作業現場で欠かせない「安全靴」。でも、いざ選ぼうとすると種類もメーカーも多くて迷ってしまいますよね。この記事では、安全靴メーカーの特徴や人気ブランドの違いを分かりやすく比較しながら、失敗しない選び方のポイントを紹介します。国内メーカーから海外ブランドまで、今注目されているモデルも交えて解説します。
安全靴とは?知っておきたい基本と規格
安全靴は、落下物や釘、油など、現場での危険から足を守るために設計された靴です。一般的なスニーカーとは違い、つま先に「先芯」と呼ばれる補強材(鉄や樹脂など)が入っていて、耐圧や踏み抜き防止などの性能が求められます。
日本では「JIS T8101(安全靴)」や「JSAA(プロテクティブスニーカー)」といった規格に基づいて製造され、性能基準を満たすことで「安全靴」として認められます。JIS規格は主に工場や建設現場などハードな環境向け、JSAA規格は軽作業向けに使われることが多いです。
また、最近は防水・静電気防止・耐滑・耐油など、用途に合わせて機能を細かく選べるようになっています。安全靴=重い・暑いというイメージも過去のもの。スポーツシューズのような履き心地とデザイン性を兼ね備えたモデルが増えています。
人気の国内安全靴メーカーを比較
ミドリ安全 ― 日本の老舗メーカー
1950年代から安全靴を作り続けてきたミドリ安全は、業界トップクラスのシェアを誇る老舗ブランド。自社で先芯からソールまで一貫生産する品質の高さが強みです。建設現場や工場など、プロの現場で長年信頼されてきた実績があります。
機能性では、耐滑・耐油・静電気防止など現場ごとのニーズに合わせたラインナップが豊富。見た目が「作業靴っぽい」と言われることもありましたが、最近はスタイリッシュなデザインの新モデルも増えています。長く履ける信頼性を重視するなら外せないメーカーです。
アシックス ― スポーツ技術が光る快適モデル
スポーツシューズで有名なアシックスは、安全靴分野でも人気急上昇中。代表シリーズ「ウィンジョブ」は、スニーカーのような履き心地で「一日中履いても疲れにくい」と評判です。
独自開発のCPソールは縦横斜めの動きに強く、滑りにくい構造。さらに、かかとには衝撃を和らげるαGELを採用しています。軽量でフィット感も高く、立ち仕事や移動が多い現場にぴったり。価格はやや高めですが、「足の疲れにくさ」で選ぶ人が多いブランドです。
シモン ― 高コスパと堅実な品質
兵庫県に本社を構えるシモンは、堅実なつくりと価格のバランスが取れた安全靴メーカー。国内生産を軸にしつつ、海外工場も活用して安定供給を実現しています。
特に「耐久性」と「コストパフォーマンス」に優れており、初めて安全靴を買う人や企業導入に向いています。デザイン性よりも機能重視のため、シンプルで落ち着いた見た目が多いのも特徴です。
丸五・ノサックス・アイトスなど
国内の中小メーカーも実力派が揃っています。丸五は地下足袋の技術を応用した柔軟な履き心地、ノサックスは幅広設計と軽量性で人気。アイトスはデザインとコスパを両立したモデルを展開しています。用途や職種によっては大手メーカーよりもフィットするケースもあります。
海外ブランドの安全靴も人気上昇中
プーマセーフティ ― 見た目も履き心地も抜群
ドイツのスポーツブランド・プーマが展開する「PUMA SAFETY」は、デザイン性と軽量性が魅力。スポーティでおしゃれな外観ながら、JSAA認定の保護性能を備えています。軽作業や物流など、動きやすさが求められる現場で人気です。
通気性やクッション性も高く、長時間履いても蒸れにくいのがポイント。ただし、重作業には向かないモデルもあるため、用途に応じて選ぶことが大切です。
コンバース・ニューバランスなど
カジュアルブランドとしておなじみのコンバースやニューバランスも、安全靴市場に参入しています。スニーカー感覚で履ける「プロテクティブスニーカー」として、見た目を重視する職場やイベント業などで注目されています。
