ランニングを続けていると、意外と見落としがちなパーツがあります。それが「シュー レース（靴ひも）」です。靴のサイズやクッション性には気を配っても、ひもについては最初に付属していたものを何となく使い続けている、という人も多いはず。でも実は、このシュー レースの選び方や結び方次第で、走りやすさも快適さも大きく変わります。今回は、ランニングシューズにぴったりのシュー レースを選ぶポイント、正しい結び方、交換の目安までを徹底解説します。
シュー レースはなぜ重要なのか
靴ひもは、単なる“飾り”ではありません。足とシューズを一体化させるための大事な機能パーツです。正しいひも選びと結び方ができていないと、走行中にかかとが浮いたり、足が前に滑ったり、最悪の場合は転倒につながることもあります。
逆に、足にしっかりフィットするよう調整されたひもなら、地面を蹴る力を無駄なく伝え、安定したランニングフォームを維持することができます。
さらに、ひもが緩みやすいと何度も結び直す手間が発生し、集中力が切れる原因にも。小さなパーツですが、実はランナーのパフォーマンスを支える“縁の下の力持ち”なのです。
ランニングシューズに合うシュー レースの選び方
1. 長さは「アイレットの数」で決まる
まずチェックすべきはひもの長さ。ランニングシューズには「アイレット」と呼ばれる通し穴が左右にあり、その数によって適切なひも長が変わります。
目安としては次の通りです。
- 4〜5ペア：70〜90cm
- 6〜7ペア：100〜120cm
- 8ペア以上：130cm以上
長すぎると余りがだらりと垂れ、逆に短いと結び目を作る余裕がなくなります。購入前に、今使っているひもを平らに伸ばして長さを測っておくと安心です。
2. 素材でフィット感が変わる
ランニング向けには、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維製が主流です。軽くて丈夫、そして汗や雨にも強いのが特徴。一方でコットン（綿）素材は柔らかく締めやすいですが、濡れると伸びやすいので長距離ランには不向きなこともあります。
また、最近は少し伸縮性を持たせた「エラスティックレース」も人気。結ばずにフィット感を得られるタイプもあり、トライアスロンやスピードトレーニング向きです。
3. 平ひも or 丸ひも、どちらを選ぶ？
見た目の印象だけでなく、形状によって機能性も異なります。
平ひも（フラットタイプ）は、アイレットとひもが触れる面積が広く、摩擦が増えるためほどけにくいという利点があります。多くのランナーが好むタイプです。
丸ひも（ラウンドタイプ）はスマートな見た目ですが、滑りやすくほどけやすい傾向があります。強く締めすぎると足の甲に食い込みやすいので注意が必要です。
4. 夜間ランナーは「反射材入り」もおすすめ
夜道を走る人なら、リフレクター（反射素材）入りのひもを選ぶと安全性が高まります。ライトに反射して自動車や自転車からの視認性が上がるので、夜間ランにぴったりです。
ランナーに人気の結び方・ラッシングテクニック
1. ランナーズループ（ヒールロック）
ランニングシューズの最上部に余分な穴があるのを見たことはありませんか？ それは「ランナーズループ」と呼ばれる結び方をするためのもの。
かかとが浮きやすい人や、足が前に滑ってつま先が当たる人に最適です。ひもを最上段の穴に通して小さなループを作り、反対側のループにひもを通してから結びます。これでかかとがしっかりホールドされ、足が前方にずれるのを防げます。
2. ウィンドウラッシング（甲圧回避）
甲の部分が痛くなる人には「ウィンドウラッシング」がおすすめ。圧迫を感じる部分でひもを交差させず、真っすぐ上に通すことで“空間（ウィンドウ）”を作り、甲への負担を軽減できます。
3. ほどけにくい結び方を覚える
一般的な「蝶結び」でも、結び方を少し工夫するだけでほどけにくくなります。コツは、最後に左右のループを外側へ軽く引くこと。結び目が横向きではなく縦向きになり、走行中にほどけにくくなります。
また、二重結びも有効ですが、強く締めすぎると解くのが大変になるので注意しましょう。
交換のタイミングとメンテナンス方法
1. ひもの寿命を見極めよう
ひもは消耗品です。毎回強い力で締めたり、雨や汗で濡れたまま放置したりすると、摩耗が早まります。次のような状態が見られたら交換を検討しましょう。
- ほつれや切れかけがある
- ひもの表面が滑りやすくなった
- 結び目が頻繁にほどける
- ひもが硬くなり締めづらい
特にランニング中にひもが切れると危険なので、少しでも不安を感じたら早めの交換をおすすめします。
2. 目安は「半年〜1年」または「シューズ2足分」
走る距離や頻度にもよりますが、ひもの寿命はおおむね半年から1年程度と考えられます。シューズを2足使い分けている人なら、ひもも同じタイミングで交換するとわかりやすいです。
シューズ本体の寿命（おおよそ500〜800km）に合わせて交換すると、全体のバランスも保てます。
3. 汚れたら洗って長持ちさせる
ひもは洗える素材が多いので、汚れが気になったら取り外して洗いましょう。
軽い汚れなら中性洗剤を溶かしたぬるま湯に浸け、指で優しくもみ洗い。しっかりすすいだら、タオルで水気を取って陰干しします。直射日光や乾燥機はNG。素材が縮んだり硬化する恐れがあります。
シュー レースで変わる！快適な走りのための実践アドバイス
- 走る前に一度、足の状態を確認する
その日の体調や気温によって、足のむくみ具合は変わります。朝と夜では締め心地が違うこともあるので、走る前に軽く立ち上がって重心を移動しながらフィット感を確かめましょう。 - ひもを均等に締める
下から順に丁寧に引き上げてテンションを均等に保つことが大切です。途中で強く締めすぎると、血行が悪くなり足の甲が痛くなる原因になります。 - 余ったひもは踏まない工夫を
ほどけにくくしても、余りが長いと足に絡まることがあります。二重に結ぶ、ひも先を内側に収納するなどの工夫で、安全に走れます。 - ナイトランでは視認性を意識する
反射素材付きのひもや明るいカラーを選ぶことで、車や自転車からの視認性が向上。夜でも安心して走れます。 - 新品のひもは慣らしが必要
新しいひもは滑りが良く、最初は緩みやすいことも。初回は少しきつめに締め、短距離で慣らしてから本格的なランに使いましょう。
シュー レースを変えるだけでランニングがもっと快適に
ランニングシューズの性能は、ソールやクッションだけで決まるものではありません。ひも一本で、フィット感も安定感も大きく変わります。自分の足型や走り方に合わせて、ひもの長さや素材を見直すだけで、まるで新しいシューズを履いたような感覚になる人もいます。
「最近、靴の中で足が動く」「結び直す回数が増えた」と感じているなら、それはシュー レースを見直すサインかもしれません。交換や結び方を工夫することで、日々のランニングがより快適で安全になります。
まとめ：ランニングシューズに合うシュー レースで走りをアップデート
ランニングシューズに合うシュー レースの選び方を押さえておくと、足への負担が減り、走行中のストレスも軽減されます。
長さ・素材・形状を自分の靴と走り方に合わせて選び、結び方を工夫する。
そして定期的に交換・メンテナンスを行えば、毎回のランニングがより快適で安全なものになります。
「たかが靴ひも」と思わずに、一度じっくり見直してみてください。ランニングの質が、きっと一段上がるはずです。
