スニーカーブランドの中でも、クラフツマンシップを感じられる存在といえば「ニューバランス」です。その中でも特に特別な存在として知られているのが「Made in UK」モデル。
英国製ならではの上質な素材、熟練職人による製造、独特のデザインセンスが詰まったシリーズです。この記事では、ニューバランスMade in UKの魅力を余すことなく解説していきます。
英国・フリンビー工場で生まれる特別な一足
ニューバランスの「Made in UK」ラインは、イギリス北西部・カンブリア州の小さな村フリンビー(Flimby)にある工場で製造されています。
この工場は1982年に操業を開始し、現在も約250名の職人たちが手作業に近い工程でスニーカーを生み出しています。
英国の靴産業が縮小していく中でも、ニューバランスはこの地で生産を続けてきました。その背景には、「地元の伝統技術を守りながら、品質に妥協しないモノづくりを行う」という強い信念があります。
“Made in England”の刺繍は、そうした誇りの証。履くだけでクラフツマンシップの重みを感じられるモデルです。
上質な素材と丁寧な仕上げが生むプレミアム感
英国製ニューバランスの大きな魅力は、素材と仕上げのこだわりにあります。
スエードやヌバックレザー、上質なメッシュなど、一般的なスニーカーでは使われにくい高級素材を惜しみなく採用。
手触りや発色、縫製の美しさまで、ひとつひとつの工程に“職人の仕事”が宿っています。
また、英国のクラシカルな風景や文化を反映したカラーリングも特徴。
落ち着いたグレー、ブラウン、ネイビーなど、どんなスタイルにも自然に馴染む色合いが多く、大人の足元にぴったりです。
素材の厚みや柔らかさ、光沢の違いによって一足ごとに個性があり、まさに“同じものがふたつとない”味わいが楽しめます。
代表的なMade in UKモデルたち
ニューバランスの英国製シリーズには、数々の名作が存在します。特に人気が高いのは以下のモデルです。
- M1500:1989年に登場した名作。コンパクトなフォルムと洗練されたデザインが特徴。スーツにも合う万能モデル。
- M991v2:2001年に登場。ソールの厚みと柔らかさ、上質なスエードの組み合わせが快適な履き心地を実現。スティーブ・ジョブズ愛用としても有名。
- M670:クラシックランニングの系譜を受け継ぐ一足。英国らしい落ち着きと軽快さを両立。
- Allerdale:近年登場した新しい英国製モデル。地名に由来し、カジュアルにもアウトドアにも馴染む現代的デザイン。
これらのモデルは、英国製の誇りを象徴する存在。クラシックでありながら、どこか現代的なバランス感覚が絶妙です。
Made in UKならではの履き心地とサイズ感
履き心地の良さこそ、ニューバランスが支持され続ける理由です。
英国製モデルは、しなやかな素材と柔らかなクッション性が特徴。アジア製モデルよりも足に沿うフィット感があり、包み込まれるような履き心地を感じられます。
一方で、少しタイトな木型を採用しているモデルも多く、普段履いているサイズよりハーフサイズ上げて選ぶ人もいます。
特に幅広の方は、試着時にしっかり確認するのがおすすめです。
履き始めは少し硬さを感じることもありますが、使い込むほどにレザーやスエードが足に馴染み、自分だけのフィット感へと育っていくのが英国製モデルの醍醐味です。
Made in USAとの違いとは?
ニューバランスには、もうひとつのプレミアムライン「Made in USA」も存在します。
両者は同じブランドながら、明確な個性があります。
USAモデルは、テクノロジーや機能性を重視したモデルが多く、990シリーズに代表されるようにボリューム感と安定性が魅力。
一方、UKモデルはより洗練されたシルエットと上質な素材使いで、“ファッションとしての完成度”が高いといえます。
つまり、USA製が「機能美の象徴」なら、UK製は「素材と造形の美学」。
どちらも魅力的ですが、日常で上品さを演出したい人には、Made in UKモデルが特におすすめです。
英国製モデルを選ぶ理由
英国製ニューバランスを選ぶ理由は、単なるブランドや希少性ではありません。
履くたびに感じる“重み”“温もり”“時間の経過とともに変化する素材感”こそが最大の魅力です。
・職人の手仕事による高い完成度
・地元産業を支えるサステナブルな生産体制
・クラシカルで飽きのこないデザイン
・経年変化を楽しめる上質素材
これらが組み合わさることで、Made in UKモデルは単なるスニーカーではなく、“長く付き合う一足”になります。
購入時の注意点とお手入れのコツ
英国製モデルは、一般的なニューバランスよりも価格が高めに設定されています。
国内の公式ストアでは3万円台後半から4万円台が中心。限定カラーや別注モデルになると、さらに高額になることもあります。
購入時は、正規販売店や公式オンラインショップを利用するのが安心です。
人気モデルは在庫が少なく、再入荷まで時間がかかることもあるため、気になるカラーやサイズが見つかったら早めのチェックがおすすめです。
また、スエードやレザーを使用しているため、日常的なお手入れも欠かせません。
防水スプレーの使用、ブラッシングによる汚れ防止、湿気の少ない場所での保管など、少しのケアで長持ちします。
特に雨の日に履いた後は、風通しの良い場所でしっかり乾かすことが大切です。
日本での展開と入手方法
日本国内でも、ニューバランスの公式オンラインストアやセレクトショップでMade in UKモデルが販売されています。
「M1500」「M991v2」などは定期的に新色が登場し、季節ごとに異なる素材やカラーリングが楽しめます。
また、ABCマート グランドステージやユナイテッドアローズなど、一部店舗では別注カラーも展開。
英国の工場で限定生産されるため、生産数は限られていますが、それがまた特別感を高めています。
ファッション性とストーリー性を兼ね備えたスニーカーとして、コレクション的な価値も年々高まっています。
ニューバランスMade in UKモデルの魅力を改めて
改めて振り返ると、ニューバランスMade in UKモデルは「英国クラフツマンシップの結晶」といえる存在です。
素材、仕上げ、履き心地、そして背景にある物語まで、すべてが特別な体験を提供してくれます。
スニーカーとしての機能性だけでなく、ファッションとしての完成度や経年変化の美しさも味わえる。
そうした深い魅力が、多くのファンを惹きつけ続けている理由です。
もし、あなたが“一生モノ”のニューバランスを探しているなら、英国製ラインは間違いなくその候補になるでしょう。
クラフツマンシップに敬意を払いながら、自分だけのMade in UKを育ててみてください。