ファッション性が高く、若い世代にも人気。ただし、JIS規格に対応していないモデルもあるため、職場の規定を確認してから購入するようにしましょう。
安全靴を選ぶときのポイント
1. どんな現場で使うかを考える
屋外作業が多いなら防水・耐滑仕様、工場内なら静電気防止機能など、現場環境によって必要な性能が違います。
釘や鉄片の多い現場では「踏み抜き防止中底」が必須。雨の日や油が多い床では「耐滑・耐油ソール」が安心です。
2. 先芯素材の違いを理解する
安全靴の心臓部である先芯には、主に3種類あります。
- スチール(鉄):強度が高く、重作業向き。
- 樹脂:軽量で、電気・磁気の影響を受けにくい。
- アルミ・複合素材:軽さと強度を両立。
最近はガラス繊維強化樹脂など、軽くて丈夫な素材も増えています。
3. 履き心地・フィット感をチェック
一日中履くことを考えると、軽さ・クッション性・フィット感は重要。足の形に合っていないと疲労が溜まりやすくなります。
ワイズ(足幅)表記も確認し、3Eや4Eなど幅広サイズを選ぶと安心です。BOAダイヤル式など、素早く締められるタイプも便利です。
4. サイズ選びと履き替えタイミング
新品のうちはややきつめに感じるくらいがちょうど良いです。使ううちにアッパーがなじんできます。
ソールのすり減りや先芯の変形が見られたら早めの交換を。一般的には半年〜1年が交換目安とされています。
トレンド機能で快適性アップ
ここ数年で増えているのが「軽量・通気・おしゃれ」を兼ね備えたモデルです。
特に注目されているのは次のような機能です。
- 軽量設計:従来比で100〜200g軽いモデルも。長時間の立ち仕事でも疲れにくい。
- BOAフィットシステム:ダイヤルを回すだけでフィット。脱ぎ履きの多い現場に便利。
- 通気・防水素材:蒸れにくく、雨の日でも快適。
- デザイン性:黒・白・ネイビーなどの定番色に加え、差し色を使ったスポーティなモデルも増加。
「安全靴=作業用」という固定観念を覆すような、ファッション性の高いモデルが市場を広げています。
用途別おすすめの考え方
- 建設・土木現場:耐久性と保護性能を重視。JIS規格モデルやスチール先芯タイプが安心。
- 工場・製造業:静電気防止や軽量性を重視。通気性のあるメッシュモデルが人気。
- 物流・倉庫:長時間移動するため軽量でグリップ性の高いタイプを。
- 屋外・寒冷地:防水・防寒・反射材付きモデルを選ぶと安全性アップ。
用途に合わない安全靴を選ぶと、思わぬ疲労や事故につながることも。見た目だけでなく、機能のマッチングが重要です。
コストと耐久性のバランスを考える
「安いから」とすぐに決めてしまうと、すぐ壊れて結果的にコスパが悪くなることもあります。
耐久性の高いモデルは初期費用こそ高めですが、長期的にはお得。特にミドリ安全やシモンなどの国内メーカーは、修理対応や交換サポートがしっかりしています。
逆に「軽作業中心」「週数回しか使わない」なら、アシックスやプーマの軽量モデルもおすすめ。用途と頻度を見極めて選びましょう。
安全靴メーカー比較まとめと選び方の結論
安全靴メーカーは数多くありますが、それぞれ強みが違います。
- 品質重視派はミドリ安全やシモン。
- 履き心地・軽さ重視派はアシックス。
- デザイン重視派はプーマやニューバランス。
- コスパ重視派は丸五やノサックス。
大切なのは、「どんな現場で」「どれくらいの頻度で」使うかを考えること。性能・快適性・価格のバランスを取りながら、自分の作業スタイルに合った一足を選びましょう。
安全靴は毎日の仕事を支える相棒です。信頼できるメーカーの一足を選べば、快適さも安全性も格段にアップします。
あなたにぴったりの安全靴メーカーを見つけて、安心して現場に立ちましょう。


