最近よく耳にする「プレート入りランニングシューズ」。マラソン大会やSNSでも、「カーボンプレート搭載モデルで記録更新した!」なんて声を見かけることが増えました。けれど、「実際どんな仕組み?」「初心者でも履けるの?」と疑問に思っている人も多いはず。
ここでは、プレート入りランニングシューズの特徴や効果、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
プレート入りランニングシューズとは?
プレート入りシューズとは、その名のとおりソール内部に“プレート”と呼ばれる硬い板状の素材が組み込まれたシューズのことです。
多くの場合、プレートには軽くて強度の高い「カーボンファイバー(炭素繊維)」が使われています。このプレートがランニング中にしなることで、着地から蹴り出しへの重心移動をスムーズにし、前へ進む力をアシストしてくれます。
特に、カーボンプレート入りモデルはトップランナーの間で広まり、いまやレース用シューズの定番になりつつあります。
ただし、「厚底+プレート=誰でも速くなる」というわけではありません。プレートの特性を理解し、自分の走力や目的に合ったモデルを選ぶことが大切です。
カーボンプレートの仕組みと効果
プレート入りシューズの構造は、クッション性の高い厚底ソールと硬いプレートの組み合わせが特徴です。
一般的なシューズよりも「しなり」と「反発」を意識した設計になっており、走りの効率を高めるよう作られています。
プレートの主な役割は次の3つです。
- 推進力の向上:着地時にプレートがしなり、蹴り出し時に元の形に戻ることで反発力を生み出します。まるで“バネ”のような働きをして、少ない力でスピードに乗る感覚が得られます。
- 剛性の確保:厚底ソールは柔らかく沈み込みやすい傾向がありますが、プレートが芯のような役割を果たすことで安定性がアップ。足の動きを一定方向に導き、無駄なエネルギーロスを減らします。
- フォーム維持のサポート:長距離を走ると脚が疲れて姿勢が崩れやすくなりますが、プレートがあることで足のブレを抑え、後半でもフォームを保ちやすくなります。
結果として、ランニング中の「ランニングエコノミー(走行効率)」が向上し、同じ力でより長く速く走れるという効果が期待できます。
メリット:パフォーマンスと疲労軽減
プレート入りシューズの最大の魅力は、やはり推進力と省エネ性能。
厚底ソールとプレートの相乗効果で、脚への負担を抑えつつスピードを維持できる点が大きな強みです。
- スピードを維持しやすい
プレートが走行リズムを一定に保つので、ピッチやストライドが安定しやすくなります。マラソン後半の失速を防ぐ効果も。 - 脚へのダメージを軽減
クッション素材が衝撃を吸収し、プレートが力を逃がさないため、筋肉や関節への負担が減ります。 - ランニングフォームの安定化
ソールの反り返りによって自然と重心が前に移動し、効率的なフォームを維持しやすくなります。
こうした特性から、サブ3やサブ3.5といった記録を目指すランナーだけでなく、長距離での疲労を減らしたい中級者にも人気が広がっています。
デメリット:慣れと条件が必要
一方で、プレート入りシューズには注意点もあります。
「履けば速くなる」わけではなく、使い方を誤ると逆効果になることも。
- 価格が高い:高性能素材を使用しているため、価格帯は2万円〜4万円前後とやや高め。
- 耐久性が低め:軽量化重視の構造ゆえに、ソールの反発力が早く落ちる傾向があります。
- 脚力とフォームが必要:反発が強い分、筋力や体幹が不足しているとコントロールしにくく、ふくらはぎや足底を痛めるリスクもあります。
- 接地感の違い:厚底+硬いプレート構造のため、地面をつかむ感覚が薄く「浮いている」ような履き心地に慣れが必要です。
そのため、いきなり普段の練習で使うよりも、まずは短距離やポイント練習で感覚を掴むのがおすすめです。
プレート入りランニングシューズが向いている人
