ランニングを始めたばかりの方にとって、「どんなシューズを選べばいいのか」は最初の大きな悩みです。最近では、厚底タイプのランニングシューズが注目を集めていますが、「初心者でも履いていいの？」「上級者向けじゃないの？」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。
実は、選び方を間違えなければ、厚底シューズは初心者の足をしっかり守ってくれる心強い味方なんです。この記事では、厚底ランニングシューズの特徴から、初心者が選ぶときのポイント、さらにおすすめモデルまでまとめてご紹介します。
厚底ランニングシューズの魅力とは？初心者にも嬉しい理由
厚底ランニングシューズの最大の特徴は、ミッドソール（靴底のクッション部分）が厚く、衝撃を吸収する力が高いこと。
走るたびに地面から受ける衝撃は、体重の2〜3倍にもなると言われています。初心者はまだ脚の筋力が十分でないため、この衝撃をモロに受けやすい状態。そこで厚底シューズの柔らかなクッションが、膝や足首への負担を減らしてくれます。
また、ソールが厚い分、前方へ転がるように進む「ロッカー構造」が採用されているモデルも多く、自然に脚が前に出やすいのもポイントです。「頑張って走っている感覚」ではなく、「気づいたら進んでいた」という軽快な走りを体感できるのは、厚底ならではの魅力です。
厚底シューズの注意点：合わないモデルを選ぶと逆効果に
一方で、どんな厚底シューズでも初心者に合うわけではありません。
厚底タイプの中には、反発力を極めたレース用のモデルもあり、これは上級者向け。反発が強すぎるとフォームが崩れやすく、膝や腰に負担をかけることもあります。
また、ソールが厚いぶん地面との距離が遠くなり、接地感がわかりづらくなる点も。クッションが柔らかすぎると「沈み込む感じ」が出て、バランスを崩しやすくなります。
つまり、初心者に必要なのは“やわらかさと安定性のバランスが取れた厚底”です。
初心者が厚底ランニングシューズを選ぶときのポイント
1. クッション性＋安定性のバランスを見る
厚底＝柔らかいほど良い、というわけではありません。足裏が沈みすぎると安定感を失いやすいため、適度な反発力がある素材を選びましょう。着地時に「フワッ」と受け止めつつ、すぐ次の一歩に移れるくらいの反発性が理想です。
2. アウトソールの接地面が広いモデルを選ぶ
初心者には、ソールの幅が広めのタイプがおすすめ。地面に触れる面積が大きいほどブレにくく、安定した着地ができます。特に踵（かかと）部分が広いモデルは、ヒールストライク（踵着地）になりやすい初心者にも向いています。
3. サイズ選びは慎重に
つま先に1cm程度の余裕を持たせ、足幅（ワイズ）も確認しましょう。日本人は甲高・幅広の人が多いため、「2E」や「3E」などのワイドサイズ対応モデルをチェックするのもポイント。靴下を履いた状態での試し履きも忘れずに。
4. 軽さよりも脚の保護を優先
軽量モデルは速く走るには有利ですが、初心者が使うにはクッション性が不足しがち。まずは脚を守ることを重視し、多少重くても安心して走れるモデルを選びましょう。
5. いきなり長距離を走らない
厚底シューズは最初、感覚に慣れるまで時間がかかります。履き始めはウォーキングや短いジョグからスタートし、少しずつ距離を伸ばすと無理なく使いこなせます。
初心者におすすめの厚底ランニングシューズ5選
ここからは、初心者でも安心して履ける代表的な厚底ランニングシューズを5モデル紹介します。いずれもクッション性・安定性・履き心地のバランスが良く、走り始めの一足として人気です。
① ナイキ リアクト インフィニティ ラン フライニット 4
ナイキの厚底ラインの中でも、初心者向けとして高い評価を受けているモデル。リアクトフォームのクッションが柔らかく、踵からつま先への重心移動がスムーズです。ロッカー形状による自然な前進感もあり、ジョギングから10km程度まで快適に走れます。
② アシックス ゲルニンバス 26
アシックスの定番厚底シリーズ。PureGELテクノロジーとFF BLAST+ ECO素材によるソフトな着地感が特徴です。日本人の足型に合いやすく、ワイド展開も豊富。長時間走っても疲れにくい設計で、初心者が「最初の一足」に選びやすい安心感があります。
③ ホカ クリフトン 9
厚底ブームを牽引したブランド「ホカ（HOKA）」の人気モデル。見た目ほど重くなく、非常に軽快な履き心地です。ゆりかごのようなロッカー形状で、着地から蹴り出しまでの動きがスムーズ。足を包み込むような安定感で、長距離のジョグにも対応します。
④ ニューバランス フレッシュフォーム X 1080 v13
クッションと反発のバランスが絶妙な一足。柔らかさだけでなく、踏み出す力をサポートする反発性も備えています。フィット感が非常に高く、長く履いても違和感が出にくいのが特徴。見た目の厚底感よりも軽やかな走りを実感できます。
⑤ アディダス スーパーノヴァ ライズ
初心者向け厚底として注目の新シリーズ。Dreamstrike+フォームが足裏の衝撃を吸収しつつ、自然な弾みを生み出します。安定性を重視した設計で、ランニングだけでなくウォーキング用途にも使いやすい万能タイプです。
厚底シューズを上手に使いこなすコツ
厚底シューズを買ったら、まずは“慣らし期間”を設けること。最初の数回は短い距離でフォームを確認しながら走り、脚の使い方を覚えていきましょう。
走るたびに足裏がどこで着地しているか、左右のバランスは取れているかを意識するだけでも、怪我の防止につながります。
また、シューズの寿命にも注意。一般的にランニングシューズは500〜700kmが目安とされています。ソールがすり減ったり、クッションがつぶれてきたら買い替え時期です。厚底タイプは素材の反発性が命なので、定期的に状態をチェックしましょう。
まとめ：初心者でも厚底ランニングシューズで快適に走れる！
厚底ランニングシューズは、正しく選べば初心者にとっても大きな味方です。
クッション性が高く、脚への負担を軽減し、自然な走りをサポートしてくれます。ただし、反発が強すぎる上級者向けモデルは避け、安定性のあるタイプを選ぶのがコツ。
今回紹介した5つのモデルはいずれも初心者に評判が高く、走る楽しさを感じながら継続できるラインナップです。
自分の足に合う一足を見つけ、厚底の力で快適なランニングライフをスタートしてみてください。
