暑い季節になると、走っているうちに「足が蒸れる」「靴の中が熱い」と感じることはありませんか？そんなときに頼れるのが、通気性に優れた“メッシュ素材”のランニングシューズです。軽くて涼しく、足を快適に保ってくれるメッシュアッパーは、近年多くのランナーに選ばれています。今回は、メッシュ素材の特徴から選び方、おすすめのタイプまで、徹底的に解説していきます。
メッシュ素材とは？ランニングシューズで注目される理由
メッシュ素材とは、繊維を網目状に編み込んだ構造の生地のこと。隙間から空気を通すことで、熱や湿気を逃し、足のムレを防いでくれます。スポーツシューズにおいては主にアッパー部分（足の甲を覆う部分）に使われ、軽さと通気性を両立させるための重要な要素です。
ランニングでは長時間の運動によって足が熱を持ちやすく、内部に湿気がこもると靴擦れや疲労感の原因になります。その点、メッシュアッパーは走行中に自然な空気の流れを生み、シューズ内をドライに保つことができます。特に夏場や長距離走では、その効果を実感しやすいでしょう。
また、メッシュ素材は軽量で柔軟性があり、足の動きに合わせてフィットする感覚を得やすいのも魅力です。最近では「エンジニアードメッシュ」と呼ばれる進化型も登場し、部位ごとに編み目の大きさを変えることで、通気性とサポート力を両立させています。
メッシュ素材のメリット：軽くて、ムレにくく、快適
ランニングシューズにおけるメッシュアッパーの魅力は、何といってもその“快適さ”にあります。具体的には以下のような特徴があります。
1. 通気性が抜群でムレにくい
メッシュ素材の一番の強みは、風通しの良さです。ランニング中に発生する熱や湿気を効率よく逃し、シューズ内部の温度上昇を抑えます。汗で足がベタついたり、靴下が湿ったりする不快感を軽減できるのは、長時間走るランナーにとって大きなメリットです。
2. 軽量で疲れにくい
ランニングシューズの総重量は、わずか数十グラムの違いでも体感に影響します。メッシュアッパーは余分な補強素材を使わずに済むため、シューズ全体を軽量化でき、長距離でも足の負担を軽くしてくれます。「あと少し軽ければもう一歩踏み込める」――そんな感覚を求めるランナーには最適です。
3. フィット感と柔軟性が高い
網目構造による伸縮性で、足の動きに柔軟に対応します。特に最新のエンジニアードメッシュは、通気性を確保しながら必要な部分にサポートを持たせる設計になっており、靴の中で足がずれる感覚を抑えてくれます。結果的に、履き心地がより自然で、長時間でも快適に走り続けることができます。
メッシュ素材の弱点と注意点
一方で、メッシュ素材にもいくつか注意すべきポイントがあります。メリットが多い分、用途や季節によってはデメリットになることもあるため、上手に使い分けることが大切です。
1. 保温性が低く、冬は冷える
通気性が高いということは、外気も入りやすいということ。特に冬場や早朝のランニングでは、冷たい風が足に当たって冷えやすくなります。寒い季節に使う場合は、厚手のソックスを合わせたり、防風インソールを使ったりして調整すると良いでしょう。
2. 防水性が弱く、雨に不向き
メッシュアッパーは隙間が多いため、雨や水たまりに弱いのが難点です。濡れると靴下まで水が染み込みやすく、乾くのにも時間がかかります。雨天時のランニングには、防水メンブレンを備えたモデルや撥水スプレーを併用するのがおすすめです。
3. 耐久性やホールド感がやや劣る
軽量化を優先するあまり、補強が少ないメッシュ構造だと、強い横ブレや摩擦に弱くなることがあります。特にサイドのホールドが緩いと、蹴り出し時に足がブレやすくなるため、安定性を重視する場合は補強パーツ付きのモデルを選びましょう。
メッシュアッパーの進化：エンジニアードメッシュとは？
最近では単なる「通気性重視」だけでなく、構造的に機能を最適化したメッシュ素材が主流です。その代表が“エンジニアードメッシュ”。これは、部位によって編み方を変えた多層構造のメッシュで、通気が必要な部分には大きな穴を、サポートが必要な部分には細かい編み目を配置しています。