次のようなタイプのランナーに、プレート入りモデルは特におすすめです。
- フルマラソンやハーフマラソンで自己ベストを狙いたい
- 一定のスピード(4〜5分/km)で安定して走れる走力がある
- フォームや筋力がある程度整っている
- レースやスピード練習など、特別な場面で履く“勝負シューズ”を探している
逆に、ジョギング中心のランナーや走り始めたばかりの初心者には、まずは通常のクッションモデルから慣れる方が安心です。
プレート入りは“上達した自分へのご褒美”として導入すると、モチベーションも上がります。
プレート入りシューズの選び方
プレート入りランニングシューズはブランドごとに特徴が異なります。
以下のポイントを意識して、自分に合う一足を選びましょう。
1. プレートの素材と位置
一般的には「フルレングス(全長)」タイプと「前足部のみ」タイプがあります。
フルレングスは推進力が強く、レース向き。前足部タイプは自然な屈曲性があり、練習にも使いやすい傾向です。
素材はカーボンが主流ですが、ナイロンやグラスファイバーなどやや柔らかいプレートを採用するモデルもあります。
2. ミッドソールの素材
高反発フォーム(例:Zoom Xなど)を使ったモデルは軽くて弾む感覚が強め。
一方、EVAベースの素材は安定性が高く、初心者でも扱いやすいです。
3. フィット感と安定性
プレート入りは反発が強いため、サイズが合わないとブレが大きくなります。
特につま先のゆとりや踵のホールド感を確認し、足と一体化するようなフィット感を重視しましょう。
4. 用途別の選び方
- レース用:軽量・高反発・攻めのモデル
- 練習用:やや柔らかめで耐久性のあるモデル
- 初心者〜中級者:ナイロンプレートや薄底寄りの構造で慣れやすいタイプ
このように、同じ「プレート入り」でも設計思想はさまざま。目的に合わせて選ぶことが、効果を最大限に引き出すコツです。
履きこなしと使い分けのコツ
プレート入りランニングシューズは、履き方次第でパフォーマンスが大きく変わります。
- 慣らし期間を設ける
いきなりレースで使わず、短めの距離やスピード練習で感覚を掴むこと。 - フォームを意識する
反発を活かすためには、自然な前傾姿勢とミッドフット〜フォアフット着地が理想的です。 - 脚のケアを忘れずに
プレートの反発でふくらはぎやアキレス腱に負荷がかかるため、ストレッチやマッサージを習慣化しましょう。 - 使い分ける
毎日使うのではなく、ポイント練習やレース用として履き分けるのがおすすめ。
普段のジョグではクッション性重視のシューズを使うと、脚のバランスが整いやすくなります。
カーボンプレート入りシューズの今とこれから
各ブランドは今もプレート技術を進化させています。
たとえば、剛性を調整したナイロンプレートモデルや、初心者向けのハイブリッドタイプも登場。
従来は“速い人専用”というイメージでしたが、最近は「疲れにくい・効率的に走れる」といった日常ランナー向けの要素も強化されています。
さらに、ミッドソールの軽量化や持続性の向上など、テクノロジーの進化も著しいです。
今後は、より多くのランナーが無理なくプレート入りの恩恵を受けられる時代になっていくでしょう。
まとめ:プレート入りランニングシューズの効果を理解して、自分に合った一足を選ぼう
プレート入りランニングシューズは、カーボンプレートによる反発と安定性で、走りの質を一段階上げてくれる存在です。
しかし、万能ではなく、走力や目的に合わせた選択が必要。
正しく理解して使えば、マラソンの後半でも脚が残り、スピードを持続できる頼もしい相棒になります。
慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、自分の足と走り方にフィットした一足に出会えれば、ランニングがもっと楽しくなるはずです。
プレート入りランニングシューズの特徴と選び方を理解し、あなたの走りに合う最適なモデルを見つけてください。


