油やグリースが飛び散る作業現場で、「靴底がツルツル滑る」「ソールがベタついて劣化した」という経験、ありませんか?
そんな現場で頼りになるのが、耐油性に優れた安全靴です。この記事では、油の多い環境でもしっかり性能を保ち、滑りにくく安心して働ける安全靴を厳選して紹介します。
耐油性安全靴とは?油に強い理由を知ろう
まず「耐油性安全靴」とは、油分による劣化を防ぐ構造を持った安全靴のことです。
油のある現場では、靴底の素材が油を吸収して膨張したり、柔らかくなってひび割れたりすることがあります。これを防ぐのが“耐油ソール”。ニトリルゴムや特殊合成樹脂など、油をはじく性質を持った素材が使われています。
ただし、注意してほしいのは「耐油=滑らない」ではないという点です。
耐油性は“油による劣化を防ぐ”機能であり、“滑りにくさ”を保証するものではありません。油のある床で安全に作業するには、耐油性と**耐滑性(グリップ性能)**を兼ね備えたモデルを選ぶことが大切です。
耐油性が求められる現場とは?
耐油性安全靴が活躍するのは、次のような職場です。
- 自動車整備・工場作業:潤滑油やグリースが床に落ちやすく、通常の靴底だとすぐに劣化。
- 飲食・食品加工現場:植物油や動物油がこぼれる環境では、滑りやすさと臭い対策も重要。
- 建設・メンテナンス業:重機や機材の油漏れ、泥+油の混在環境が多く、耐久性が欠かせません。
- 倉庫・物流現場:フォークリフトなどの稼働で床が油膜状態になるケースもあります。
こうした現場では、靴底の劣化を防ぐだけでなく、「長時間履いても疲れにくい」「油の上でも安定して立てる」構造が求められます。
耐油性安全靴を選ぶポイント
1. 靴底素材のチェック
耐油ソールには、ニトリルゴム(NBR)や特殊合成樹脂が使われます。
これらは油を吸収しにくく、柔軟性と耐久性を保てるのが特徴です。ウレタンソールでも“耐油加工済み”の記載があれば安心です。
2. グリップ力と溝の深さ
油のある床では、グリップ力の高いソール形状が命。
深めの溝や、油を逃がす排油設計の靴底を選びましょう。溝が浅いと、油膜の上でツルッと滑る原因になります。
3. 規格表示(JIS・JSAA)
「JIS T8101」や「JSAA認定」などの表記がある安全靴は、耐油性や耐滑性などの性能が基準を満たしている証です。
現場によっては規格品が必須の場合もあるため、事前に確認を。
4. 先芯の素材
鉄製の先芯は頑丈ですが重め。軽さを求めるなら、樹脂製先芯がおすすめです。
油の多い現場では、重量よりもバランスと安定感を優先すると良いでしょう。
5. 履き心地と通気性
油作業では長時間の立ち仕事も多いため、クッション性や通気性も無視できません。
中敷きに衝撃吸収材を使っているものや、メッシュ素材のアッパーが快適です。
滑りやすい現場での注意点
油や水が混ざる床は、まるで氷の上のように滑りやすくなります。
耐油性があっても靴底が摩耗していると、溝が油を逃がせず、逆に滑りやすくなることも。
定期的に靴底の状態を確認し、溝が浅くなったら早めに交換するのが安全です。
また、現場によっては「油+水+粉塵」という複合汚れも発生します。
その場合は、靴底に目詰まりしにくい構造を選び、使用後にしっかり洗浄・乾燥させましょう。
おすすめの耐油性安全靴10選
ここからは、油の多い現場でも安心して使える人気モデルを紹介します。
いずれも「耐油性」+「滑りにくさ」+「履きやすさ」を兼ね備えた信頼のあるモデルです。
1. アシックス ウィンジョブ CP304 BOA
高いグリップ性能とBoaフィットシステムを搭載。油分の多い工場や整備現場でも安定感抜群です。クッション性にも優れ、長時間作業にも対応。
2. ミドリ安全 G3550シリーズ
耐油・耐薬品性を両立した人気シリーズ。ウレタン二層ソールで油による劣化を防ぎ、クッション性も高い。食品工場でも採用例多数。
3. PUMA SAFETY VELOCITY 2.0
ドイツ発のスタイリッシュ安全靴。耐油ラバーソールと衝撃吸収インソールを採用し、油まみれの床でも滑りにくい設計。
4. TULTEX 51656
制電+耐油+軽量を実現したモデル。4Eワイド設計で履きやすく、現場作業から運送業まで幅広く対応します。
5. ミズノ オールマイティ LS II
耐油ラバーソールに加え、スポーツシューズ由来の軽量構造で快適。動きやすく、屈曲性も高い人気モデル。
6. ディアドラ FINCH
耐油・耐滑仕様で、アウトソールに油を逃がす溝構造を採用。ソールの減りが少なく、長く履ける点も魅力です。
7. XEBEC 85122
ニトリルゴムソール採用で油に強く、通気性のあるメッシュアッパーでムレにくい。コスパに優れた定番モデル。
8. 弘進ゴム セーフティスニーカー KR-7400
完全防水仕様ながら耐油性能も高く、厨房・食品工場に最適。滑り止め力も強化された現場特化型モデルです。
9. Simon WS33R
JIS規格対応の高耐久モデル。油や溶剤が多い現場での長時間使用に耐え、革の質感も上質。
10. KEN’S FIELD KF-890
油・薬品・水に強いハイブリッドソール仕様。リーズナブルながら、軽量で履き心地が良い点が人気の理由です。
長く履くためのメンテナンス方法
耐油性安全靴の寿命は、使い方とケア次第で大きく変わります。
特に油が付着したまま放置すると、靴底の耐油素材でも徐々に性能が落ちていきます。
- 使用後はブラシで溝を掃除し、油汚れは中性洗剤で軽く洗浄。
- 直射日光やストーブで乾かすのはNG。自然乾燥でじっくり乾かす。
- 靴底が硬化したり、溝が消えたら早めに買い替え。
これだけでも安全性と快適性を長く保つことができます。
現場に合った一足を選ぶコツ
安全靴は「機能のバランス」で選ぶのが正解です。
油が多いなら“耐油+耐滑”、水が多いなら“防水+耐油”、電気機器の近くなら“制電+耐油”と、現場の条件に合わせて組み合わせることが大切です。
また、靴のサイズ感やフィット感も軽視できません。
滑りやすい床では、足が靴の中で遊ぶとバランスを崩しやすくなるため、ピッタリとした履き心地を選びましょう。
まとめ|耐油性に優れた安全靴で、滑らない安心を手に入れよう
油にまみれた床で作業するなら、普通の安全靴ではすぐに傷みます。
耐油性に優れた安全靴は、靴底の劣化を防ぎ、長期間グリップ力を維持してくれる頼もしい相棒です。
最後にもう一度。
選ぶときは「耐油性+耐滑性+履き心地」の3点をチェック。
そして定期的なケアを忘れずに、現場で安心して働ける一足を見つけてください。


