「普段履いているランニングシューズで、そのままゴルフできないかな?」
そんな疑問を持ったことはありませんか。クッション性が高く、軽くて歩きやすいランニングシューズは、長時間のラウンドでも足が疲れにくそうですよね。
一方で、ゴルフシューズにはスイングの安定性や芝でのグリップ力など、専用設計ならではの強みもあります。
ここでは、ランニングシューズをゴルフに使うときの快適性やスイングへの影響、メリットとデメリットを徹底的に掘り下げていきます。
ランニングシューズとゴルフシューズの構造的な違い
まず押さえておきたいのは、両者の「設計思想の違い」です。
ランニングシューズは、前方への推進力と衝撃吸収を目的に作られています。走るとき、かかとや前足部への衝撃をいかに和らげるかが重要です。そのため、柔らかいミッドソールや反発素材が使われ、クッション性を最大限に高めています。アスファルトなど硬い路面を想定しているため、安定よりも“軽快さ”を重視したつくりです。
一方、ゴルフシューズはまったく逆。
芝の上で滑らず、スイング時にしっかり体を支えられることが最優先です。横方向の安定性や、体重移動時のグリップ性能が求められます。スパイクやスパイクレスといったアウトソールの突起構造も、芝のグリップを確保するためのものです。
つまり、ランニングシューズが“前に進むための靴”なのに対し、ゴルフシューズは“その場で踏ん張るための靴”。
目的が違えば、当然得意な場面も変わってきます。
ランニングシューズでゴルフをするメリット
それでもランニングシューズを選ぶ人がいるのは、やはり“歩きやすさ”という魅力があるからです。
1. 長距離歩行の疲労を軽減できる
ゴルフは1ラウンドで5〜10kmほど歩くスポーツ。特にカートを使わないコースでは、足への負担が大きくなります。
ランニングシューズのクッション構造は、この長距離移動時に威力を発揮します。柔らかく反発するソールは、足裏や膝への衝撃を吸収し、終盤まで快適に歩き続けられるでしょう。
2. 軽量で足取りが軽くなる
多くのゴルフシューズは安定性を重視するため、やや重量があります。
その点、ランニングシューズは軽量設計。ラウンド中の“疲労感の少なさ”では大きな差が出ることもあります。
特に初心者やレジャー感覚でプレーする人には、気軽に使いやすい点が魅力です。
3. カジュアルなスタイルにマッチ
最近は服装が自由なコースも増え、スニーカーライクな装いでも違和感がありません。
ランニングシューズなら街歩きの延長のような感覚でプレーできるため、ファッション的にも取り入れやすい選択肢です。
ランニングシューズでプレーする際の注意点とデメリット
もちろん、良い点ばかりではありません。ゴルフにおいては「安定性」こそがスイングの土台。ここにおいてランニングシューズは不利になる場面が多いです。
1. スイング時に足が滑る可能性
ランニングシューズのソールは、舗装路を想定したフラット構造です。芝の上ではトラクション(滑り止め)性能が足りず、バックスイングやインパクトで足がズルッと動いてしまうことも。
特に湿った芝や傾斜地では、グリップ不足が顕著になります。
2. 横方向の安定性が不足
ゴルフのスイングは、前後よりも“横の動き”が大きいスポーツです。
体重を右足から左足へ移動させながら、腰をひねり、回転力をボールに伝えます。
この横方向の動きに対して、ランニングシューズは構造的に弱いのです。柔らかいソールやニット系アッパーは、踏み込み時に足がブレやすく、インパクトの再現性を損ねるリスクがあります。
3. 芝や砂地でのグリップが不十分
ランニングシューズのアウトソールは舗装路やトラック用。芝やバンカーの砂地、ラフなどでは食い込みが浅く、スイング時に足がずれることがあります。
滑りによるスイングの乱れは、方向性や飛距離のバラつきにも直結します。
スイングへの影響 ― 地面反力と安定性の関係
ゴルフスイングにおいて「地面反力」という言葉があります。
地面をしっかり踏み込み、その反発を利用して体を回転させ、クラブヘッドスピードを上げる――この動作において、足裏の安定性は極めて重要です。
ランニングシューズでは、ソールが柔らかく沈み込みやすいため、地面からの反力を効率よく伝えにくいといわれています。
また、足裏がわずかに動くだけでも、スイングプレーン(クラブ軌道)が変わり、ショット精度に影響が出ます。
特にヘッドスピードが速いプレーヤーほど、足の安定性が飛距離と方向性を左右するため、注意が必要です。
ランニングシューズが使えるシーン・使えないシーン
こんなときは使ってもOK
- 練習場での軽い打ち込みやフォームチェック
- 芝が短く、地面が固いドライコース
- 歩行をメインにしたエンジョイラウンド
- カート利用中心で、足場が安定しているコース
これらの環境では、滑るリスクが小さく、快適性を優先しても問題ありません。
むしろ「足が疲れにくい」「長く歩いても痛くならない」という点で利点が生きます。
逆におすすめできないシーン
- 雨天や朝露で芝が濡れているとき
- 傾斜が多く、足場が不安定な山岳コース
- 競技志向でスイング精度を求めるプレー
- 飛距離・方向性をしっかり出したい場合
このような環境では、安定性不足がミスショットやケガにつながることもあります。安全面でもゴルフシューズの方が安心です。
ゴルフシューズとの使い分けがベスト
「ランニングシューズをゴルフに使うべきか?」という問いに対して、答えは“どんな目的でプレーするか次第”です。
もし「歩くことを楽しみたい」「ラウンドを気軽にしたい」というスタンスなら、ランニングシューズの軽さとクッション性は魅力的です。
ただし、スコアやスイングを追求するなら、ゴルフ専用シューズがやはり最適。地面をつかむ力、横方向の安定感、体重移動のしやすさなど、プレーの質を支える設計が随所に盛り込まれています。
最近では「スニーカータイプのゴルフシューズ」も多く登場しています。
見た目はカジュアルでも、ソールやアッパー構造はゴルフに最適化されており、“両方のいいとこ取り”が可能です。
ランニングシューズのような履き心地で、スイング時の安定も確保できるため、兼用派にはおすすめです。
ランニングシューズをゴルフで使うときのチェックポイント
どうしてもランニングシューズを使いたい場合は、以下の点を確認しましょう。
- ソールのグリップ力:芝や傾斜でも滑らないか
- 横方向のサポート:スイング時に足が流れないか
- ホールド感:アッパーが足をしっかり包み込むか
- クッション性のバランス:柔らかすぎて沈まないか
- 履き慣らし:長時間の歩行で擦れや痛みが出ないか
これらを事前に試して問題なければ、練習用や軽いラウンドでは十分に活用できます。
ランニングシューズはゴルフにも使える?最終結論
結論として、ランニングシューズは「ゴルフで使える場面もある」が「万能ではない」です。
歩行中の快適性・軽さでは圧倒的に優れていますが、スイング中の安定性や地面のグリップ力ではゴルフシューズに劣ります。
初心者やライトプレーヤーが練習や気軽なラウンドで使う分には問題ありませんが、競技志向のゴルファーや滑りやすいコースでは避けた方が無難です。
もし迷ったら、「スニーカータイプのゴルフシューズ」を選ぶのが最適解。
ランニングシューズのように軽く、ゴルフの動きに合わせた安定設計で、どちらの良さも得られます。
ゴルフは足元がすべての動作の起点です。
歩きやすさも大切ですが、スイングを支える“踏ん張り”こそがプレーの質を決めます。
あなたのプレースタイルに合った一足を選んで、快適で安定したゴルフを楽しんでください。


