾かし方と復活お手入れ術
革靴は、私たちが思う以上にタフな道具です。しかし、濡れたときの扱いだけは繊細さが求められます。
大切なのは、「熱を避ける」「こまめに水分を吸い取る」「乾かした後に必ず栄養を補給する」という3点です。この基本さえ守れば、雨に濡れた革靴も、これまで以上に深い味わいを持って復活してくれるはずです。
もし、お持ちのケア用品が足りない場合は、この機会に靴磨きセットを揃えておくのも良いでしょう。日頃のメンテナンスが、あなたの足元をいつまでも輝かせてくれます。
「革靴が濡れたらどうする?雨染みやカビを防ぐ正しい乾かし方と復活お手入れ術」を最後までお読みいただきありがとうございました。正しい知識で、大切な一足を一生モノの相棒に育てていきましょう。