この仕組みにより、従来のメッシュ素材では難しかった「軽さ×安定性×フィット感」の両立が可能に。ナイキ、アシックス、アディダス、ニューバランスなど多くのブランドがこの構造を採用し、各社独自の技術で快適性を高めています。
また、環境配慮の流れから、リサイクル素材を使ったメッシュアッパーも増加中。通気性や軽さを保ちながら、サステナブルな製品開発が進んでいます。
メッシュ素材のランニングシューズが向いている人
メッシュアッパーのランニングシューズは、どんなランナーにおすすめなのでしょうか。以下のような特徴に当てはまる方には、特に相性が良いでしょう。
- 夏場や暑い環境で走ることが多い
- 長時間走ると足が蒸れやすい
- 軽さを重視して走りたい
- 柔らかくフィットする履き心地が好き
- マラソンやロードラン中心のランナー
逆に、雪道や雨天ラン、トレイルコースなど、悪天候や荒れた地形を走る方には防水性・耐久性の高い素材のほうが適しています。つまり、季節と環境に合わせてシューズを“履き分ける”ことが理想的です。
メッシュランニングシューズを選ぶポイント
メッシュアッパーのランニングシューズを選ぶときは、見た目の通気穴だけでなく、構造や補強のバランスを確認することが大切です。
- 素材の種類をチェック
「エンジニアードメッシュ」「ジャカードメッシュ」など、モデルごとに構造が異なります。部位ごとに密度が変わっているタイプほど、機能性が高い傾向です。 - 補強パーツの有無を確認
シューレース周りやヒール部分に補強があるかどうかを見ましょう。全体が柔らかすぎるとホールド感が落ちるため、適度な補強が安心です。 - 用途に合わせる
夏や長距離練習では通気性重視の薄手モデル、冬や短距離では安定性重視のモデルを選ぶと快適です。 - サイズとフィット感
メッシュ素材は柔らかく伸びるため、ジャストサイズを選ぶのが理想。ゆるすぎると走行中にブレが生じやすくなります。
メッシュアッパーを長持ちさせるコツ
軽くて繊細なメッシュ素材は、扱い方次第で寿命が大きく変わります。次のポイントを意識すると、長く快適に使えます。
- 使用後は風通しのよい場所で陰干しする
- 直射日光や乾燥機での強制乾燥は避ける
- 泥や砂を払ってから保管する
- 防水スプレーを軽くかけて汚れを防ぐ
また、アッパーのほつれや破れを見つけたら、早めに補修することで劣化を防げます。メッシュは通気性が高い分、細かなダメージが進行しやすいので、定期的な点検も大切です。
通気性重視で選ぶ！おすすめメッシュランニングシューズの傾向
ブランドによって設計思想が異なりますが、一般的にメッシュ素材を得意とするモデルは次のような傾向があります。
- ナイキ：軽量で風抜けの良いエンジニアードメッシュ採用。スピードランナーに人気。
- アシックス：ジャカードメッシュで足全体を包み込み、快適なフィット感を重視。
- アディダス：通気性と反発性を両立したアッパー構造。レース仕様にも多い。
- ニューバランス：ソフトで柔軟性が高く、長時間履いても疲れにくい設計。
- オン：通気性とデザイン性を両立し、軽量トレーニング向けに人気。
いずれも、通気性を確保しながらホールド性を高めた最新モデルが多く、暑い時期の練習やマラソン大会にもぴったりです。
まとめ：メッシュ素材のランニングシューズで快適な一歩を
ランニングシューズにおけるメッシュ素材は、通気性・軽量性・柔軟性のバランスに優れた現代的な素材です。
暑い時期のランニングを快適にしたい人、足の蒸れや重さに悩んでいる人にはまさに理想的な選択といえます。
ただし、雨や寒さへの耐性はそれほど高くないため、環境に応じてシューズを使い分けることが大切です。
最新のエンジニアードメッシュは、これまでの弱点を克服しつつ、高い通気性とサポート性を両立しています。
軽く、涼しく、快適に――メッシュ素材のランニングシューズで、次の一歩をもっと自由に楽しんでみましょう。
