スウェーデン発のスケートシューズブランド「ラストリゾートAB」。スケーターによる、スケーターのための靴として話題を集めています。この記事では、人気モデルを中心に履き心地や構造、使い心地を徹底的に掘り下げ、実際にどんなシーンで快適に履けるのかを紹介します。スケート用としてだけでなく、街履きにも使えるのか——気になるポイントを詳しく見ていきましょう。
ラストリゾートABとは？スケーター発の本格ブランド
ラストリゾートABは、スウェーデン・ストックホルムで誕生したスケートシューズブランドです。創設者は、スケーターであり映像作家としても知られるポンタス・アルブ（Pontus Alv）。彼はスケートブランド「Polar Skate Co.」の創立者でもあり、“スケーターが自分たちで作る靴”という理念のもと、ラストリゾートABを立ち上げました。
ブランド名の「Last Resort」には“最後の手段”という意味が込められています。既存の大手ブランドではなく、スケーターのリアルな視点で快適さと実用性を追求した靴を作りたいという思いが反映されています。
製品はすべてヨーロッパでデザインされ、無駄を省いたシンプルなフォルムが特徴。スケート時の耐久性だけでなく、日常的な履き心地にもこだわっている点が、多くのファンを惹きつけています。
構造から見る履き心地：ソールと素材のこだわり
カップソールとヴァルカナイズの2構造
ラストリゾートABのスニーカーには、大きく分けて「CMシリーズ構造（CMシリーズ）」と「VMシリーズ構造（VMシリーズ）」があります。
カップソールは、ソールの中にクッション材を組み込み、足全体を包み込むように支える設計。衝撃吸収や安定性に優れ、長時間のスケートや立ち仕事にも向いています。
一方のヴァルカナイズ製法は、ソールとアッパーを加硫接着することで柔軟性と軽さを実現。より足と板の一体感（ボードフィール）を重視するスケーターに人気です。
クッションと安定性
インソールには独自の「Cloudy Cush」素材を採用。クッション性に優れ、着地時の衝撃をしっかり吸収します。特にカップソールタイプでは、厚みのあるソール構造と相まって安定した履き心地を感じやすい設計です。
フォアフット（前足部）は薄めに作られており、屈曲性が高く動きやすいのもポイント。グリップテープとの接地感を損なわず、繊細な板操作にも応えます。これがスケーターから支持される理由のひとつです。
アッパー素材とフィット感：スエードの心地よさ
ラストリゾートABの多くのモデルでは、高品質なスエード素材を使用しています。手触りが柔らかく、履き込むほどに足になじむ質感が魅力。スエードは耐摩耗性にも優れており、スケート中のグリップテープによる摩擦にも強いです。
縫製はダブルステッチ構造で、アッパーの裂けやほつれを防止。特にオーリー（板を跳ね上げるトリック）などで擦れる部分には補強パネルを配置し、耐久性を高めています。
フィット感に関しては、ややタイトな作りが多い印象です。足幅が広めの人は、ハーフサイズアップを選ぶと快適に履けるケースもあります。ヒール部分には厚めのパッドを入れ、かかとのズレやスリップを防止。足首を包み込むような安定感があります。
実際の履き心地：スケートと街履きでの違い
スケート時の快適性
スケートシューズとしてのラストリゾートABは、ボードとの一体感と安定性のバランスが非常に良いです。特にカップソールモデルは着地の安定感が高く、反復的な衝撃でも足の疲れを抑えます。
一方で、ヴァルカナイズモデルはより軽く柔軟。トリックの感覚をつかみやすく、足裏から板の動きをダイレクトに感じられるため、テクニカルなスケーターにも人気です。
ただし、レビューの中には「通気性がやや弱い」という声も。夏場や長時間のセッションでは、足が蒸れることもあるようです。これはスエード素材と厚みのあるインナー構造の影響によるもの。通気性よりも安定感を重視した設計といえるでしょう。
街履き・日常使用での印象
デザインが非常にミニマルで、ロゴも控えめ。スケートシューズながら街履きにも違和感がありません。
履き心地は柔らかく、クッション性も高いため、普段使いでも快適です。立ち仕事や通勤などで長時間履く場合でも、足裏の疲労を感じにくいという声もあります。
ただし、軽快さという点ではランニングシューズほどではありません。通気性や軽さを最重視する人にはやや重たく感じるかもしれませんが、デザイン性と安定性を重視する人にはぴったりです。
耐久性とメンテナンス性も重要な魅力
スケート靴は摩耗との戦い。ラストリゾートABはその点をよく理解しており、ソールパターンや素材選びに独自の工夫をしています。
アウトソールは100％ナチュラルラバー製。小石や砂利が詰まりにくいよう、トレッドパターンを浅めに設計。摩耗しにくく、グリップを維持しやすい構造です。
アッパーのスエードも厚みがあり、多少の擦れでは破れにくい仕様になっています。
メンテナンスは、柔らかいブラシで汚れを落とし、スエード専用スプレーで防水・防汚コーティングをするのがおすすめ。定期的にケアすることで質感と履き心地を長く保てます。
サイズ選びと履き方のコツ
ラストリゾートABのサイズ感は、モデルによって少し差があります。
新品時は少し硬さを感じることがありますが、数日履くとスエードが柔らかくなり、足に馴染みます。厚手の靴下での着用や、インソールを別途カスタムするのも快適性を高める方法です。
ラストリゾートABの履き心地が選ばれる理由
ラストリゾートABが評価されている最大の理由は、“スケートシューズとしての機能性”と“街でも履けるデザイン”の両立です。
- 足をしっかり包み込む安定した構造
- 着地時の衝撃を和らげるCloudy Cushインソール
- スエードの質感とミニマルな見た目
- スケート時のボードフィールと耐久性の高さ
この4点が、履き心地の良さを支える大きな柱になっています。
“派手さはないが、確かな作り”という言葉がぴったりのブランド。スケートをしない人でも、シンプルで丈夫な靴が欲しいという理由で選ぶ人が増えています。
まとめ：ラストリゾートABの履き心地を求めるなら
ラストリゾートABの履き心地は、「安定性としっかりした作り」を重視する人に特におすすめです。スケート用途ではもちろん、通勤や街歩きでも活躍します。
一方で、通気性や軽さよりも“安心感”“安定感”を求める方向け。スケートをしない人にとっても、質の良い日常靴として十分に魅力的です。
最後にもう一度。**ラストリゾートAB**の履き心地は、派手な機能や宣伝ではなく、スケーターが本気で作った“地に足のついた快適さ”そのもの。
履くほどにわかるこのバランス感こそ、ラストリゾートABが長く愛される理由なのです。
