レッドウィングのブーツを買ったとき、「インソールって入れたほうがいいの？」と迷ったことがある人は多いでしょう。
結論から言うと、「履き方」「サイズ」「使うシーン」によって答えは変わります。この記事では、インソールを“入れる派”と“入れない派”の両方の考え方を整理し、純正インソールの特徴や着用感の違いを詳しく見ていきます。
レッドウィングは「インソールなし」で完成する靴？
まず知っておきたいのは、レッドウィングというブランドの設計思想。
このブーツは、もともと「中底のレザー」と「コルク層」が足の形に沈み込み、履き込むほどに足になじむ構造で作られています。スニーカーのようなふわふわしたクッション性ではなく、「堅牢さ」「耐久性」「経年変化」を重視した造りです。
そのため、新品の状態でジャストサイズを選んでいる場合、インソールを追加すると靴内が窮屈になり、フィット感が崩れることがあります。
レッドウィングのブーツは最初こそ硬いですが、履き込むうちにコルクが沈み、足の形にピッタリ合うようになります。これが“育てる靴”と呼ばれる理由です。
実際、「何も入れずに履くのが一番しっくりくる」「インソールを入れると足先が当たって痛い」という声も多く、純正の状態を好む人は少なくありません。
「インソールなし」で履くメリットとデメリット
メリット
- 設計通りのフィット感を楽しめる
ブーツ本来のワイズ（足幅）や甲の高さが保たれ、足の収まりが自然。靴全体が一体となる履き心地を感じられます。 - 経年変化をしっかり味わえる
中底のコルクが沈み込み、時間をかけて自分の足型に変化。履くほどに「自分専用のブーツ」に仕上がります。 - 圧迫感がない
インソールを入れると高さが減り、特につま先や甲がきつくなりがち。素のままならその心配がありません。
デメリット
- クッション性が低い
長時間の歩行や立ち仕事では、足裏やかかとに疲れを感じやすくなります。コンクリートの上を長時間歩くと、衝撃が直に伝わることも。 - サイズ調整ができない
少し大きめサイズを選んだ場合、靴の中で足が動いてしまうことがあります。そんなときは、インソールで微調整するほうが快適です。
「何も入れない」選択肢は、ブーツらしさを大切にしたい人や、足にピッタリ合ったサイズを選んでいる人には理想的ですが、万人に合うわけではありません。
インソールを入れることで得られる快適性
では、インソールを入れるとどんな変化があるのでしょうか。
純正品や市販のものを入れると、主に以下のような効果が得られます。
- 衝撃吸収による疲労軽減
柔らかい素材やアーチサポート付きのインソールを使うことで、足裏の負担を軽減できます。特に立ち仕事や長距離歩行では違いが顕著です。 - サイズの微調整ができる
「少し緩い」と感じる靴も、インソールを入れるだけでフィット感が向上。足の前滑りやかかとの浮きを防ぎます。 - 衛生的にもプラス
汗やにおいが気になるとき、インソールを入れておけば取り外して洗えるため、ブーツ内部を清潔に保てます。
ただし、入れるインソールの厚みや硬さによっては、かえって窮屈になったり、足の位置が変わって歩きにくくなったりすることも。
つまり「どんなインソールを選ぶか」が重要になります。
純正インソールの特徴と使いどころ
レッドウィングは、公式でもいくつかのタイプの純正インソールを販売しています。代表的なのは次の2種類です。
- フラットタイプ（薄型）
厚みはおよそ0.5cm程度で、軽くて蒸れにくい素材を使用。硬いブーツ底に少しだけクッション性を足したい人に最適です。履き心地を変えすぎず、自然に快適性をプラスできます。 - アーチサポートタイプ（厚型）
かかとを包み込む形状で、土踏まずを支える構造。サイズが少し大きいブーツや、歩行時の安定感を高めたい人向けです。
どちらも「純正であること」の安心感があり、ブーツの設計バランスを大きく崩さずに使える点が魅力。
ただし、厚めのタイプはサイズや履き心地が変わるため、店頭で試すか、まずは薄型から試してみるのがおすすめです。
サードパーティー製インソールとの違い
純正品のほかに、スポーツ用品メーカーやワークブーツ専門ブランドが出しているインソールを使う人も増えています。
たとえば、衝撃吸収素材を採用したものや、アーチサポートが強いタイプなど、機能性は多彩です。
こうした製品のメリットは「クッション性」「サポート力」「姿勢補正効果」など。
一方で、ブーツ本来の硬さや安定感を失いやすく、「レッドウィングらしい履き心地」が薄れてしまうこともあります。
特にエンジニアブーツやペコスブーツなど、紐で調整できないモデルでは、厚めのインソールを入れると足が圧迫されやすいので注意が必要です。
インソールを入れたほうがいい人・入れないほうがいい人
どちらの選択が正解かは、目的と足の状態で変わります。
以下のように整理すると判断しやすいです。
インソールを入れたほうがいい人
- 長時間歩く・立ち仕事が多い
- 足裏やかかとに疲れやすさを感じる
- サイズが少し大きくてゆるい
- 偏平足・ハイアーチなど、足の形に癖がある
インソールを入れないほうがいい人
- ジャストサイズで購入している
- ブーツの硬さや重厚感を楽しみたい
- 足が蒸れやすい・圧迫が苦手
- 経年変化を大切にしたい
インソールは単なる「快適アイテム」ではなく、ブーツの個性を変える存在です。
そのため、「快適性」か「本来の履き味」か、どちらを優先したいかで選ぶのが賢明です。
レッドウィングの履き心地を最大限に生かすコツ
もしインソールを入れるなら、次の3点を意識するだけで失敗しにくくなります。
- 厚みを確認する
純正以外を選ぶ場合でも、厚さが1cmを超えるものは避けたほうが無難。かかとが持ち上がりすぎて履き口に当たることがあります。 - フィット感をチェックする
インソールを入れた状態でつま先や甲に余裕があるか確認。履いて少し歩き、足の前滑りや圧迫がないかを確かめましょう。 - ブーツの目的に合わせる
街歩き中心ならクッション性重視、作業用やアウトドアなら安定性重視。ブーツの用途とインソールの特性を一致させるのがポイントです。
レッドウィングにインソールはいらない？最後に伝えたい選び方の基準
結局のところ、「レッドウィングにインソールはいらないか？」という問いに、ひとつの正解はありません。
履く人の目的、足の状態、そして“ブーツに何を求めるか”によって答えは変わります。
ブーツ本来の魅力を味わいたいなら、まずはインソールなしで履き込んでみる。
もし疲れや痛みを感じたら、そのとき初めて薄めのインソールを試す。
この順番が一番おすすめです。
レッドウィングは、時間とともに足に馴染む“育てる靴”です。
まずはその設計を信じて履き込み、自分の足とブーツの関係を育てながら、必要に応じてインソールを加える。
それこそが、長く快適に履き続けるための最良の方法と言えるでしょう。
