ランニングを始めたけれど、「どうも足が痛くなる」「小指のあたりが擦れてマメができる」——そんな経験はありませんか？
それ、もしかすると足幅とシューズの幅が合っていないのかもしれません。
日本人の足は、欧米人に比べて「甲が高く、幅が広い」と言われています。にもかかわらず、標準幅のランニングシューズを履いてしまうと、走るたびに足が圧迫され、パフォーマンスを落とす原因になります。
この記事では、幅広足の方でも快適に走れる「ワイドモデル」のランニングシューズに注目し、その選び方とおすすめポイントを詳しく紹介します。
ワイドモデルが必要な理由
自分の足に合わないシューズを履いていると、足先や側面が当たって痛くなったり、爪が黒くなったりすることがあります。
走っているときは体重の約2〜3倍の衝撃が足にかかるため、わずかな圧迫でも積み重なれば大きな負担です。
ワイドモデルは、通常のランニングシューズより横幅がゆったり設計されており、指先や足の甲に余裕があります。
そのため、足の締め付け感を減らし、長時間走っても疲れにくいのが特徴です。
特に「親指と小指の付け根あたりがきつい」「甲が高くて靴ひもを緩めても痛い」という方は、ワイドタイプを選ぶことで快適さが大きく変わります。
「ワイド」「2E」「3E」「4E」の違いとは？
ランニングシューズの幅には「ウィズ（ワイズ）」と呼ばれる規格があります。
日本工業規格（JIS）では、B・C・D・E・2E・3E・4E…とアルファベットや数字で幅を示しており、右にいくほど広い足型向けです。
一般的に「E」は標準、「2E〜3E」が幅広、「4E」はかなり幅広なタイプ。
メーカーによっては「Wide」「Extra Wide」と英語で表記されることもあります。
たとえば、
- アシックス（ASICS） … 日本人の足型を考慮し、ワイド・エクストラワイド展開が豊富。
- ニューバランス（New Balance） … 2Eや4E、さらに6Eまで用意されているモデルもあり、幅広足の救世主的存在。
- ミズノ（MIZUNO） … ワイドフィット（3E）やスーパーワイドフィット（4E）など、細かなラスト設計。
- ナイキ（NIKE） … 基本は細身だが、特定モデルでワイド展開あり。
「ワイド」と書かれていてもメーカーによって幅感が違うため、可能なら試し履きでフィット感を確かめるのがおすすめです。
幅広シューズを選ぶメリット
1. 足の圧迫を防ぎ、長距離でも快適
足幅に余裕があることで、走行中の血流が妨げられにくくなります。
マメや靴擦れが起こりにくく、フルマラソンや長距離ジョギングでもストレスを感じにくいのが大きなメリットです。
2. フォームの安定につながる
きつい靴を履くと、足が内側や外側に押されてバランスが崩れがちです。
ワイドモデルなら、足指が自然に広がり、着地から蹴り出しまで安定したフォームを保ちやすくなります。
3. シューレース調整がしやすい
幅にゆとりがあるため、靴ひもの締め具合で細かな調整が可能です。
特に甲高の方は、アッパー素材が柔らかく伸縮性のあるものを選ぶと、よりフィットしやすくなります。
自分の足幅を知る方法
自分が本当に「幅広」かどうかは、測ってみないとわかりません。
自宅でも簡単に足囲（足幅）を測定できます。
- 紙の上に裸足で立ち、体重をかける。
- 親指の付け根と小指の付け根を通るようにメジャーをぐるっと回す。
- その長さが「足囲（そくい）」と呼ばれる数値です。
測定した数値をJISの早見表と照らし合わせると、自分がD、E、2E、3Eなどどの幅に該当するかがわかります。
特に26cm前後の男性なら、足囲が255mm以上あれば2E〜3Eにあたる場合が多いです。
試し履きのポイント
幅広モデルを探すときは、サイズ選びのタイミングや確認ポイントにもコツがあります。
- 試すのは夕方以降に。
足は1日の中でむくんで大きくなるため、夕方が実際のランニング時に近い状態です。 - ランニング用ソックスを着用。
厚さや素材によってフィット感が変わるため、普段走るときの靴下を履いて試しましょう。 - 両足を必ず履いて歩く。
