ビルケンシュトックのサンダルを選ぶとき、「ソフトフットベッド」と「通常モデル（オリジナルフットベッド）」の違いに迷う人は多いですよね。どちらも見た目はほとんど同じですが、実際に履いてみると感触がかなり違います。今回は、両モデルの構造や履き心地の違いを分かりやすくまとめました。
ビルケンシュトックのフットベッドとは？
ビルケンシュトックの履き心地を語るうえで欠かせないのが「フットベッド」です。これは、同社の靴やサンダルの中底部分に組み込まれている立体構造のインソールのこと。足裏のアーチを自然に支え、長時間歩いても疲れにくいように作られています。
通常のフットベッドは、コルクと天然ラテックスを混ぜた芯材をベースに、上部にスエードライナー、下部にジュート層を配置した構造。かかとをしっかり包み込み、土踏まずのアーチを支えることで、足全体のバランスを整えてくれます。
一方の「ソフトフットベッド」は、この通常タイプの構造に加え、スエードとコルクの間に薄い発泡ゴムの層を追加。これが“ソフト”の名の由来で、足裏に柔らかいクッション性をもたらすのが特徴です。
ソフトフットベッドと通常モデルの構造的な違い
ソフトフットベッドの一番の特徴は、やはりその「発泡ゴム層」。この薄い層が足裏に優しい弾力を与え、履き始めから柔らかさを感じます。通常モデルでは、最初のうちは硬めの印象があり、「慣らし期間」が必要と言われますが、ソフトフットベッドは箱から出してすぐに快適です。
ただし、発泡ゴム層を追加した分だけフットベッド全体の厚みが増します。そのため、甲が高い人や幅広の足型の人は、サイズ選びに注意が必要です。場合によっては、いつもよりハーフサイズ上げた方が自然にフィットすることもあります。
履き始めの感触の違い
履き始めの段階では、ソフトフットベッドの方が圧倒的に「柔らかい」と感じるでしょう。足を入れた瞬間にふんわりと沈み込む感覚があり、素足でも快適です。長時間履いても足裏が痛くなりにくく、ビルケンシュトック初心者にもおすすめです。
対して、通常モデルは初期状態では硬く感じることが多いです。しかし、この硬さは「正しい位置で足を支えるための構造」。数日〜数週間履くうちに、コルクが体温と圧力で少しずつ変形し、足の形に馴染んでいきます。慣れるまでに時間はかかりますが、いったん自分の足にフィットすると、サポート力は抜群です。
履き込んだ後の違い
履き始めの印象とは逆に、長期間履くと「通常モデル」の良さが際立ってきます。コルクが自分の足型に合わせて沈み込み、世界に一足だけのフィット感に育っていくからです。アーチサポートがしっかり働き、長時間の歩行でも疲れにくくなります。
一方、ソフトフットベッドは最初から柔らかいため、変化が少なく「育つ感覚」は控えめ。長く履いても履き心地が大きく変わらないのが特徴です。最初の快適さが続く一方、足裏をしっかり支えたい人にはやや物足りなく感じることもあります。
足型や用途による向き・不向き
どちらのフットベッドが合うかは、足の形や使うシーンによっても変わります。
- ソフトフットベッドが向いている人
- 初めてビルケンシュトックを履く人
- 足裏が敏感、または扁平足気味の人
- 立ち仕事や旅行など、長時間歩くシーンが多い人
- クッション性を重視する人
- 通常フットベッドが向いている人
- 以前からビルケンシュトックを愛用している人
- アーチがしっかりあり、足裏のサポートを重視する人
- 長期的に履き込んで「自分の足型に育てたい」人
- 安定感・ホールド感を求める人
用途で選ぶなら、街歩きや室内履きならソフト、アウトドアや通勤など長く履くなら通常モデルが向いています。
サイズ選びとフィット感の注意点
ソフトフットベッドは通常モデルより厚みがあるため、甲の高い人や幅広の人は少しきつく感じることがあります。もし甲が当たるようなら、ワンサイズ上げるか、レギュラーフィットを選ぶのがおすすめです。
また、ビルケンシュトックは「ナロー（幅狭）」と「レギュラー（幅広）」の2種類があるので、足幅に合わせて選ぶと快適さが格段に上がります。履いたときに、つま先がフットベッドの内側に収まっていればサイズは適正。かかとがギリギリまで乗るようなサイズは避けましょう。
耐久性とメンテナンスの違い
ソフトフットベッドの発泡ゴム層は復元力が高く、長時間履いてもヘタリにくい設計です。ただし、クッション層がある分、コルク部分への体重のかかり方が分散されるため、通常モデルのような「しっかり足に馴染む変化」は起きにくい傾向があります。
どちらのタイプも、スエード面が汗や皮脂を吸収しやすいため、定期的にブラッシングして清潔に保つことが大切です。湿気や直射日光を避け、風通しのよい場所で乾燥させることで長く愛用できます。
実際のユーザーの声
ユーザーの口コミを見ても、両者の違いがよく分かります。
「ソフトフットベッドは、履いた瞬間から快適。旅行で何時間も歩いたけど、足が痛くならなかった。」
「通常モデルは最初硬かったけど、1か月くらいで自分の足にピッタリ馴染んで、今はこれしか履けない。」
このように、“すぐ快適に履きたい人”と“じっくり育てたい人”で好みが分かれる傾向があります。
ソフトフットベッドの見分け方
見た目は似ていますが、インソールの刻印で簡単に判別できます。ソフトフットベッドには「Soft Footbed」または「SF」と印字され、ロゴがブルーで描かれているモデルが多いです。通常モデルはブラウンのロゴが一般的です。購入時はこの刻印を確認しておくと安心です。
ビルケンシュトックソフトフットベッドの履き心地まとめ
ビルケンシュトックのソフトフットベッドは、従来の快適さに「クッション性」を加えた現代的な進化版です。履いた瞬間から柔らかく、足裏への衝撃を和らげてくれる一方、通常モデルは「しっかりと支える土台」としての信頼感があります。
どちらが優れているかは一概に言えません。足の形、使うシーン、好みのフィット感によって最適なモデルは変わります。
一度履き比べてみると、自分の足がどちらを求めているのかがきっと分かるはずです。
ビルケンシュトックソフトフットベッドの履き心地を理解して、自分のライフスタイルにぴったりの一足を見つけてください。
