「おしゃれは足元から」とはよく言いますが、いつも黒や茶色の靴ばかり選んでいませんか?もちろん定番の色は間違いありません。でも、もしあなたが「周りとは一歩違う、洗練された大人の色気」を演出したいなら、絶対に挑戦してほしい色があります。それが、深みのある赤紫が美しい「バーガンディ」です。
一見、「赤系の靴って派手じゃない?」「合わせるのが難しそう」と感じるかもしれません。しかし、実はバーガンディこそ、ビジネスからカジュアルまで網羅する最強の汎用性を持つカラーなのです。この記事では、バーガンディの革靴を履きこなすための秘訣を、選び方からマナー、お手入れまで余すことなくお伝えします。
なぜ今、バーガンディの革靴が選ばれるのか
革靴の世界において、バーガンディは「第3の定番色」と呼ばれています。黒が持つ「規律・フォーマル感」と、茶色が持つ「華やかさ・カジュアル感」。この両方のいいとこ取りをしたのがバーガンディです。
圧倒的な汎用性と「馴染み」の良さ
バーガンディの最大の特徴は、合わせるボトムスの色を選ばないことです。ネイビーのスーツに合わせれば、イタリアの伊達男のような色気(アズーロ・エ・マローネの進化形)が漂いますし、グレーのパンツに合わせれば、都会的で知的な印象を与えます。さらに、休日のデニムやオリーブカラーのカーゴパンツとも相性が抜群。一足持っているだけで、クローゼットにある服のほとんどに対応できてしまうのです。
日本人の肌色や日本の風景に合う
実は、バーガンディは日本人の肌の色と馴染みが良いと言われています。黄色味のある肌に対して、深みのある赤色は血色を良く見せ、全体を健康的な印象にまとめてくれるからです。また、落ち着いたトーンのバーガンディは、日本の街並みやオフィスの雰囲気から浮きすぎることなく、さりげない個性を主張してくれます。
失敗しないバーガンディ革靴の選び方
「バーガンディ」と一口に言っても、ブランドや素材によって色味の幅は非常に広いです。まずは、あなたがどのようなシーンで履きたいかをイメージして、最適な一足を見極めましょう。
素材で変わる表情
最もおすすめしたいのが「コードバン」素材です。馬の臀部の希少な革を使ったコードバンは、バーガンディという色を最も美しく表現します。特にオールデンのコードバンは世界中にコレクターがいるほど有名で、履き込むほどに宝石のような光沢を放ちます。
より実用性を重視するなら「スムースレザー(牛革)」が良いでしょう。キメが細かく、ケアもしやすいため、毎日のビジネスユースに最適です。雨の日も履く可能性があるなら、撥水加工が施されたリーガルやスコッチグレインのモデルを検討してみてください。
デザインによる印象の違い
- 内羽根式ストレートチップ:最もフォーマル度が高い形です。バーガンディでもこの形を選べば、ビジネスシーンでの信頼感を損なわずにおしゃれを楽しめます。
- ローファー:バーガンディの軽快さを活かすなら、コインローファーやタッセルローファーが一番。素足履き風に見せると、一気に大人の休日スタイルが完成します。クロケット&ジョーンズのローファーなどは、形が美しく、バーガンディの色味がよく映えます。
- Uチップ・Vチップ:少しカジュアルな要素が入るため、ジャケパンスタイルに最適です。オンオフ兼用で使いたい方に最もおすすめのデザインです。
バーガンディ革靴を格上げするコーディネート術
いざバーガンディを履こうと思ったとき、悩むのが服との組み合わせですよね。ここでは、絶対に失敗しない3つの鉄板コーディネートをご紹介します。
ネイビースーツ × バーガンディ
これは「王道中の王道」です。ネイビーの清潔感と、バーガンディの華やかさが組み合わさると、驚くほど上品に見えます。ポイントはネクタイの色です。靴に合わせて、ボルドーやワインレッド系のネクタイを締めると、全身に統一感が生まれます。