人によって左右の足の大きさが違うこともあるので、片足だけの試着は避けましょう。 - つま先の余裕を確認。
つま先とシューズの先端の間に、指1本分（約1cm）のゆとりがあるのが理想です。
幅広ランナーに人気のおすすめモデル
ここでは、幅広足のランナーから特に支持を集めている代表的なモデルを紹介します。
（※モデル名は各ブランド公式情報に基づく一般的な紹介であり、購入を強く推奨するものではありません）
● ASICS GT-2000シリーズ
安定感とクッション性のバランスが秀逸なロングセラーモデル。
足幅の広い日本人向けに設計されたワイド版があり、初心者から中級者まで安心して使えます。
● New Balance Fresh Foam X 1080 v14
柔らかいクッション性と自然な足運びを両立した人気シリーズ。
ワイド幅の展開があり、長距離ランや普段履きにも快適です。
● Mizuno WAVE RIDER
安定性と反発性を両立した万能モデル。
4Eの「スーパーワイド」設計は、甲高幅広の方にも評判が高いです。
● HOKA Clifton 9 Wide
肉厚ミッドソールによるふかふかの履き心地。
ワイド仕様でも軽量で、クッション性を重視するランナーにおすすめ。
● On Cloudsurfer Next WIDE
最新の「CloudTec Phase」構造で、着地から蹴り出しまでスムーズ。
横幅にもゆとりがあり、フィット感と安定感の両立が特徴です。
幅広シューズ選びで失敗しないコツ
- 「ワイド＝緩い」と思わないこと。
ただ幅が広いだけでフィット感がないと、逆に足が動きすぎて疲れます。
ヒールや中足部のホールド性がしっかりしているか確認しましょう。 - ブランドごとの違いを理解する。
同じ「2E」でもメーカーによって広さが異なります。
可能なら店頭で実際に履き比べてみるのが確実です。 - 走る目的を明確に。
ゆったりジョグ用ならクッション性重視、スピード練習やレース用なら反発性重視のワイドモデルを選ぶと快適です。 - レビューやサイズ表を確認。
ネット購入の場合は、足幅に関するレビューを参考にするのが安心です。返品・交換が可能なショップを選ぶのも大切です。
ワイドモデルでも安定性は重要
幅広シューズの弱点として「横にブレやすい」と思われがちですが、近年は技術の進化でその欠点がほとんど解消されています。
たとえば、ミッドソールの横幅を広げて安定性を確保したり、アッパー素材に補強を入れてフィット感を高めたりと、各ブランドが工夫を重ねています。
走行中に足が靴の中で遊ぶ感覚がある場合は、靴ひもを少しずつ締めて微調整しましょう。
また、インソールを厚めに変えることでフィット感を上げる方法もあります。
ワイドモデルを履くことで得られる変化
幅広シューズに替えるだけで、走りの快適さが驚くほど変わることがあります。
- 指先が自由に動くようになる
- 長距離でも足の疲れが減る
- 靴ずれや爪の痛みが減少する
- 着地が安定し、フォームが乱れにくくなる
「もっと早くワイドにしておけばよかった」という声も多く、特に長く走るランナーほどその効果を実感しています。
幅広足でも快適に走るためのまとめ
自分に合ったランニングシューズを選ぶことは、速く走るためだけでなく、ケガを防ぐためにも大切です。
幅広足の人にとっては、足に合った“ワイドモデル”を選ぶことがその第一歩になります。
- 自分の足囲を測り、正しいウィズを知る
- ワイド・エクストラワイドなど幅展開を確認する
- 夕方に試し履きを行い、靴下込みでフィット感を確かめる
- 用途に応じてクッション性・安定性・軽量性のバランスを取る
幅広でも、フィット感・走りやすさ・見た目のスマートさを両立したモデルは増えています。
自分の足に合った一足を見つけて、ストレスのないランニングを楽しみましょう。
幅広足にも快適！ランニングシューズワイドモデルのおすすめと選び方ガイド（まとめ）
足幅が広いランナーにとって、シューズ選びは走り心地を左右する大切なポイントです。
ワイドモデルは単に“広い”だけでなく、正しいフィットとサポートを備えた頼もしい相棒。
今日からは、足に無理をさせないシューズで快適な一歩を踏み出してみてください。
