山を歩くのが好き。でも「登山靴は重くて疲れる」「もっと軽くて動きやすい靴がいい」と感じたことはありませんか？
最近では、ランニングシューズを登山やハイキングに活用する人が増えています。軽くて快適、しかもグリップ力もある——そんな万能シューズがあれば、山歩きがぐっと楽しくなるはずです。
ここでは、登山にも使えるランニングシューズを選ぶときのポイントや、おすすめのモデルを紹介します。
ランニングシューズが登山にも使える理由
一見すると、登山靴とランニングシューズはまったく違うカテゴリーの靴に思えます。でも、実は最近のランニングシューズ、特に「トレイルランニングシューズ」は、登山でも頼れる存在になっています。
軽量で疲れにくい
登山靴は片足600g前後のものが多く、長時間歩くとどうしても疲れが出ます。その点、ランニングシューズは片足300g台のものもあり、足さばきが圧倒的に軽快。特に低山や日帰り登山なら、軽量な靴のほうがペースも保ちやすく、体力の消耗を抑えられます。
グリップ力が高い
トレイルランニング用モデルは、不整地やぬかるみを走るために、ソールのラグ（突起）が深く設計されています。Vibram（ビブラム）やContagripといった高性能ラバーを使ったモデルなら、岩や濡れた木道でもしっかり地面を捉えられます。
多用途でコスパが良い
「登山専用」と「ランニング専用」をそれぞれ買うのは大変ですが、トレイル対応のランニングシューズなら両方カバー可能。ジョギングからハイキングまで、1足で幅広く活躍してくれるのが魅力です。
登山に使うランニングシューズの選び方
登山で安全に使うには、ただ軽いだけでは不十分です。路面や荷物の重さに応じて、しっかりした構造を選びましょう。
1. アウトソールのグリップ力を最優先に
登山では滑らないことが第一条件。
ソールのラグ（突起）が深く、ゴムの素材が柔らかくて地面を掴むタイプが理想です。泥や小石が詰まりにくい構造なら、雨上がりの登山道でも安心です。
「Vibram MegaGrip」や「Contagrip」などのソール名が記載されているモデルは、登山にも対応しやすい仕様です。
2. クッション性と安定性のバランスを確認
軽量化が進むランニングシューズですが、登山では岩や段差を踏むことも多く、足裏への衝撃が強くなります。クッション性が不足すると膝や腰に負担がかかるため、ミッドソールに反発と安定性を両立したモデルを選びましょう。
3. 防水性・通気性を考慮する
晴天の低山ではメッシュアッパーで通気性重視、雨や泥道では防水仕様が便利です。
ゴアテックス（GORE-TEX）搭載モデルはやや重くなりますが、急な天候変化でも靴内を快適に保てます。
4. ローカットかミドルカットか
ローカットは軽くて動きやすい反面、足首のサポートが弱め。荷物が重い登山や岩場では、ミドルカットタイプのトレイルランニングシューズが安心です。
5. フィット感を妥協しない
登山では下り坂で足先が前に滑りやすいため、ランニングよりも少しタイトめのフィット感が理想。靴下を厚めにする場合は、その分の余裕も見てサイズを選びましょう。
登山にも使えるランニングシューズのおすすめモデル
ここからは、実際に登山にも使いやすい人気モデルを紹介します。いずれも軽量性とグリップ力に優れ、日帰り登山やトレイルハイクに最適です。
Salomon XA PRO 3D
サロモンの定番アウトドアモデル。安定性とグリップのバランスが良く、岩場やぬかるみでも滑りにくい設計です。3Dシャーシ構造で横ブレを抑え、足元が不安定な山道でも安心感があります。
Altra Lone Peak 9
つま先が広めの「ゼロドロップ設計」が特徴。自然な足運びができるため、長時間歩いても疲れにくいモデルです。ソールの突起が深く、トレイルやガレ場でもしっかり地面を掴みます。軽量性と耐久性の両立が魅力。
Nike Pegasus Trail 5
ランニングの快適性を保ちながら、山道にも対応できる万能タイプ。クッション性が高く、登山初心者にも使いやすいバランス設計です。舗装路からトレイルへの移行もスムーズで、街と山を行き来する人にぴったり。
adidas Terrex Tracefinder 2
防水機能「Climaproof」を搭載したアディダスのアウトドアライン。滑りやすい岩場や濡れた道でも安定感があります。耐久性が高く、コストパフォーマンスにも優れたモデルです。
ASICS GEL-VENTURE 10
国内ブランドの中でも特に人気の高いトレイルモデル。GELによる衝撃吸収と、厚めのソールでクッション性が抜群。軽登山やハイキングの入門モデルとして選ばれやすい一足です。
ON Cloud 6
デザイン性の高さと快適なクッション構造が特徴。ランニングや街歩きにも使える「ハイブリッドシューズ」で、軽い山歩きにも対応できます。旅行や普段使いと兼用したい人におすすめです。
ランニングシューズで登山を楽しむときの注意点
ランニングシューズは便利ですが、すべての登山に使えるわけではありません。条件や環境によっては注意が必要です。
重装備の登山には不向き
テント泊や縦走登山のように荷物が重くなると、靴の剛性が足りずにバランスを崩しやすくなります。そうした場合は、ハイカットの登山靴を選ぶのが安全です。
雨・雪・ぬかるみでは滑りやすいことも
防水仕様でないランニングシューズは、濡れた路面でグリップが弱くなったり、水が染み込むことがあります。雨予報のときは防水モデルを選ぶか、予備の靴下を持っていきましょう。
岩場・ガレ場ではソールの耐久性に注意
岩の突起でソールが削れたり、ラグが早くすり減ることも。定期的にソールの状態を確認し、滑りやすくなったら早めに交換するのがおすすめです。
軽量シューズで登山をもっと身近に
登山にも使えるランニングシューズの魅力は、「気軽さ」にあります。
重い登山靴を履かなくても、日帰りや低山なら十分安全に楽しめます。
軽やかな足取りで自然を満喫すれば、山歩きの世界がぐっと広がるはずです。
大切なのは、「どんな山に行くか」「どんな条件で使うか」を考えて、自分に合った一足を選ぶこと。
登山にも使えるランニングシューズは、アウトドアをもっと自由に、もっと快適にしてくれる相棒になります。
登山にも使えるランニングシューズで、山歩きをもっと軽快に
ランニングシューズの軽さと機能性は、今や登山の世界でも注目されています。
低山ハイクやトレイル散策、軽めの縦走なら、十分頼れる存在です。
「軽量」「グリップ力」「快適さ」。この3つのバランスが取れた一足を見つければ、あなたの登山スタイルはきっと変わります。
お気に入りのランニングシューズで、新しい山の景色を楽しんでみてください。