チャコールグレーパンツ × バーガンディ
黒い靴だと少し堅苦しくなりがちなグレースーツやグレーパンツ。ここにバーガンディを持ってくることで、全体がパッと明るく、かつ知的な印象になります。ライトグレーよりも、少し濃いめのチャコールグレーに合わせるのが、現代的な着こなしのコツです。
デニム × バーガンディ
休日のカジュアルスタイルを格上げするなら、濃紺のリジッドデニムにバーガンディの革靴を合わせてみてください。スニーカーでは出せない「大人の余裕」が演出できます。この時、ベルトも必ずバーガンディ系で揃えることを忘れないでください。足元と腰元の色を統一するだけで、着こなしの完成度は格段に上がります。
知っておくべきTPOとマナーの境界線
バーガンディはお洒落な色ですが、どこにでも履いていけるわけではありません。大人のマナーとして、NGシーンもしっかり押さえておきましょう。
冠婚葬祭での注意点
- 葬儀・告別式:絶対にNGです。 お通夜や葬儀は、黒の内羽根ストレートチップが唯一の正解。赤みを感じさせるバーガンディは、たとえ暗いトーンであっても「華美」と見なされ、マナー違反になります。
- 結婚式:友人や同僚として参列する披露宴や二次会なら、バーガンディは非常に素敵な選択です。お祝いの場にふさわしい華やかさを添えてくれます。ただし、親族として出席する場合や、非常に格式高い式場の場合は、黒を選んだほうが無難です。
ビジネスシーンでの使い分け
一般的なオフィスワークや営業活動であれば、バーガンディは全く問題ありません。むしろ「服装に気を遣っている人」というポジティブな印象を与えることが多いでしょう。ただし、初めて会う重要な取引先との商談や、極めて保守的な業界(金融や公務など)での仕事では、相手の価値観に合わせて黒を選ぶのが大人の配慮です。
バーガンディの美しさを保つお手入れのコツ
バーガンディの靴は、手入れを怠ると色が抜けて安っぽく見えてしまいます。逆に、正しくケアをすれば、数年後には見惚れるような深みのある一足に育ちます。
クリーム選びのポイント
- 色を補いたいとき:靴と同系色、あるいは少し濃いめのバーガンディ専用クリームを使用しましょう。サフィールなどの高品質なクリームは、発色が良く、革に栄養をしっかり与えてくれます。
- 透明感を出したいとき:あえて無色の「ニュートラル」クリームを使うのも手です。元の色味を活かしつつ、革本来のツヤを引き出すことができます。
鏡面磨き(ハイシャイン)の魔法
バーガンディの靴は、つま先を少しだけ光らせる「鏡面磨き」との相性が抜群です。赤みが光を反射して、まるでヴィンテージワインのような輝きを放ちます。あまり全体を光らせすぎず、つま先とカカトだけを重点的に磨くのが、上品に見せるコツです。
バーガンディの革靴で、あなたの日常に彩りを
「いつかは履いてみたい」と思っていたバーガンディ。その一歩を踏み出すことで、あなたの毎日のコーディネートは劇的に楽しくなります。朝、玄関でバーガンディの靴に足を通すとき、その絶妙な色気が背筋を少しだけ伸ばしてくれるはずです。
定番の黒にはない華やかさと、茶色にはない気品。その両方を備えたこの色は、年齢を重ねるごとに似合っていく「一生モノ」の選択肢と言えます。今回ご紹介した選び方やマナーを参考に、ぜひあなたにとって最高の相棒となる一足を見つけてください。
最後に、バーガンディの革靴を長く愛用するために、シューキーパーの使用も忘れずに。型崩れを防ぎ、履きジワを伸ばすことで、美しい色味と形をいつまでも維持できます。足元から自信を持って、新しいスタイルを楽しんでいきましょう!


