「革靴を履きたいけれど、カッチリしすぎるのは苦手」「スニーカー感覚でガシガシ歩ける仕事靴が欲しい」
そんなワガママな願いを叶えてくれる魔法のような靴があるのをご存知でしょうか。それが、今回ご紹介する「ポストマンシューズ」です。
かつてアメリカの郵便局員たちが愛用していたこの靴は、今やファッション好きからビジネスマンまで、幅広い層に支持される定番アイテムとなりました。
この記事では、ポストマン革靴の魅力から、失敗しないサイズ選び、さらにはオンオフ問わずおしゃれに見える着こなし術まで、徹底的に掘り下げていきます。
なぜ今、ポストマン革靴が選ばれるのか?その歴史と魅力
ポストマン革靴。その名の通り、かつてアメリカで郵便配達員(ポストマン)のために開発されたサービスシューズがルーツです。
1954年にレッドウィング ポストマン 101が登場したのが始まりとされています。当時の郵便配達員は、毎日何キロも重い荷物を持って歩かなければなりませんでした。そんな過酷な労働環境を支えるために、以下の3つの要素が詰め込まれたのです。
まず一つ目が「クッション性の高いフラットソール」。
通常の革靴にある「ヒール」がありません。平らなラバーソールを採用することで、地面への接地面積を増やし、足への負担を劇的に軽減しています。また、このソールは「芝生を傷つけない」という配慮から生まれたものでもあり、当時の公共サービス精神が宿っています。
二つ目が「雨や汚れに強いレザー」。
毎日外を歩く配達員のために、水に強く、かつ手入れが簡単なレザーが採用されました。磨けば上品な光沢が出るのに、タフに使える。この絶妙なバランスが、現代のビジネスマンにも刺さっているわけです。
三つ目が「究極にシンプルなデザイン」。
装飾のないプレーントゥは、制服に合わせるためのフォーマルさを持ちながら、ワークブーツのような堅牢さも備えています。だからこそ、スーツにもジーンズにも馴染む「汎用性の塊」のような一足になったのです。
ポストマン革靴を選ぶときにチェックすべき3つのポイント
自分にぴったりの一足を見つけるために、まずは以下のポイントを意識してみてください。
レザーの種類で印象が変わる
ポストマンシューズに使われる革は、主に「シャパラルレザー」や「ガラスレザー」といった、光沢感のあるタイプが多いです。これらはコーティングが施されているため、雨に強く、サッと拭くだけで綺麗になります。よりカジュアルに、あるいはエイジング(経年変化)を楽しみたいなら、シボ感のあるレザーやスウェード素材をあえて選ぶのも面白いですよ。
ソールの形状とブランドの個性
基本はフラットな「クッションクリープソール」ですが、ブランドによってその柔らかさや厚みが異なります。例えばダナー ポストマンシューズは、ビブラム社のソールを採用しているモデルが多く、非常に軽量でスニーカーに近い履き心地です。一方、レッドウィング ポストマンは、最初は少し硬く感じますが、履き込むほどに自分の足裏の形に馴染んでいく感覚を楽しめます。
「SR/USA」タグの有無
本物志向の方なら、ピスネーム(タグ)にも注目してみてください。レッドウィングの特定のモデルなどには、米国郵政公社の規定をクリアした証である「SR/USA(Slip Resistant / Made in USA)」の緑色のタグが付いています。これが付いているだけで、プロダクトとしての背景がグッと深まり、所有欲を満たしてくれます。
失敗したくない!ポストマン革靴のサイズ感と選び方のコツ
「革靴を買ったけれど、サイズが合わなくて結局履かなくなった」……そんな悲劇は避けたいですよね。ポストマンシューズは、スニーカーと同じ感覚で選ぶと失敗しやすいので注意が必要です。
多くのポストマンシューズ、特にレッドウィング 101などは、210番という細身の木型(ラスト)を使用しています。
スニーカーサイズから「-0.5cmから-1.0cm」が目安
一般的なスニーカー(ナイキやアディダスなど)で27.0cmを履いている方なら、ポストマンは26.0cm(US8)や26.5cm(US8.5)が検討候補になります。
「万力締め」を恐れない
初めて足を入れたとき、「ちょっときついかも?」と感じるくらいがジャストサイズと言われることが多いです。ポストマンシューズの多くは、中底にコルクが詰まっています。履き続けるうちに、自分の体重でこのコルクが沈み込み、足の形にフィットする空間が生まれます。最初からゆとりがあると、後でブカブカになってしまう可能性があるのです。
足幅が広い人は「ワイズ」を確認
ポストマンは全体的にシュッとしたシルエットなので、幅広・甲高の方はサイズ選びがより重要です。ブランドによっては「Dワイズ(標準)」だけでなく「Eワイズ(広め)」を展開していることもあるので、自分の足の形を把握しておくと安心です。
ポストマン革靴おすすめ10選!人気ブランドからコスパモデルまで
ここからは、今手に入れるべきおすすめのモデルを厳選して紹介します。
1. レッドウィング #101 ポストマン・オックスフォード
レッドウィング 101言わずと知れた「元祖」です。ブラック・シャパラルレザーの独特な光沢感は、他のブランドには真似できない色気があります。一生モノとして育てたいなら、これを選べば間違いありません。
