革靴といえば「硬い」「疲れる」といったイメージを持つ人も多いですが、近年は履き心地を追求した革靴が数多く登場しています。スニーカーのように柔らかく、長時間歩いても疲れにくいモデルも増え、デザイン性と快適性を両立できる時代になりました。今回は、履き心地が良い革靴を選ぶポイントと、おすすめの人気モデルを10足厳選して紹介します。
履き心地が良い革靴を選ぶポイント
製法で履き心地は変わる
革靴の履き心地を大きく左右するのが「製法」です。代表的なのはグッドイヤーウェルト製法とマッケイ製法の2種類。
グッドイヤーウェルト製法は、靴の内部にコルクを詰め、履き込むうちに自分の足の形に沈み込むのが特徴です。最初はやや硬く感じますが、履くほどに馴染んでいく“育てる靴”として愛されています。
一方、マッケイ製法は軽くて柔らかく、返りが良い（屈曲性が高い）ため、新品の状態から快適に歩けるのが魅力です。軽快さやスニーカーのような履き心地を求めるならマッケイ製法が向いています。
インソールとクッション性をチェック
長時間履くビジネスシーンでは、インソールのクッション性がとても重要です。
最近は、オーソライト（OrthoLite）やEVAフォームなど、衝撃吸収性に優れた素材を使うモデルも増えています。歩行時の衝撃を緩和し、立ち仕事でも疲れにくい仕様です。取り外し可能なインソールなら、好みに合わせて交換もできて衛生的です。
ソールの軽さと屈曲性
靴底が硬いと足が疲れやすくなるため、屈曲性の高いソールを選ぶのもポイントです。ゴム素材や軽量EVAソールなどは柔軟性があり、自然な足の動きをサポートしてくれます。片足300g前後の軽量設計モデルもあり、毎日の通勤や出張にぴったりです。
アッパー素材とフィット感
履き心地を決めるもう一つの要素が「足への馴染みやすさ」。上質なフルグレインレザーや柔らかいカーフレザーを使った靴は、履くほどに足にフィットしていきます。さらに、裏地（ライニング）が柔らかいレザーやメッシュ素材なら、靴擦れを防ぎつつ通気性も確保できます。
用途に合ったタイプを選ぶ
革靴といっても、フォーマルからカジュアルまで幅広い種類があります。
・営業・通勤など長時間歩く人 → クッション性と軽量性を重視
・立ち仕事 → 屈曲性・安定感・滑りにくさを重視
・オフスタイル → 柔らかいスリッポンやチャッカブーツ系
自分のライフスタイルに合った仕様を選ぶことで、快適さが格段に変わります。
履き心地が良い革靴おすすめ10選
ここからは、快適性とデザイン性の両立に優れた革靴を10モデル紹介します。どれも実際のユーザーから高い評価を得ている定番・人気ブランドです。
1. REGAL
日本を代表する老舗ブランド。グッドイヤーウェルト製法のしっかりした造りが特徴で、履き込むほどに足に馴染みます。最近では柔らかいラバーソール仕様の軽量ラインも展開されており、伝統と快適性を両立しています。
2. Scotch Grain
国内の職人仕立てによる丁寧な靴づくりが魅力。中底にコルクを詰めたグッドイヤー製法で、履くほどに沈み込む感覚が心地よいです。国産ながらコストパフォーマンスも高く、長く愛用できる一足です。
3. 三陽山長
高級ラインに位置づけられる日本ブランド。足の形を研究した木型と、しなやかな革の組み合わせで履き心地は抜群。ビジネスシーンでもエレガントな印象を与えます。
4. TEXCY LUXE
アシックス商事が開発した「スニーカーのような履き心地の革靴」。オーソライトインソールや軽量EVAソールを採用し、通勤や立ち仕事でも疲れにくい仕様です。革靴特有の堅さが苦手な人におすすめ。
5. Clarks Desert Boot
英国発ブランド。ソールにクッション性の高い素材を使用し、ふわっと包み込むような履き心地が人気です。Clarks Wallabeeなどの定番モデルは、カジュアルにも合わせやすく、足馴染みの良さに定評があります。
6. Paraboot シャンボード
フランスの名門ブランドで、ソールのグリップ力と耐久性が魅力。代表作「シャンボード」は、厚めのラバーソールと柔らかなレザーで、アウトドアシーンにも通用する快適さ。重厚感がありながら、歩きやすさも兼ね備えています。
7. Alden
アメリカを代表する高級靴ブランド。コードバン素材の美しさに加え、履き込むほどに自分の足型にフィットしていくグッドイヤー製法。厚みのあるインソールでクッション性も高く、長時間歩いても疲れにくいと評判です。
8. Church’s シャノン
英国靴の代表格。伝統的な製法に最新の素材を組み合わせ、クラシックでありながら履き心地にも妥協がありません。特に「シャノン」や「Church’s コンサル」は足当たりが柔らかく、長年の定番として愛されています。
9. J.M. Weston
フランスの高級ブランドで、「ローファーの最高峰」と呼ばれるモデルも。しなやかな革と足裏にフィットするインソールの組み合わせで、足を包み込むような履き心地。長く履き続けるほどに味わいが増します。
10. Hender Scheme
東京発の革靴ブランドで、モダンなデザインと柔らかい履き心地を両立。厚みのあるインソールと軽量ソールにより、革靴とは思えないほど軽快です。ファッション性も高く、日常使いにもぴったり。
快適に履き続けるためのメンテナンス
どんなに履き心地の良い革靴でも、手入れを怠ると硬化や型崩れの原因になります。
・履いた後はシューキーパーを入れて湿気を取る
・1日履いたら1日休ませる
・定期的にクリームで保湿して革を柔らかく保つ
この3点を意識するだけで、快適さと寿命が大きく変わります。
また、グッドイヤー製法の靴ならソール交換も可能。定期的なメンテナンスで何年も愛用できます。
履き心地が良い革靴で毎日を快適に
革靴は「痛い」「疲れる」と敬遠されがちですが、正しい選び方をすればスニーカーに負けない快適さを得られます。製法、素材、インソール、ソールの返り——これらをバランスよく備えた靴こそ、本当に履き心地が良い革靴です。
上質な一足を選べば、見た目も気分も引き締まり、毎日の通勤や外出がぐっと快適になります。ぜひ自分の足に合った“理想の一足”を見つけてください。