2. ダナー ポストマンシューズ D214300
ダナー ポストマンレッドウィングと並ぶ二大巨頭の一つ。日本人の足型に合わせて作られており、最初から履き心地が良いのが特徴です。マットな質感のレザーが多く、落ち着いた大人の雰囲気を演出できます。
3. クレマン PASTAN
クレマン パスタンフランスの老舗ブランド。軍や公務員への支給実績もありながら、2万円台という驚異のコスパを誇ります。ソールが軽く、スニーカー感覚で毎日履ける実用性が魅力です。
4. ハルタ ポストマンシューズ #711P
ハルタ ポストマンローファーでお馴染みの日本の老舗。日本人の足を最もよく知るブランドだけあって、フィット感は抜群。日本製で作りも丁寧、かつ価格も抑えめなので、初めてのポストマンにも最適です。
5. ドクターマーチン 1461 3ホール
ドクターマーチン 1461ポストマンという括りでは少しストリート寄りですが、フラットなシルエットは共通。黄色いステッチがアクセントになり、私服メインで使うなら非常に使い勝手が良い一足です。
6. チペワ サービスオックスフォード
チペワ オックスフォード無骨なワークスタイルが好きならこちら。質実剛健な作りで、履き込むほどに出る「味」は格別です。レッドウィングよりも少しマイナーな分、こだわり派に好まれます。
7. バーウィック プレーントゥ 5322
バーウィック プレーントゥスペインのブランドで、グッドイヤーウェルト製法ながら価格を抑えた本格派。ポストマン的なデザインでありながら、少しドレス寄りのラストを使っているため、スーツスタイルに非常によく映えます。
8. リーガル ポストマンタイプ
リーガル ポストマン日本の革靴界の王者。リーガルらしい堅牢な作りと、安心のアフターサービスが強みです。雨の日でも滑りにくいソールを採用したモデルが多く、実用重視のビジネスマンに支持されています。
9. サンダース ミリタリーダービー
サンダース ミリタリーダービーイギリス国防省(MOD)への納入実績もあるブランド。ポストマンに近いデザインですが、キャップトゥ(一文字)のモデルが有名。ポリッシュドレザーの輝きが美しく、気品があります。
10. ガラスレザー採用のコスパモデル
ポストマンシューズ 安い予算を抑えたい場合、合皮や安価なガラスレザーを使用したモデルも選択肢に入ります。雨の日のサブシューズとして、あるいはポストマンのスタイルを試してみたいという方におすすめです。
ポストマン革靴を履きこなす!ビジネス・私服のコーディネート術
ポストマンシューズの最大の武器は「何にでも合う」こと。しかし、よりおしゃれに見せるためのちょっとしたコツがあります。
ビジネススタイル:スラックスの「丈」にこだわる
スーツやジャケパンスタイルに合わせる場合、パンツの裾は少し短めの「くるぶし丈(アンクル丈)」にするのがおすすめです。ポストマンは通常の革靴よりも少しボリュームがあるため、裾がダボつくと野暮ったく見えてしまいます。裾をスッキリさせることで、靴の丸みを帯びたシルエットが際立ち、洗練された印象になります。
カジュアルスタイル:デニムをロールアップする
リジッドデニムやチノパンに合わせるのが王道のスタイル。裾を2、3回細めにロールアップして、足首を少し見せるのがポイントです。ここに白のソックスを持ってくると、清潔感のある「シティボーイ」的な着こなしになります。
ワーク・ミリタリースタイル:太めのパンツでバランスを取る
ポストマンはもともと作業靴なので、軍パンや太めのワークパンツとも相性抜群です。靴自体にボリュームがあるので、太いパンツの裾を乗せても負けません。男らしい無骨なスタイルを、黒のプレーントゥが程よく上品に引き締めてくれます。
長く愛用するための正しいお手入れ方法
お気に入りの一足を10年、20年と履き続けるためには、適切なメンテナンスが欠かせません。ポストマンによく使われる「光沢のあるレザー」の手入れを紹介します。
- ブラッシング:履いた後は必ず馬毛ブラシでホコリを落とします。これだけで革の劣化を大幅に防げます。
- 汚れ落とし:ステインリムーバーを布に取り、古いクリームや汚れを優しく拭き取ります。
- 保湿とツヤ出し:専用のクリームを少量塗り込みます。レッドウィング ブーツクリームなどは、光沢を維持するのに最適です。
- 乾拭き:仕上げに綺麗な布で磨き上げることで、あの独特の鈍い光沢が復活します。
また、雨の日に履いた後は、新聞紙などを詰めて風通しの良い場所で陰干ししてください。完全に乾く前にクリームを塗るのはNG。革が傷む原因になります。
まとめ:ポストマン革靴で足元から日常をアップグレード
ポストマン革靴は、単なる「靴」以上の価値を提供してくれます。
それは、朝の忙しい時間に「今日はどの靴を履こうか」と悩む時間をゼロにしてくれる汎用性であり、長時間の移動でも疲れにくい実用性であり、そして何年経っても色褪せないタイムレスなデザインです。
最初は少し硬くて足が痛むかもしれません。しかし、それを乗り越えて自分の足に馴染んだとき、ポストマンはあなたにとって最高の相棒になるはずです。
ポストマンシューズの中から、あなただけの運命の一足を見つけてみてください。
「一歩踏み出すのが楽しくなる」。そんな体験を、ぜひポストマン革靴とともに。


